
サイエンスとテクノロジーの世界的企業であるMerckは、アイルランドのコークにあるブラー二ー・ビジネスパーク(企業のオフィスや工場、研究施設などが集まる産業団地)に、1億5,000万ユーロ規模のろ過製造施設を開設しました。本施設は同社にとって初の完全気候中立型の製造施設であり、再生可能エネルギーによって全電力を賄う計画です。この取り組みは、2040年までの気候中立達成を目指す同社にとって大きな節目となります。
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左から:Merck ブラー二ー拠点業務統括責任者 Órla Fitzgerald氏、アイルランド・コミュニティ開発省/ゲール語地域担当兼運輸省 国務大臣Jerry Buttimer議員、Merck Life Science CEO Jean-Charles Wirth氏、アイルランド政府産業開発庁専務理事Mary Buckley、Merck Life Scienceアイルランド マネージングディレクター兼コーク事業責任者Mark Dunphy氏
3,000平方メートルのクリーンルームを備えた新施設は、ワクチンやモノクローナル抗体、細胞・遺伝子治療などの新しい治療法の製造に用いられる高度なろ過製品を生産し、世界中の医療において重要な役割を果たします。新施設はアイルランドにおけるMerck最大のライフサイエンス投資の一環で、コークのブラー二ーおよびキャリグトヒル拠点に合計4億4,000万ユーロが投じられています。今回の拠点拡張により、2028年までにコークにて200名以上の雇用が創出されます。また、アイルランドがバイオ医薬品製造とイノベーションのグローバルハブとしての地位をさらに強化することが期待されています。
アイルランド・コミュニティ開発省およびゲール語地域担当兼運輸省の国務大臣Jerry Buttimer議員は次のように述べています。
「Merck のコークへの大規模投資は、アイルランドがバイオ医薬品とイノベーションの分野で世界的なハブとして評価されていることをさらに後押しするものです。この取り組みは、コークがライフサイエンス分野のリーディング企業にとって、非常に魅力的であることを示しています」
Merck Life Science CEO Jean-Charles Wirth氏は次のように述べています。
「アイルランドはヨーロッパおよび世界のバイオ医薬品製造とイノベーションにおいて、大変重要な場所です。今回の製造拡大により、『地域内製造・地域供給モデル(in-region-for-region)』をさらに強化する計画です。これにより、リードタイムの短縮、国境を越えるリスクの低減、画期的な治療法を提供するために必要なろ過技術への安定したアクセスを実現します」
新施設は、Merckの「地域内製造・地域供給モデル」戦略に基づき、製造と供給をお客様や患者の近くで行うことで、ヨーロッパ域内で重要なろ過技術を生産し、サプライチェーンの強靭性を高めるとともに国境を越える物流の複雑さを軽減し、バイオ医薬品メーカーに対する信頼性を向上させます。
コーク拠点は、ヨーロッパで増大する救命治療への需要に応える中核拠点として機能し、Merckのグローバルネットワークにおけるアイルランドの地位をさらに強化します。
Merck Life Scienceアイルランドのマネージングディレクター兼コーク事業責任者Mark Dunphy氏は次のように述べています。
「新施設の開設はコークに拠点を置くチームにとって、大変意義深い節目となりました。新施設は、Merckがアイルランドに対して長期的なコミットメントを持っていることを示すだけでなく、ここコークに存在する優秀な人材と高い専門性を改めて証明するものです。今回の投資により、世界中の患者のための画期的な治療法の製造を支える最先端技術を提供する体制がさらに強化されます」
アイルランド政府産業開発庁の専務理事Mary Buckleyは次のように述べています。
「この度、Merck がコークでの事業拡大を決定したことは、アイルランドがライフサイエンスおよびバイオ医薬品イノベーションの分野で世界的なリーダーとしての地位を確立していることの証です。今回の投資と持続可能性への取り組みは、アイルランドが持つ人材の質の高さや製造拠点としての魅力、そして世界の医療供給網を支える上での重要な存在感を改めて示しています」
新施設は、2025年第4四半期に生産を開始する予定です。施設では、無菌プロセス、限外ろ過、ウイルスろ過などの工程で使用されるフィルター装置を製造します。これらの技術は、医薬品の安全性・無菌性・有効性を確保するために欠かせないものです。
新施設の運営においては、「持続可能性」が中核に据えられています。全電力を再生可能エネルギーでまかない、革新的な熱回収システムを導入することで、年間最大61トンのCO2排出を削減します。また、製造工程で発生する高純度水の最大95%を再利用する計画です。
今回の投資は、Merck が2020年に発表した総額20億ユーロのライフサイエンス分野におけるグローバル拡張プログラムの一環であり、世界的に高まる救命治療への需要に対応するための取り組みです。
■ アイルランド政府産業開発庁 (IDA Ireland) について
アイルランド政府産業開発庁は、アイルランドの産業開発、海外からの直接投資等を推進する目的で設立された政府機関です。日本事務所では、過去50年間にわたり、欧州への進出を検討されている日本企業向けに、立地や人材、税制、優遇措置など各種最新情報の提供のほか、現地視察、進出計画の立案から進出後のサポートまで幅広い支援を行っています。
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