鉄道模型の大きなジオラマ(レイアウト)がある飲食店は、鉄道好きにとってはたまらないスポットの1つ。また、猫さんたちと触れ合える猫カフェも人気です。
鉄道模型と猫、接点のなさそうな2つを同時に楽しめるお店が、大阪市天王寺区に存在します。Nゲージのジオラマを闊歩する猫は、みんな保護猫という「ジオラマ食堂 てつどうかん」さんです。
天王寺からJR大阪環状線で1駅離れた寺田町駅。その近くに「ジオラマ食堂 てつどうかん」はあります。入口に描かれた、大阪と南紀を結ぶ特急「くろしお」キハ82形気動車のイラストが目印です。
オーナーの「猫じい」こと寺岡直希さんに話をうかがうと、ジオラマ食堂が猫のいるお店になったきっかけは2020年6月のこと。寺岡さんが同じ建物で運営している児童施設の玄関先に、衰弱した赤ちゃん猫が捨てられていたことだったといいます。
しばらくして、お店に赤ちゃん猫の母親と兄弟が現れるようになり、全員まとめて保護することに。新型コロナウイルス禍の影響でリモートワークが増えたことにより、空き部屋ができたことを機に、2021年の4月末より現在のような形態になったんだとか。
児童施設目線の猫専用ホテルや保護猫シェルターを2階に設け、法律にのっとった保管・展示の許可を大阪市から得て、猫のいるNゲージジオラマのお店が誕生したそうです。現在「ジオラマ食堂」は完全予約制で営業しており、予約した方全員が保護猫の里親にエントリーできる形になっているとのこと。
きっかけとなった保護猫親子をはじめ、現在14匹在籍する猫さんたちは、ジオラマを自由に歩いたりくつろいだり。ジオラマ目線で見ると、まるで巨大な猫が現れたような不思議な光景です。
目の前を鉄道模型が通過すると、猫パンチでちょっかいを出すことも。こんな様子を見ながら食事ができるのは楽しそうです。
お店では休憩を挟みながら、各2時間の入れ替え制で営業。毎週水曜日が定休日となっており、金・土・日のみ団らん(ディナー)タイムを含む3部制、それ以外ではランチタイムとティータイムの2部制とのこと。
寺岡さんによると「お客さまの反応は非常に良く、SNS映えする食堂と、2階に移動し猫たちと共存できる2時間は『笑いと癒やしの120分』となっています」とのことで、リアルなジオラマと猫さんたちを皆さん堪能しているようです。
また、保護猫たちの里親になる方も。このほかにも、保護猫活動を支援する「サラレナ基金」を開設しており、寄付や基金グッズの購入、物資による支援なども運営の支えとなっているそうです。
お店のYouTubeチャンネルでは、お店や猫さんたちの様子を伝える動画のほか、毎週水曜と土曜の21時30分からライブ配信も実施。このほかにも随時ライブ配信があるとのこと。公式サイトには来店予約の方法や利用料金、きっかけとなった母猫サラちゃんと子猫たちの物語も掲載されています。
— ジオラマ食堂official【公式】 (@officia86839977) December 23, 2021
<記事化協力>
ジオラマ食堂officialさん(@officia86839977)
(咲村珠樹)