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【いのち会議】~いのち宣言をつなぐ「103のアクション」~ 第19回「オープンで民主的な社会の基盤である、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間を守ろう」

update:
いのち会議
みなさまとともにすべてのいのちが輝く世界を実現したく、ぜひお声とご協力を!



いのち会議は2025年10月11日に大阪・関西万博会場内にて「いのち宣言」および「アクションプラン集」を発表いたしました。本リリースは いのちを「まもる」【宣言2-2】市民が互いに信頼できるしくみをつくり、誰もが自由に意見を表明し、自由に活躍できる社会をつくろうへのアクションプランの1つをご紹介するものです。ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。

オープンで民主的な社会の基盤である、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間を守ろう

「市民社会スペース」とは、市民が自由な議論や活動を行うための社会空間であり、さまざまな社会的な活動を行う環境や機会を指します。今、世界的に、このスペースが狭まりつつあり、大きな問題となっています。この市民社会スペースの概念は、「持続可能な開発目標(SDGs)」、特に目標16(平和と公正)とも密接に関係があり、目標16の「12のターゲット」の中で、具体的に市民社会スペースに関わる自由な活動を保障することが定められています。

日本の市民社会の取り組みとしては、国内外で市民社会スペースの縮小に歯止めをかけるべく、例えばJANIC(国際協力NGO センター)の一部門であるTHINK Lobby、NANCiS(市民社会スペースNGO アクションネットワーク)、C&C Link(Citizen and Corporations Link)などが協働し、アジアのパートナー団体との活動を通じて、アジア全体での市民社会スペースの確保に向けた活動を行っています。アジアでの取り組みの事例としては、様々な NGOとともに、市民社会スペースに関する調査、研修・ワークショップの開催、ソーシャルメディア・キャンペーンの展開、政府への政策提言、「市民社会スペースに関する市民憲章」の作成、これらの成果を共有する、「東京デモクラシーフォーラム」などを開催しています。

世界の市民社会スペースの動向を調査している国際 NGO、 CIVICUS は、毎年、CIVICUS Monitorとして、その調査結果を報告しています。

このCIVICUS Monitor によれば、市民社会スペースは年々、狭まっており、世界の約3分の1の人びとが「閉ざされた(closed)」国々で生活しており、この傾向は新たな指標による調査を開始した2018年以降、最高の数値になりました※1。また世界では、何の制約を受けずに市民社会スペースが保障されている「開かれた(open)」国に住んでいる人は約2% にすぎませんが、この数値も下がってきています。アジアで「開かれた」国・地域は台湾のみであり、日本は、韓国、東ティモール、モンゴルと同様に「やや狭まっている(narrowed)」にランクされています。この理由としては、たとえば日本の「秘密保護法」では、対象となる範囲が広く、その基準が曖昧で当局の裁量性が高く、情報を管理している行政機関の判断により、何でも「特定秘密」になる可能性が高いことが指摘されています。またメディア規制についても、一部の政治家などによる報道内容に圧力をかける発言が散見することも、このランクの原因になっていると思われます。

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/161447/87/161447-87-5cc4427725ef1ba66644924ef69994e5-836x525.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出所:CIVICUS Monitor 2024



たとえば、バングラデシュでは、2024年7月、退役軍人の家族などに割り当てられた公務員採用の優遇枠をなくすよう求める学生らのデモ隊と治安部隊の衝突を巡り、多くの逮捕者と犠牲者が出ました。もともとバングラデシュは、CIVICUS によれれば、閉ざされた国(closed)にランクされ、日常的に政府当局は、市民の自由な活動を規制する政策を実施し、政府の政策を批判する人に対し、恣意的な逮捕や拷問を繰り返しています。また政府は批判的なジャーナリストに圧力をかけ、メディアを閉鎖に追い込んでいます。

最近は、インターネットとソーシャルメディアの普及により、市民が情報を収集し意見を発信する手段が増え、オンラインでの署名活動やキャンペーンが活発化しています。人権、環境問題、貧困対策、恣意的な逮捕・失踪など、さまざまな社会問題に取り組む市民団体や NPO が情報を拡散するようになりました。しかし一方では、それ故に、政府による検閲や言論統制が強くなり、市民が自由に意見を表明することが困難になりつつあります。

市民社会スペースを健全に維持し発展させるためには、これらの課題に対処し、市民が自由かつ安全に意見を表明し行動できる環境を整えることが重要です。

いのち会議は、Forus※2や Asia Development Alliance(ADA)※3などの国際的な市民ネットワークとつながり、市民社会の空間が常に開かれ、誰もが包み込まれる場であることを確保するために、協働の努力を続けます。

【註】
※1 CIVICUS Monitor の評価基準
https://monitor.civicus.org/about/how-it-works/ratings/
※2 Forus 団体紹介
https://www.forus-international.org/en
※3 アジア開発連盟(ADA)
https://ada2030.org/index.php

【参考情報】

・我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/ pdf/000101402_2.pdf
・Monitor 2023
https://monitor.civicus.org/

本記事に関する問い合わせ先

いのち会議 事務局、大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)
特任助教(常勤) 宮崎 貴芳(みやざき たかよし)、教授 伊藤 武志(いとう たけし)
TEL: 06-6105-6183
E-mail: ssi2@ml.office.osaka-u.ac.jp
※取材の申し込みにつきましてはお気軽にご連絡ください。

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