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サントリーとTOWING、高機能バイオ炭の実用性に関する実証実験を開始

update:
   
サントリーホールディングス株式会社
― 製造残渣のアップサイクルと再生農業※3の栽培効率向上を目指す ―



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/42435/1293/42435-1293-022a6a16e541350fed74bd718453b986-2000x1500.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
高機能バイオ炭

サントリーグループ(以下、サントリー)とグリーン・アグリテックスタートアップ企業(株)TOWING(以下、TOWING)は、サントリーのサプライチェーンから発生した製造残渣を原料とした高機能バイオ炭※1の実用性に関して、共同で実証実験を開始しました。
本実証実験は、「製造残渣に新たな価値を付与するアップサイクル」と「高機能バイオ炭の使用を通じた化学肥料の使用抑制等による温室効果ガス(GHG)排出削減」という2つの意義を踏まえて実施するものです。
※1 未利用バイオマス資源の炭化物(バイオ炭)に、TOWINGが開発した有機肥料の分解促進機能等を有する土壌由来微生物を付着させた特殊肥料。TOWINGでは、「宙炭(そらたん)」として製品化。

1.製造残渣を高機能バイオ炭の原料に活用、アップサイクル実現
年間で排出される国内の産業廃棄物の内、食品ロスや農作物の残渣など農業由来の廃棄物が全体の5分の1※2を占めるとされています。これらの多くは焼却や埋立処理をされており、環境負荷の増大や資源の無駄遣いなどとして問題視されています。
今回の実証実験では、サントリーの製造工程から出た飲料残渣(緑茶粕)を炭化したバイオ炭をベースに、TOWINGが保有する、有機肥料の分解促進機能等さまざまな機能を持つ微生物群を培養した高機能バイオ炭を製造しました。将来的には、サントリーのサプライチェーンで生じるその他の製造残渣からも高機能バイオ炭を製造し、アップサイクルの拡大・推進を見込んでいます。
※2 環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度実績)について」https://www.env.go.jp/press/109265.html

2.高機能バイオ炭による再生農業※3栽培効率向上と農業由来GHG排出削減の両立
農林業由来のGHG排出量は全体の13%※4を占めるとされ、中でも、製造段階で化石由来原料を大量に消費する化学肥料は多くのGHGを排出していると言われています。再生農業手法の1つである有機肥料使用栽培では、新たな化学肥料の使用を減らすことでGHG排出削減が期待されますが、肥料利用効率が低く化学肥料使用時に比べて収穫量が減るといった課題があります。
高機能バイオ炭を有機肥料と同時に農地に使用することで肥料利用効率が高まり、農作物の品質や収穫量向上が期待されます。また化学肥料の使用抑制につながることからGHG排出削減も見込まれます。
※3 土壌の健全性や生物多様性などを保護・再生しながら、農家の生活向上にも資する、持続可能かつ成果ベースの農業アプローチ。具体的には化学肥料や農薬の使用量抑制等を通じ、GHG排出削減等につながる。
※4 国連食糧農業機関(FAO)調べ。2019年時点。

今回の実証実験では、チャノキ※5を栽培するサントリーの契約農場において、通常の有機肥料使用栽培と、高機能バイオ炭を散布したうえでの有機肥料使用栽培を行い、農作物に与える影響を調査・比較する予定です。すでに完了している第1期収穫では、高機能バイオ炭を散布した農地において、農作物は通常時と同等の質を維持しつつ、収穫量が増加することを確認しています。同結果を踏まえ、第2期以降も両社で実証実験を重ね、高機能バイオ炭の効果や栽培効率向上にいたる諸条件を引き続き検証するとともに、従来の農業手法と同等の収穫率が期待できる再生農業手法の確立を目指します。
※5 ツバキ科・ツバキ属に分類される常緑樹。葉が緑茶や紅茶の茶葉として使われる。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/42435/1293/42435-1293-d40432bd218544f9a95f537b61e2b69e-2000x930.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
実証地(左) 高機能バイオ炭を散布した土壌(右)

サントリーグループは、農業分野でのGHG削減の有効手段の1つとして再生農業に着目し、かねてよりカバークロップ※6や有機肥料の使用、不耕起栽培の導入など、サプライヤーや契約農家に協力を仰ぎながら持続可能な農業への移行に向けて取り組んできました。2022年から英国で大麦の栽培を、2024年からタイでサトウキビの栽培を開始しています( https://www.suntory.co.jp/news/article/14274.htmlhttps://www.suntory.co.jp/news/article/14610.html 参照)。サントリーグローバルイノベーションセンター(株)を中心にTOWINGと取り組む今回の実証実験は、有機肥料使用栽培の効率向上を通じた再生農業のプロセス確立や、未利用バイオマス資源を活用した新たな資源循環モデルの構築につながる可能性があることから注目しています。なお、サントリーホールディングス(株)はTOWINGとの戦略的パートナーシップの強化を目的に、TOWINGへ出資しました。
※6 土壌中への有機物の供給や土壌浸食の防止等により、土壌改良効果が期待できる被覆作物

TOWINGは、「サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会を実現する」をミッションに掲げる、2020年2月創業の名古屋大学発のグリーン・アグリテックスタートアップです。同社では、農研機構などの研究機関が開発した技術と独自で開発した技術を掛け合わせて開発した高機能バイオ炭「宙炭」および、同製品の農地導入等に関連するサービスを展開しています。「宙炭」は、地域未利用資源の炭化物に、さまざまな機能を持つ微生物を培養した資材で、農地に施用すると、作物の品質や収穫量の向上、農地への炭素固定などさまざまな効果を発揮します。2023年6月にJクレジット制度「バイオ炭の農地施用」の方法論でプログラム登録を完了し、同プログラムを用いたカーボンクレジットの発行・販売も達成しています。農林水産省みどりの食料システム法基盤確立認定事業者であり、農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)第1回公募に採択されています。
ホームページ:https://towing.co.jp/

両社は持続可能な農業への取り組みを通じ、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けて取り組んでいきます。

以上

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