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【国立劇場12月文楽公演】江東区・横浜市の2会場にて、古典の名作のほか、木下順二、井上ひさしの文楽作品を上演!

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文化庁


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 これまで多くの伝統芸能公演を制作、上演してきた国立劇場は、再整備期間中も伝統芸能の振興のため、首都圏の各劇場にて主催公演を続けています。今回は東陽町・江東区文化センター、横浜市桜木町・神奈川県立青少年センター(紅葉坂ホール)の2会場にて、文楽公演を開催します。
 古典の名作はもちろん、現代語の詞章で綴られた話題作として、首都圏では上演が稀な木下順二作『瓜子姫とあまんじゃく(うりこひめとあまんじゃく)』を、そして井上ひさしがモリエールの戯曲『守銭奴』を放送番組のために書き下ろし、義太夫節の節付けがなされた『金壺親父恋達引(かなつぼおやじこいのたてひき)』などを3部制で上演します。長年ご覧になられている方にも、文楽に馴染みのない方にも、文楽の幅広い楽しさをご堪能いただける公演です。

 報道各位におかれましては、本件の皆様への周知にご協力を賜りますようお願い申し上げます。
第一部 道成寺伝説を題材にした『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』    画期的な口語浄瑠璃の名品『瓜子姫とあまんじゃく(うりこひめとあまんじゃく)』    井上ひさし独特の機知に富んだ文体で綴られる                   『金壺親父恋達引(かなつぼおやじこいのたてひき)』
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『日高川入相花王』渡し場の段

 旅僧安珍(あんちん)に恋い焦がれた清姫(きよひめ)が大蛇となって、道成寺の鐘に逃げ隠れた安珍を焼き殺したとされる道成寺伝説を題材に、宝暦9年(1759)2月大坂竹本座にて初演されました。
 日高川の渡し場にやってきた清姫。川を越えれば愛しい安珍のいる道成寺はもうすぐですが、船頭は安珍から清姫を向こう岸へ渡さないようにと頼まれていました。安珍を思うあまり、清姫は蛇になって日高川を渡っていきます。
 人形ならではの演技と義太夫節の量感たっぷりの魅力をお楽しみいただける場面です。

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『瓜子姫とあまんじゃく』

 『夕鶴』『子午線の祀り』などで知られる木下順二(きのしたじゅんじ)(1914~2006)により、全国に伝わる瓜子姫の昔話を基に、夕闇に包まれた山里を描いた民話劇として戯曲化された作品です。二代野澤喜左衛門による作曲で、昭和30年(1955)11月に人形入りで試演され、翌31年1月に大阪三越劇場で初演されました。
 瓜子姫が機を織っていると、いたずら者のあまんじゃくがやってきて、瓜子姫を木にくくり付けてしまいます。すっかり瓜子姫になりすましたあまんじゃくは、でたらめに機を織り始めました。そこへ、瓜子姫のじっさとばっさが帰ってきました。あまんじゃくのいたずら心は高まり、得意の口真似で瓜子姫の声を出そうと身構えますが……。
 画期的な現代の口語浄瑠璃の名品として、大阪の国立文楽劇場ではしばしば上演し、好評を得ています。首都圏では上演が珍しい作品をぜひこの機会にご覧ください。

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『金壺親父恋達引』

 『日本人のへそ』『頭痛肩こり樋口一葉』など多彩な作品を遺した井上ひさし(いのうえひさし)(1934~2010)がモリエールの戯曲『守銭奴』をベースに、放送番組のために義太夫節として書き下ろした作品です。
 呉服屋の金仲屋金左衛門(かねなかやきんざえもん)は金銭への執着心を持つ稀代の蓄財家。貯め込んだ金を壺にたっぷり入れて庭に埋めて隠し、何度も掘り起こしてはほくそ笑んでいます。町で評判の美人娘のお舟(おふね)が三十両の持参金付きで金左衛門の嫁に来ることになり、また、娘のお高(おたか)にも金持ち相手との縁談が持ち上がっていました。息子の万七(まんしち)は、自分の恋する人が父である金左衛門の嫁に来るお舟と知り、家を出てお舟と一緒に暮らそうとしますが、事態は大騒動に……。
 強欲な金左衛門が巻き起こす珍騒動が、井上ひさし独特の機知に富んだ文体で綴られます。

