体のスケッチをする際、悩ましいのが手の部分。複雑な曲がり具合や厚みなど、面の部分を考慮しながら描くのはなかなか苦労するポイントです。

 そんな中、「ゴム手にマジックペンで線を描く」という手軽な形で解決する秀逸なテクニックがSNSで話題になりました。

 テクニックをポストしたのは、スケッチを趣味とするイラストレーター、アニメーターの下田スケッチさん。

 ポストの写真では、白いゴム手袋を着けた手の指のフチと関節、手のひらの指の付け根の関節や手首にかけてマジックペンで線を引き、グリッドの集まりとして認識できるよう工夫がされています。

下田スケッチさんがXにポストしたテクニック。ゴム手袋にマジックペンで線を描くことで、手の造形をグリッドとして把握できる

 「マジックペンで手に線を描く、というような方法は昔からあると思うのですが、手を洗う不便さなどがありました」と下田さん。他に良い方法がないかと考えたところ、「ゴム手袋にマジックペンで線を描く」という方法に辿り着いたといいます。

白いゴム手袋を着けた手の指のフチと関節、手のひらの指の付け根の関節や手首にかけてマジックペンで線を引き、グリッドの集まりとして認識できるよう工夫がされている

白いゴム手袋を着けた手の指のフチと関節、手のひらの指の付け根の関節や手首にかけてマジックペンで線を引き、グリッドの集まりとして認識できるよう工夫がされている

 下田さんいわく、「ゴム手袋が波打たないようにしっかりつけてから線を引くのがコツ」とのこと。線をなるべくまっすぐに引くことで、グリッドとして参考にしやすくなり、手の造形を描きやすくなるということでした。

「ゴム手に線を引く」テクニックを使って描いた手のスケッチ。手の複雑な造形がきちんと反映されている

 「手をスケッチする練習方法としては、手軽に出来て良いなと感じています」と下田さん。すでにスケッチのプロとして熟練した技術を持っている立場から見ても、改めて実物を観察して確認できる点が便利だといい、「必要とされている人に届いたら良いなという思いでポストいたしました」と話していました。

 下田さんのXアカウント(@simodasketch)では、さまざまなパースやスケッチに関する技法のアニメーション解説など、描き手にとって役立つ情報が満載。クリエイターサイト「BOOTH」にてスケッチのテクニックを集めた本も販売しているほか、自主制作アニメーションチーム「アソビヅクリ」のメンバーとしてアニメ作品も発表しています。

 知れば知るほど奥が深く、魅力的なスケッチの世界。これまで絵を描いた経験のない人でも、最初の一歩を踏み出すきっかけになりそうですね。

<記事化協力>
下田スケッチさん(@simodasketch

(天谷窓大)