「これがこうなる」のハッシュタグと共に、鉛筆削りのビフォーアフターをXに投稿した「ゆうすけ」さん。よくある文房具が赤と黒に美しく塗装され、ガンダムシリーズに登場する「ネオジオン」のロゴが新たに取り付けられています。これはかっけぇ……!

 元々は鉛筆削りの修理を息子さんに頼まれていたそうで、さぞ喜んだこと……と思いきや、何と怒られてしまったのだとか。ちょっとやりすぎてしまったでしょうか……。

■ モデラーの性にあらがえず 良かれと思って塗装を施すも……

 この写真、実は今からさかのぼること3年半前に撮影されたもの。息子さんは当時小学5年生で、ガンダムやガンプラが大好きだったのだそう。

破損した鉛筆削り

 そんな息子さんから、ある日鉛筆削りの修理を頼まれたゆうすけさん。依頼の内容はケースから外れた鉛筆削りを、ただ単に接着剤でケースに固定してほしい、という簡単なお願いでしたが、プラスチックケースの表面にヒケ(表面のくぼみ)があるのが気になってしまい、勝手にやってはダメだと葛藤しながらも、気付くと手にはヤスリとパテが。

 そのままきれいに表面処理を施すと、色味が白濁してしまうので、こうなったらあとはもう塗装するしかありません。「機動戦士ガンダムUC」に登場するMS「シナンジュ」のシールドをイメージし、配色・加工を行いました。

完成したシナンジュ鉛筆削り

 完成品を見て「我ながらカッコ良くなった」と、ゆうすけさんも自画自賛の出来栄えでしたが、息子さんに渡すと「こんな派手なん、学校に持っていかれへんわ」と、思いも寄らぬ反応が。

 さらに妻にも注意を受け、自分の独りよがりな行為に深く反省したとのこと。気持ちは分からなくもないですが……やはり事前に相談するべきだったのかもしれませんね。鉛筆削りはその後しばらく、息子さんの机の上に置かれたままになっていたそうです。

■ 思いがけぬ後日譚 息子さんは今も鉛筆削りを持っていた

 ところがこの話、実はこれで終わりではありません。今回のポストを行った後、「そういえばこの鉛筆削りはどうなったのだろう」と気になったゆうすけさんは、思い切って息子さんに聞いてみたのだそう。

 現在息子さんは中学三年生。「友達にあげちゃったか、なくしてしまってるだろうな」と思いきや……「ゴメン。傷がついちゃってるわ」とペンケースから取り出して、見せてくれたそうです。

今も使い続けられていた鉛筆削り

ずっと使ってくれていたようです

 思いがけない出来事に、思わず「胸が熱くなり、嬉しさで涙があふれそうになった」とゆうすけさん。実はゆうすけさんが過去に、息子さんのリクエストに応えてプレゼントした作品も、いくつかは大切に部屋に飾ってくれているのだそう。

ゆうすけさんが息子さんにプレゼントした作品

ゆうすけさんが息子さんにプレゼントした作品

 面と向かっては少し気恥ずかしいのかもしれませんが、心の中ではきっと父のことを理解し、父の作品のファンでいてくれているのでしょう。今回の出来事はゆうすけさんにとってもまた、忘れられない家族の思い出のひとつとなったに違いありません。

<記事化協力>
ゆうすけさん(@yu5ukejbk

(山口弘剛)