おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

<ファンの声>出版しないのは、どこか闇の組織の圧力?-10年間もファンを待たせた東野圭吾幻の作品『夢幻花』遂に発売

夢幻花福山雅治主演の月9ドラマ『ガリレオ』の原作でもある『探偵ガリレオ』シリーズ、『秘密』『白夜行』『新参者』など、ヒット作を連発している超人気作家・東野圭吾の最新ミステリ『夢幻花』が4月18日、株式会社PHP研究所から遂に発売される。


  • 【関連:宮部みゆきインタビュー、最新作『桜ほうさら』に込める思いは“家族だけが世界の全てではない”】
     
    本作は、「最新作」でありながら、ファンにとっては「10年来の待望の一作」。

    『夢幻花』はもともと月刊誌『歴史街道』に2002年から2004年にかけて連載された作品。連載終了から1年たち、2年たち……全く本が発刊される気配なし。

    編集部には、「あの作品はどうして発刊されないんですか?」「東野さんの連載がお蔵入りなんて、ありえないですよ」とか、「出版しないのは、どこか闇の組織の圧力ではないか?」なんて意見までファンから寄せられたそうだ。

    それなのに、何故10年もの間、発行されなかったのか?

    PHP出版によると、「実は、連載終了後「全面的に手を入れたい」という著者自らの意向により、改稿が行われていたのです。」とのこと。

    本書は、江戸時代には存在したという“黄色いアサガオ”がキーポイントとなる、長編ミステリ。「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」と著者自らが語る、渾身の一作。

    なお、発売に先立ち、特設サイト( http://www.php.co.jp/mugenbana/ )が開設されている。作品紹介や著者からのメッセージのほか、物語の舞台となる入谷散歩など、コンテンツ満載。

     

    --著者コメント

    『歴史街道』から小説連載の依頼がきた時、「私に歴史ものは無理です」と断りました。すると編集者は、歴史ものでなくても、何かちょっとでも歴史に関係する部分があればいいといいます。そこで思いついたのが黄色いアサガオでした。御存じの方も多いと思いますが、アサガオに黄色い花はありません。しかし江戸時代には存在したのです。ではなぜ今は存在しないのか。人工的に蘇らせることは不可能なのか。そのように考えていくと、徐々にミステリの香りが立ち上ってきました。面白い素材かもしれないと思えてきました。

    ところが素材は良くても料理人の腕が悪ければ話になりません。何とか連載は終えましたが、あまりにも難点が多すぎて、とても単行本にできる代物ではありませんでした。おまけに、ずるずると出版を引き延ばしているうちに小説中の科学情報が古くなってしまい、ストーリー自体が成立しなくなるという有様です。しかし担当編集者には、「何年かかってでも必ず仕上げます」と約束しました。「お蔵入り」だけは絶対に避けたかったのです。

    結局、「黄色いアサガオ」というキーワードだけを残し、全面的に書き直すことになりました。もし連載中に読んでいた方がいれば、本書を読んでびっくりされることでしょう。

    しかし書き直したことで、十年前ではなく、今の時代に出す意味が生じたのではないかと考えています。その理由は、本書を読んでいただければわかると思います。

    【商品情報】
    ・発売日:2013年4月18日
    ・判型:四六判並製
    ・定価:1,600円(税別)
    ・ISBN:978-4-569-81154-3

    あわせて読みたい関連記事
  • 東野圭吾、初のアニメ映画化作品「クスノキの番人」2026年公開
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    東野圭吾、初のアニメ映画化作品「クスノキの番人」2026年公開

  • コラム・レビュー

    泣きたい時に思い切り泣かせてくれる「本気で泣ける本」5冊紹介

  • 商品・グッズ

    「歌ってみた」動画投稿に命を燃やす“旦那くん”、それを見守る”嫁”-話題のWeb…

  • コラム・レビュー

    宮部みゆきインタビュー、最新作『桜ほうさら』に込める思いは“家族だけが世界の全て…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 山崎賢人さんと坂口憲二さん(※山崎賢人さんの崎の字は正しくは「たつさき」です)
    イベント・キャンペーン, 経済

    サントリー生ビール新CMメイキング公開 山崎賢人ら“生ひげ”姿で掛け合い

  • なか卯に「黒トリュフ薫る きのこ親子丼」が期間限定で発売
    商品・物販, 経済

    なか卯に「黒トリュフ薫る きのこ親子丼」が期間限定で発売

  • Discordの発表
    インターネット, 社会・物議

    「Discord」で外部委託先に不正アクセス 一部ユーザーの個人情報が影響か

  • 江口拓也さん&鬼頭明里さん、“声で伝える広報”第2章へ ENEOS「#こえ報部」新企画が始動
    イベント・キャンペーン, 経済

    江口拓也さん&鬼頭明里さん、“声で伝える広報”第2章へ ENEOS「#こえ報部」…

  • 旨辛ユッケジャンクッパ風スープ
    商品・物販

    ダイドードリンコ、韓国の味わいを缶スープで再現 「旨辛ユッケジャンクッパ風スープ…

  • 新作ゲーム「裏バイト:逃亡禁止 たつ子の謎」
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「裏バイト:逃亡禁止」の恐怖をゲームで 小学館がマダミス「たつ子の謎」を11月配…

  • トピックス

    1. これでもう怒られずにすむ? 息子が作った「ママの攻略本」の実力は

      これでもう怒られずにすむ? 息子が作った「ママの攻略本」の実力は

      親に怒られてしまった子どもが、その後に取る態度はさまざまです。落ち込む子もいれば、しっかり反省する子…
    2. 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      インターネットを使っていると、ふとした瞬間に現れる「警告ポップアップ」。 近ごろでは「サポート詐欺」…
    3. 母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      大阪・関西万博をきっかけに、55年前の1970年の大阪万博(以下、70年万博)に興味を抱くようになっ…

    編集部おすすめ

    1. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    2. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    3. フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      「みんなの75点より、誰かの120点」を合言葉にドン・キホーテが展開している偏愛メシシリーズ。10月1日に「本当にこの組み合わせが好きな人が…
    4. 将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      オンライン将棋対局サービス「将棋倶楽部24」が、2025年12月31日をもって終了することが発表された。運営する席主の久米宏氏が10月1日付…
    5. pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      アパレルブランド「pium」が9月30日、店舗スタッフの接客に対する多数の指摘や批判を受け、公式Xにて謝罪文を公開しました。併せて再発防止策…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト