80年代90年代カルチャーを軸に、主にレトロゲームの裏技ややり込み要素の検証、それらにまつわる人間模様などを徹底深堀りした動画を公開しているYouTubeチャンネル「4ST(よんすた)」が、当時ほとんど世に出回ることのなかった幻のゲームグッズ「シューティングゲーム KG-007」の復刻を目指し、クラウドファンディングによる支援募集を開始しました。
■ 幻のゲームグッズ「シューティングゲーム KG-007」
「シューティングゲーム KG-007」は、1980年代中ごろに巻き起こったファミコンの「連射ブーム」にあやかった連射速度測定装置。一定時間の間に、ボタンを何連射出来るか?を測りながら、使っているうちに連射能力が向上する「連射名人製造機」として、「T.M.コーポレーション」より発売されました。
と、ここまでの説明を聞いて、何となくモヤっとした感情を抱いた方、正解です。そう、これは1987年に、連射ブームの第一人者である「高橋名人」が在籍していた「株式会社ハドソン」(現在はコナミデジタルエンタテインメントに吸収合併)より発売された「シュウォッチ」の機能にそっくり。
また、当時は情報の拡散や流通手段が限られていた時代。入手方法は電話問い合わせによる通販のみで、さらにゲーム雑誌に広告を掲載したのは一度きり。一部小売店が仕入れを行い、販売していたこともあったようですが、それでも大量に流通することなく、そのままひっそりと販売を終了したようです。
しかし、言い換えるならばまさに「幻のゲームグッズ」。これに感化された「4ST」の運営者である「SheNa(シイナ)」さんは、数少ない情報から当時の製造者にたどり着き、商品にまつわるさまざまなエピソードをたずねるインタビューを実施。
話を聞いているうちに、「デザイン機能もパッケージも当時と全く同じで、復刻したら面白いんじゃないか」「発売から36年経った今なら、ロマンを感じてくれる人がいるかもしれない」と考えるようになったSheNaさん。
発売元である現「株式会社ティーエムコーポレーション」協力のもと、この度クラウドファンディングによる復刻プロジェクトが開始されました。この一連の流れについては「4ST」でも詳細に解説されています。
■ 仕様やデザインは可能な限り当時のままを再現
今回は「シューティングゲーム KG-007」のオリジナルカラーである「レッド」(送料・税込み5000円)に加え、プロジェクト用の新色「ブラック」(送料・税込み5000円)、さらに3色セットプラン(送料・税込み15000円)限定の「スケルトン」を用意。(スケルトン仕様のゲームボーイのような見た目になる予定)
「可能な限り当時のままを再現」することにこだわり、本体の仕様やデザインはもちろんのこと、化粧箱に書かれた「シューテングゲーム」というまさかの誤植(?)も、同様に再現されるそうです。
クラウドファンディングページにて公開されている本体のイメージ図や化粧箱は、SheNaさんが入手した当時モノの「シューティングゲームKG-007」を撮影しているため、使用痕や痛みがありますが、実際に購入者の手元に届くのは、新たに制作する新品状態の物が届けられるとのこと。
なお、3色プランセットには、SheNaさんが復刻を目指す幻のスーパーファミコンソフト「クーリースカンク」プロジェクト発足時に使用できるアップグレードチケットも。所持者だけの特別ラベルや特別色カセットなどを検討中で、購入の個数分セットになっています。
かねてより「『4ST』を観てくださっている方々と、何か共有できるものがほしいと常々思っておりました」と、SheNaさん。36年前の幻のゲームグッズ復刻という、ロマンあふれるチャレンジには、すでに多くの方が支援を行っている模様。
募集はクラウドファンディングサイト「きびだんご」にて、「80年代ファミコン人気に肖ったレアグッズ、シューティングゲームKG-007の復刻」というプロジェクト名で行われています。
プロジェクトは5月28日23時59分まで実施され、目標金額は850万円。目標に届かなかった場合は、サポーターからの申込みはキャンセル・全額返金され、リターン(商品)も発生しないAll-or-Nothing方式。達成した場合の商品の発送は2023年中~2024年3月ごろを予定しているとのことです。
https://twitter.com/4STUDIO4/status/1641797787678543872
<記事化協力>
4ST(Twitter:@4STUDIO4 / YouTube:「4ST」)
SheNaさん(@SheNaTheKid)
(山口弘剛)