医師専用コミュニケーションサービス『ドクシル』を運営する株式会社ゲッカワークス（本社：東京都千代田区、代表取締役：大橋茂樹）は2025年6月9日、開業している医師246名を対象に実施した「災害時における診療体制について」の結果を発表しました。調査では、83.7％が「災害時、診療を継続するための体制が不十分」と回答し、BCP（事業継続計画）を策定している診療所は1割にも満たないことが明らかになりました。
■調査の背景
日本は地理的条件、地質、気象などが、自然災害の発生しやすい環境にあります。災害の発生頻度、被害の大きさ、そしてその影響の広範囲さにおいて、世界でも屈指の災害大国と言えるでしょう。政府の地震調査委員会は、最大マグニチュード9クラスの南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率を80％程度としています。 そのため、災害医療の重要性は年々高まっています。災害時における診療体制の構築は被災者の生命に直結する可能性があり、重要である一方、その実態については明確になっていない側面がありました。
そこで、診療所（入院できる病床数が0～19の医療機関）における災害に対する準備状況、課題点を抽出し、現状の確認およびどのような支援を行なうべきかを明確にすることを目的としてアンケートを実施しました。
■調査概要
実施期間：2025年5月29日～6月6日
回答者：開業している医師 246名
回答方法：エクスメディオ社の協力を得て、開業医師を対象にアンケートを実施
■調査結果サマリー
- 83.7％が「災害時、診療を継続するための体制が不十分」と回答
- BCP（事業継続計画）を策定している診療所は9％
- 56.5%が「災害時の実践的ノウハウ」に防災・災害対応に関する情報や支援で関心があると回答
- 防災・災害対応に関する情報源は30%の医師が「特になし」と回答
多くの診療所において災害時には診療を継続するための体制が不十分であり、事業継続計画も立てられていない状況が浮き彫りになりました。その一方、具体的なノウハウを求める声が多いものの、どこで情報を収集すべきか苦心している様子がうかがえました。
■調査結果
Q：災害が発生した場合、貴院では「診療を継続する」ための体制が整っていますか？
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十分とは言えない：40.2%、診療継続は難しい：32.1%、検討中：11.4%という結果となり、83.7%の医師が体制が不十分であるという回答でした。
Q：現在、貴院で災害時に備えて実施している取り組みを教えてください。
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飲料水や非常用電源、紙カルテなど、災害時に物理的に必要になるものについては一定程度の準備がなされていますが、連絡体制、マニュアル、研修などのソフト面の整備が遅れている結果になりました。特にBCP策定が9%であり、早急な対応が求められます。
Q：災害時に備えることについて、貴院のお考えに最も近いものをお選びください。
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83.3%の医師が診療継続も含めた災害時における準備全般についても整備が不足していると感じていると回答しました。また対応する余裕がない、という意見も少なからずあり、日常診療の合間にどのように行うか、苦労している様子が垣間見えます。
Q：選択した理由、または備えが不十分である、対応する余裕がない理由や状況について教えてください。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/164038/3/164038-3-3f15c55cea349a77cdaada96b929ca45-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
時間、費用、スペースに問題を抱えており十分な準備ができないという声が多く寄せられました。一方、災害についてなかなか自分事として捉えるのが難しいため準備が後手になる、という意見もありました。
Q：防災・災害対応に関する情報や支援で関心のあるものを教えてください。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/164038/3/164038-3-b99733c8b72da81add62b722b3e5fdc2-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「具体的に何をどうすればよいか」がわかるような回答が目立ちました。実践的なノウハウを求める声、スタッフ向け研修やBCP作成支援などの具体的な次の一手についての要望が多い結果でした。
Q：防災・災害対応に関する情報をどこで仕入れていますか。
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自治体や政府機関のwebサイトが最も情報源として多く挙げられていましたが、情報の仕入れ先が特にないという意見が30%に上りました。どのように防災、災害について包括的に情報を取得できるかがわからず、模索している、あるいは足が遠のいている結果であると思われます。
Q：災害医療や防災への対応について不安なことや相談したいことがありましたら自由にご記入ください。
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東日本大震災を経験し十分に備えているという医師がいる一方で、何から始めたらいいのかわからないと不安を露わにする回答も少なくありませんでした。これらの回答からも早急な支援が必要であることが示唆されています。
アンケート結果を受けて
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/164038/3/164038-3-adee7803125c58eab0a372376442be4d-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
弊社が運営する『ドクシル』では「災害医療と防災推進フォーラム」コミュニティにてアンケートで回答いただいたような不安と危機感を感じつつも何から始めたらよいか迷っている医師と災害医療の専門家、災害を経験し乗り越えた医師をつなぎ、防災・減災に資するコンテンツや情報の提供や議論を行なってまいります。『ドクシル』は医師専用サービスであるため、常に医師会員を募っています。
同時に、医師に向けた様々な角度からの情報提供・マーケティング活動を目的に企業の参画も募集しています。防災関連製品・サービスを医療機関にご提案いただける企業様はぜひご参画いただければと考えています。
また、『ドクシル』では防災以外にも認知症などのコミュニティも展開しており、順次新たなコミュニティを開設してまいります。
■『ドクシル』サービス紹介はこちら
■『ドクシル』オープンコミュニティの紹介はこちら
■『ドクシル』の各機能、意義をnoteにて掲載
■参画、ご不明点などに関するお問い合わせは info@gekkaworks.co.jp
■会社概要
株式会社ゲッカワークス
設立 ：2022年7月20日
代表者 ：大橋 茂樹
所在地 ：東京都千代田区大手町一丁目1番3号
事業内容：情報システムを利用した医療・介護従事者向けコミュニケーションサービスの提供
URL ：https://gekkaworks.co.jp/
