世の中には一見すると意味がないように思えることでも、突き詰めれば思わぬ偉業になることがあるようです。

 Xユーザーの綱田康平さんは3月13日、これまで密かに続けていた「鳩サブレーを均等に割るチャレンジ」に見事成功。投稿には22万件もの「いいね」と共に、祝福の声が相次いでいます。

 「鳩サブレー」と言えば、名前の通りハトの形をしたお菓子。左右均等の形ではないため、言われてみればたしかに「均等に二等分」は難しいかもしれません。

 綱田さんが、そんな「鳩サブレー」を均等に割るチャレンジを始めたのは、ある日の妻との会話がきっかけだったといいます。二人で鳩サブレーを食べるために、半分に割ってみたところ「どっちが大きい?」という話になったのだそう。

 試しに重さを量ってみると、左右で比重差があることに気付き、意外な奥深さを感じたという綱田さん。以来これを「鳩割り」と名付け、購入の度に半分に割ることがルーティンになったそうです。

■ チャレンジは難航 成功までに要した期間は1年半

 食べ物ゆえに「量より質」を意識しながら、集中して取り組み、重量32gの鳩サブレーを17gと15gに分けるところまではすんなりいったそうですが、最後の微調整に難航。

 前方(頭側)の方の比重が大きいため、割る位置を決める点に苦労があったそうです。直感で「こんな手前ではないだろ」と思って後方を持って割ってみると意外なほど重量差が出てしまったことも。これを継続することおよそ3~4か月、使用した鳩サブレー十数枚に及んだチャレンジは、いよいよその時を迎えます。

 3月13日のチャレンジも最後の一枚となり、神経を集中させて割ったところ……その瞬間に「美しい」と感じたという綱田さん。

チャレンジに成功した鳩サブレー

 これまで割る中で、なんとなく思い浮かべていた、理想のイメージに一番近い形になり、重量を量ったところなんと16gずつピッタリ。チャレンジ成功となった瞬間、妻と共に「おー!」と驚きの声を上げたそうです。

チャレンジに成功した鳩サブレー

■ より高い精度を目指して 今後も「気長にやっていきたい」

 「鳩サブレーを均等に割るチャレンジ」はこれで一つの区切りを迎えましたが、実はまだ残った課題もあるそうです。今回綱田さんが使用したスケールは小数点が出ないタイプ。もしかすると、小数点単位では若干のずれが生じているかもしれません。

 このため、シビアに数値を追い求めていきたい気持ちはあるものの「あまり反響を意識しすぎると食べ物を粗末にしかねない危うさもあるので、これまでと変わらずおやつ内のイベントというスタンスは崩さないよう、気長にやっていきたいです」と、綱田さん。これまでと方針を変えず、チャレンジは継続していく旨を明らかにしました。

 次回の報告がいつになるかはわかりませんが、次はより精度の高い鳩割りが見られるかもしれませんね。誰でも気軽にチャレンジできるので、我こそはという方はぜひお試しあれ。

<記事化協力>
綱田康平/Kohei Tsunadaさん(@__tuna

(山口弘剛)