対象物を瞬間的に接着できることから、なにかと便利な瞬間接着剤ですが、指同士がくっついてしまうことがあるなど取り扱いに注意が必要なことは周知の通り。

 一方で、ティッシュペーパーや衣類など繊維質のものに染みこむと、化学反応が起きて瞬時にやけどを負うほどの高熱になることをご存じでしたでしょうか。国民生活センターが注意を呼びかけています。

 国民生活センターが公式サイトで6月19日に公開した「瞬間接着剤の使用によるやけどに注意-つけ爪用接着剤にも使用されています-」によると、2023年11月、つけ爪用接着剤が手指に垂れ、ティッシュペーパーで拭き取ったところ、表皮だけでなく真皮にまでおよぶやけどを負い、1か月以上の通院を要するとの診断を受けた事例が寄せられたそうです。

 また、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)には2019年以降、上記含む瞬間接着剤によるやけどの危害情報が7件寄せられているとのこと。

 発熱の原因となるのは、瞬間接着剤の主成分である「シアノアクリレート」系の物質。空気中や接着面の水分と反応して重合し、硬化する仕組みとなっていますが、ティッシュペーパーや布などに染みこんで表面積が拡大すると、化学反応が急激に進み大きな反応熱が発生することがあるそうです。その温度は170度に到達する場合もあるなど、大変危険。

国民生活センターの投稿

 こうした事態を受け、国民生活センターは瞬間接着剤6銘柄及びつけ爪用接着剤6銘柄について再現テストを実施。その様子も6月19日に動画として公開しています。

 なお、公式サイトでは注意喚起とともに、「使用前には商品の表示や取扱説明書を読み、ポリエチレン手袋を装着して扱いましょう」「衣類に付着させたら、大量の水をかけましょう」と対処方も紹介しています。

<参考・引用>
国民生活センター公式X(@kokusen_ncac
国民生活センター公式サイト「瞬間接着剤の使用によるやけどに注意-つけ爪用接着剤にも使用されています-

(山口弘剛)