おたくま経済新聞

大阪公立大学発スタートアップの創出や支援人材の育成で連携していきます

　NEDOと大阪公立大学は3月22日に、大阪公立大学発スタートアップの創出に向けた支援やスタートアップ支援人材の育成などを連携して取り組むことに合意し、相互協力の覚書を締結します。両者は大阪公立大学発スタートアップの創出と、その支援に向けた環境整備を強化するほか、NEDO主催のイベントやスタートアップ支援研修に大阪公立大学から優先して人材を受け入れ、育成していく予定です。
　なお、NEDOと大学による起業家支援の相互協力に関する覚書の締結は、今回で20校目となり、公立大学としては初となります。
　NEDOと大阪公立大学はスタートアップエコシステムのさらなる裾野拡大やイノベーション創出環境の整備に貢献します。

1．背景
　産業技術におけるイノベーションの担い手として、知的財産や研究開発成果などの技術シーズを有する大学への期待が高まる中、それらを社会実装する手段として、大学発スタートアップの創出・育成が重要視されています。このような背景の下、NEDOは大学発スタートアップや起業家への支援に積極的な　大学と相互協力を強化するべく、これまで19の大学※1と覚書を締結してきました。これらの取り組みの一環として、NEDOと大阪公立大学はこの度、大阪公立大学発スタートアップの創出に向け、相互協力する覚書を締結します。
　大阪公立大学は、2024年度にスタートアップ創出・支援センター（StartUp Creation & Support Center；SUCSUC）を立ち上げ、大阪公立大学の技術シーズの社会実装最適化実現に向け、競争的資金の獲得とライセンシング費用の確保、優秀な支援人材の確保・活用と起業の際の経営者候補の確保などに取り組んでいます。その上で、本覚書の締結当日に実施されるディープテック分野を対象としたビジネスプランコンテスト「SUCSUC DETECT2025」を皮切りに、NEDOのスタートアップ創出に向けた支援を積極的に受けることで、技術シーズの社会実装の加速化を図ります。
　なお、NEDOと大学との起業家支援の相互協力に関する覚書の締結は、今回で20校目となり、公立大学としては初めてとなります。
　NEDOと大阪公立大学はこうした取り組みを通じて、研究開発型スタートアップが次々と誕生し成功事例を積み重ねていくことで、スタートアップエコシステムのさらなる裾野拡大やイノベーション創出環境の整備に貢献します。
2．覚書の内容
【1】NEDOカタライザーの派遣
　大阪公立大学発スタートアップや起業を目指す人からの相談に対し、NEDOカタライザー※2を派遣します。
【2】大学発スタートアップ創出に向けた環境整備の強化
　NEDOがスタートアップ支援やオープンイノベーション推進に係る情報提供などを通じて、大阪公立大学発スタートアップの創出やその支援に向けた環境整備を強化します。
【3】研究開発型スタートアップのための伴走型支援人材やオープンイノベーション推進人材の育成
　NEDOが実施する高度専門支援人材の育成事業やオープンイノベーション・ベンチャー創造協議会（JOIC）※3の活動などに大阪公立大学の人材を優先的に受け入れ、研究開発型スタートアップのための伴走型支援やオープンイノベーション推進のための人材を育成します。

【注釈】
※1　19の大学
北海道大学、九州大学、広島大学、東北大学、名古屋大学、神戸大学、東京科学大学（旧東京工業大学）、山口大学、山形大学、徳島大学、信州大学、大阪大学、金沢大学、千葉大学、東京農工大学、鹿児島大学、芝浦工業大学、沖縄科学技術大学院大学、横浜国立大学（締結順）
※2　NEDOカタライザー
NEDOが委嘱した、スタートアップ支援経験の豊富な有識者（技術経営アドバイザー）です。
※3　オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会（JOIC）
大企業やスタートアップ企業のマッチング推進やピッチイベント、ワークショップなどの開催を通じて、国内のオープンイノベーションの発展や活性化を目指す民間団体です。