「地獄先生ぬ~べ~」の主人公・ぬ~べ~こと鵺野鳴介(ぬえのめいすけ)が持つ「鬼の手」を再現したファンアート作品がXで注目を集めています。

 鋭い爪や筋肉と骨がむき出しになったような見た目を完全再現した、精巧な作りが目を引くのはもちろんですが、驚くべきはその素材。この鬼の手、なんとダンボールでできているんです。すんごい……!

 まさしく漫画やアニメからそのまま飛び出してきたかのような鬼の手をその左手に宿して見せたのは、ダンボールアーティストとして活動するンボールさん。これ以前にも、ダンボールで作られているとはにわかには信じられないような、超絶クオリティの作品を多数制作しています。

ダンボールで作った龍

 「ぬ~べ~」についてはもともと原作のファンで、シンボリックな鬼の手はいつか作りたいという構想は前々から持っていたものの、他の作品の制作予定があったり、そもそも制作の難易度の高さなどからなかなか着手できずにいたのだそうです。

 そんな折、ぬ~べ~の新作アニメ制作が発表されたことを受け、タイミング的に「ここだ!」と意気込み決意。7月2日のアニメ放映開始に間に合うよう、1か月ほどの期間を経て完成に至りました。

制作は試行錯誤の連続

 制作の中で特にこだわったと語るのは「可動すること」と「存在感」の2点。

 ダンボールは伸縮しないので、指を曲げるなどの可動が難しく、なおかつ鬼の手のディテールを壊さずに動かすことに苦労したとのことですが、曲がるストローをヒントに関節部分にシワを入れることで動かすことに成功。投稿に添付された動画でも、手指がなめらかに動く様子が確認できます。

 また、「存在感」を際立たせるにあたり、意識したのは「立体感」と「生々しさ」。

 鬼の手の筋繊維の部分はダンボールのフルート(芯の波うっている部分)で表現し、境目はダンボールのシワや破れを利用。箇所ごとにニスの種類を変え、全体的(特に影部分は強め)にアクリル絵の具でドライブラシを施すなどして、鬼の手の見た目や質感を再現しました。

どの角度から見てもダンボールには見えません

 一方、ンボールさんの技術をもってしても一筋縄ではいかなかった部分も多かったようで、特に可動部分については「やめとけばよかったかなー」と思う程に苦労したそうですが、妥協することなく制作を続行。

 およそ4~5回の作り直しを経て完成した作品については「鏡に映して一人ニヤニヤしながら鬼の手ごっこしてました(笑)」と、自身も納得の出来栄えとなったようです。ちなみに、中にグローブを仕込んでいるので、付け心地も抜群とのことでした。

内側にはグローブを内蔵

鏡を見てニヤニヤするのもうなずけるレベル

 そんなこだわりが詰まった作品には「腕との境目がちゃんと表現されてるのがスゲェ……」「装着できて可動もするダンボールってどゆこと?」と絶賛の声が続々。さらには「地獄先生ぬ~べ~」公式Xアカウントもコメントを寄せるなど、多くの方を驚かせています。文字通り、鬼レベルの出来栄えと言って過言ではないでしょう。

<記事化協力>
ンボール@ダンボールアートさん(@NBO26551241

(山口弘剛)