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井上ひさし

 井上ひさしはこまつ座の座付作者で、こまつ座では井上ひさしに関係する作品のみを専門に上演しています。今回、平成28年(2016)に大阪の国立文楽劇場で上演された本作を、井上ひさし生誕90年を記念して、首都圏で初めて文楽として上演するに際し、こまつ座代表の井上麻矢さんから、コメントを頂きました。
17世紀のフランスの喜劇の王、モリエールの「守銭奴」を井上ひさしの最も得意な
パロディにして書かれた本作文楽で更に楽しく深まります。
是非観なければ!井上ひさし生誕90年、こまつ座とは違う魅力をご堪能下さい。
(こまつ座 井上麻矢)

第二部 時代物の名作として知られる『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』    三曲の演奏が華麗な異色の法廷劇『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』
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『一谷嫩軍記』熊谷陣屋の段

 源平合戦の一つである一ノ谷の戦いを題材に、立作者(たてさくしゃ)の並木宗輔(なみきそうすけなみきそうすけ)らによる全五段の時代物浄瑠璃として、宝暦元年12月に大坂豊竹座で初演されました。今回は三段目の切に当たる熊谷次郎直実(くまがいのじろうなおざね)が無官太夫敦盛(むかんのたゆうあつもり)の死をめぐる真相を物語る「熊谷桜(くまがいざくら)の段」「熊谷陣屋(くまがいじんや)の段」を上演します。
 源氏の武将・熊谷直実は平家との戦場にてまだ十六歳の平敦盛を討ち取ります。敦盛の母・藤の局(ふじのつぼね)は、息子敦盛の敵である直実を討つため、直実の妻・相模(さがみ)に助太刀を迫ります。陣屋に戻ってきた直実はそんな藤の局に、敦盛の最期を物語ります。やがて源氏の大将・義経が敦盛の首を検めると意外な光景が展開されるのでした。
 秘かに下された指令を果たすために我が子を犠牲にする熊谷直実の、武士として、親としての悲痛と無常観を描いた時代物の名作です。

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『壇浦兜軍記』阿古屋琴責の段

 享保17年(1732)9月に大坂竹本座にて初演された、文耕堂(ぶんこうどう)ほかによる全五段の時代物です。近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の『出世景清(しゅっせかげきよ)』の改作として、平家の侍大将・悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)とその周囲の源平両陣営の人々を描いています。
 平家の没落後、潜伏した平家の侍大将・悪七兵衛景清の居場所を探るため、鎌倉方の畠山重忠(はたけやましげただ)は、景清の思い人の阿古屋を問注所へ呼び出します。重忠は阿古屋に琴、三味線、胡弓の三曲を演奏させ、その音色の乱れから景清の行方を知っているかを探ろうとします。
 景清との想い出を懐かしみ、その行く末を案じる切ない阿古屋の心情を描く三曲の調べが、文楽では異色の法廷劇を彩ります。阿古屋を遣うときには出遣いとなる左遣いや足遣いのほか、義太夫節の演奏とシンクロする人形の動きにもご注目ください。
第三部 文楽随一の人気演目『曾根崎心中(そねざきしんじゅう)』
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『曾根崎心中』天満屋の段

 元禄16年(1703)4月に起きた曾根崎新地の露天神での心中事件を、近松門左衛門が脚色した世話浄瑠璃で、同年5月に大坂竹本座で初演されました。初演後程なく上演が途絶えましたが、近代に復活の機運が高まり、昭和30年1月に四ツ橋文楽座で復活上演されるや、文楽随一の人気演目となっています。
 平野屋の手代・徳兵衛(とくべえ)は、伯父である主人からの縁談の話が進んでいることを知りますが、馴染みの遊女・天満屋のお初(おはつ)への想いを貫くために縁談を断ります。しかし、主人に返す銀(かね)を友人の九平次(くへいじ)に騙し取られ、徳兵衛は途方に暮れてしまいます。お初は、天満屋に忍んできた徳兵衛を縁の下に招き入れます。主人への義理も果たせず、世間の信用も失った徳兵衛がお初の足首を取って喉笛にあて、死の覚悟を伝えます。あの世で一緒になることを誓い合ったお初と徳兵衛。「この世の名残、夜も名残……」の名調子とともに、美しく描かれる二人の死出の旅路にご注目ください。
江東区・横浜市2会場での文楽公演
 老朽化等による再整備事業のため、令和5年10月末日をもって初代国立劇場は57年の歴史に幕を閉じました。閉場後も他劇場にて主催公演を引き続き行っています。今回は東陽町・江東区文化センター、横浜市桜木町・神奈川県立青少年センター(紅葉坂ホール)の2会場にて、文楽公演を開催します。

