ガンダムシリーズにおける主要人物「シャア・アズナブル」の声優が、最新作「ジークアクス」でベテラン声優・池田秀一さんから1994年生まれの新祐樹さんへと交代しました。4月16日に放送された第二話「白いガンダム」にて、地上波では初お披露目となりました。
若き彗星を見事に演じた一方で、SNSでは一部「池田さんのままが良かった」なんて声も。「シャアの声」がトレンド入りするなど、賛否が分かれているようです。
ジークアクス第二話は、ガンダムにとっての原点とも呼ぶべき「一年戦争」が舞台で、ジークアクス本編の前日譚にあたる話。放送前から大きな注目が集まっていました。
ネット上の声を拾ってみると、賛成派は「シャアのモノマネじゃなくて自然にシャアを感じられるのがいい」「落ち着き払って大物然としてるがまだまだ若い青二才という雰囲気がよく出ている」というコメントがあるのに対し、反対派は「今までのシャアの声のイメージとかけ離れ過ぎて違和感しか無い」「シャアの声が違うことは別にいいんだけど、なんか下手な気がする」といったコメントが。その意見は真っ向から対立しているようです。
……とは言うものの、実はこの声優交代、”地上波では”と前置きしたように、先行公開された劇場版「Beginning」では、すでに新さんの声が当てられていました。つまり、このタイミングで驚いている方は、少なくとも劇場版を観ておらず、テレビ版が初視聴となる方でしょう。
たしかに、聞きなれた池田さんの声と比較すると、「しっくりこない」という意見もわかります。一方で、長年シャアを演じてきた池田さんが声を当てると、深みがありすぎて、一年戦争当時20歳で、野心あふれる若者であったシャアの声としては少し落ち着きすぎているような気も。きっと制作側も悩みに悩んだ末の決断だったに違いありません。
筆者ももちろん、劇場版、テレビ版共に視聴しましたが、個人的には新さんが当時のシャアに寄せようと、節々に「らしさ」が感じられる演技に感嘆しています。きっとシャアを演じることに大きなプレッシャーがあったでしょうが、努力や研究を惜しまなかったであろうことがわかります。
声優交代は、アニメのリメイク時には度々話題に挙げられます。「らんま1/2」のように過去作から同じ声優が再度担当する楽しみがある一方で、「スラムダンク」のように声優陣を一新することで、得られる楽しさがあることも然り。
シャアが今後、物語にどのように絡んでくるのか、などは現時点では一切不明ですが、新さんには新さんにしか出せない声で、ぜひ堂々と演じてほしいところ。物語の展開と同じくらい、今後も「シャアの声」に注目したいと思います。
(山口弘剛)