神奈川県警察少年育成課の公式Xは2月10日、今月4日に投稿した「暴力動画の拡散」に関する内容について、「配慮に欠ける表現があった」として削除したことを明らかにしました。
削除された投稿は、未成年者らによる暴行動画の拡散を抑制する目的で発信されたものでしたが、その表現内容を巡り、ユーザーから多くの疑問の声が上がっていました。
■ 注意喚起投稿に批判相次ぐ 表現が波紋
問題となった投稿では、「暴力の様子を映した動画の投稿・拡散や、アップされた動画に悪口や誹謗中傷を書き込むなどの行為は、投稿された相手を傷つけるだけでなく、名誉棄損などの犯罪になる可能性があります」と警告。
そして画像には「その投稿アウトです!」という強い言葉とともに、「あなたの投稿が、相手に一生の傷を残すかもしれません」という文言が記され、加害者とも被害者とも明示されていない人物が涙を流しているイラストも添えられていました。
これに対しネット上では、批判が殺到。「暴力を振るった側と思われる人物が泣いている構図に違和感がある」「暴行の事実よりも、告発する行為のほうが悪とされているように見える」「警察に相談すれば守る、というメッセージを前面に出すべきではないか」といった声が相次ぎました。
神奈川県警の投稿では、大本の問題である暴力行為そのものへの警告が示されていませんでした。加えて、涙を流す人物が被害者とも加害者とも取れる表現だったことが、受け手の解釈を分ける要因となった可能性があります。こうした点が重なり、加害者保護を優先しているように受け止められ、不信感を招いたとみられます。
■ 拡散には法的リスクも…ただ「伝え方」が課題に
警察が指摘するように、SNSでの暴力動画の投稿・拡散には法的なリスクが伴います。たとえ問題提起や告発の意図があったとしても、個人を特定できる形での晒し行為や過度な中傷は、名誉毀損や侮辱に該当する可能性があるからです。
また、動画の背景事情が第三者には分からないケースもあり、安易な拡散が新たな被害を生む恐れがあるのも事実です。
ただし、目の前で起きている暴力やいじめを止めたい、社会に知らせたいという切実な思いから投稿された行為に対し、「アウト」と断じる表現を用いたことは、市民感情との間に大きな溝を生んだことは否めません。
同課は炎上を受け、「配慮に欠ける表現がありましたので、投稿内容を削除いたします」と謝罪しています。
■ バランスのとれた情報発信
今回の投稿は、暴力動画の投稿・拡散行為のリスクを伝える意図があったとみられますが、その一方で、暴力行為を目にした場合や被害を受けた場合にどう行動すべきかといった、被害者保護の観点は示されていませんでした。注意喚起が投稿・拡散リスクに偏ったことで、受け手との認識のずれが広がった可能性があります。
警察広報では、違法性の注意喚起に加え、暴力やいじめを目にした際の具体的な相談先や情報提供の方法を分かりやすく示すことも一つの課題といえそうです。
2月4日に投稿した暴力の様子を映したSNSへの投稿・拡散などに対する注意喚起の内容について、配慮に欠ける表現がありましたので、投稿内容を削除いたします。
— 神奈川県警察少年育成課 (@KPP_ikusei) February 10, 2026
<参考・引用>
神奈川県警察少年育成課(@KPP_ikusei)
(山口弘剛)








