江東区文化センター[東陽町] 江東区民の文化の高揚と福祉の増進を図るために、511席のホールを備えた施設として、昭和57年に開館しました。
 江東区民の語り合う場、学び合う場として、地域のコミュニティ活動及び生涯学習推進の拠点施設としての役割を担っています。


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神奈川県立青少年センター[桜木町] 青少年施策の総合的な展開と、舞台芸術の振興のため、日本のモダニズム建築をリードした建築家・前川國男の設計で昭和37年に竣工され、平成17年に大改修されました。
 紅葉坂ホール(812席)やスタジオHIKARI(多目的プラザ)を有し、青少年や県民の舞台芸術活動を支援し、芸術文化の振興を図ることを目的に、優れた舞台芸術の鑑賞事業や若者文化の開放区としての「マグカルシアター」の開催、学校等の舞台芸術活動の支援事業を行っています。


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国立劇場 令和6年12月文楽公演

【第一部】午前11時開演 (午後1時40分終演予定)
日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
渡し場の段

瓜子姫とあまんじゃく(うりこひめとあまんじゃく)

井上ひさし生誕90年記念
金壺親父恋達引(かなつぼおやじこいのたてひき)
―モリエール「守銭奴」より―

【第二部】午後2時30分開演 (午後5時50分終演予定)
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
熊谷桜の段/熊谷陣屋の段

壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
阿古屋琴責の段

【第三部】午後6時45分開演 (午後8時25分終演予定)
曾根崎心中(そねざきしんじゅう)
生玉社前の段/天満屋の段/天神森の段

主催=独立行政法人日本芸術文化振興会
共催=江東区/公益財団法人江東区文化コミュニティ財団(江東区文化センター公演のみ)

【公演日程・会場】
令和6年12月4日(水)~13日(金) ※9日(月)は休演
江東区文化センター (〒135-0016 東京都江東区東陽4-11-3)
東京メトロ東西線「東陽町駅」1番出口から徒歩5分
https://www.kcf.or.jp/koto/
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令和6年12月17日(火)~19日(木)
神奈川県立青少年センター(紅葉坂ホール)
(〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9番地の1)
JR根岸線「桜木町駅」北改札西口から徒歩8分
横浜市営地下鉄「桜木町駅」から徒歩10分
京浜急行線「日ノ出町駅」から徒歩13分
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ch3/index.html
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【料金[各部・税込]】
1等席 9,000円(学生6,300円)
2等席 8,000円(学生5,600円)
※障害者の方と介護者1名は2割引です(他の割引との併用不可)。
※車椅子用スペースがございます。
※インターネットでも学生料金・障害者割引による申し込みが可能です。
※残席がある場合、公演会場にて当日券のみ窓口販売いたします
(当日券窓口 午前10時~各部開演前)。

チケットのお求めは
 国立劇場チケットセンター 0570-07-9900
 【インターネット】 国立劇場チケットセンター  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

国立劇場について 日本の伝統芸能の保存及び振興を目的として昭和41年(1966)に開場。外観は奈良の正倉院の校倉造りを模している。大劇場・小劇場・演芸場・伝統芸能情報館を備え、多種多様な日本の伝統芸能公演、初心者や外国人を対象とした解説付きの鑑賞教室を上演。
 老朽化による再整備事業のため、令和5年(2023)10月末に閉場。外部劇場にて主催公演を継続して上演している。

所在地:東京都千代田区隼町4-1
03-3265-7411(代表)
https://www.ntj.jac.go.jp/


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