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制作助成事業|都市のヴィジョン Obayashi Foundation Research Program 第5回の対象者はホー・ルイ・アンに決定!

update:
   
公益財団法人大林財団
アーティストが考える「都市」とは?



公益財団法人大林財団は、制作助成事業《都市のヴィジョン- Obayashi Foundation Research Program》の第5回助成対象者を、シンガポール出身の現代美術、映画、パフォーマンス、理論の交錯点で活動するアーティスト、ホー・ルイ・アンに決定いたしました。
本事業は、「都市」を表現のテーマにする国内外のアーティストの活動支援をすることで、従来の都市計画とは異なる、アーティストのユニークな発想で新しい都市像を提示する機会を促すもので、世界にも類をみない特徴的なプログラムです。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/159248/1/159248-1-adc6da27835be92308a2cb80f833db18-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ホー・ルイ・アン


今回の選出にあたり、選考委員長の野村しのぶは「『価格』を基軸に東アジアおよび東南アジア地域を展望し、歴史的な条件が現代の国家と市場メカニズムに与える影響を研究・考察するホーの視点は、『メタ市場』という都市を形づくる重要かつ見えない基盤を浮かび上がらせるものです。アーティストならではのナラティヴによって、今回の研究が都市と現代社会にどのような光を当ててくれるのか。 これまでの採択者のなかでもっとも若い世代のアーティストからの新鮮な提言に期待を寄せています。」とコメントしています。

これまでの会田誠(第1回)、シアスター・ゲイツ(第2回)、exonemo(エキソニモ)(第3回)、イム・ミヌク(第4回)に続き、ホーは2025年度を活動期間として調査・研究に取り組んでいきます。今後の発表や活動詳細については、決定次第あらためてお知らせいたします。


第5回 助成対象者について

ホー・ルイ・アン  HO Rui An
現代美術、映画、パフォーマンス、理論の交錯点で活動するアーティスト兼ライター。レクチャーやエッセイ、映画などを通してグローバル時代のさまざまな統治システム下での労働、テクノロジー、資本の関係性を探求しています。これまでに、「上海ビエンナーレ」(2023)「バンコク・アート・ビエンナーレ」(2020)「光州ビエンナーレ」(2018)、「ジャカルタ・ビエンナーレ」(2017)、「シャルジャ・ビエンナーレ13」(2017)、「コチ・ムジリス・ビエンナーレ」(2014)や、ナショナル・ギャラリー・シンガポール(2022)、クンストハレ・ウィーン(2021)、山口情報センター(2018)、ハオス・デア・クルトゥーレン・デア・ヴェルト(ベルリン、2017)などでプロジェクトを発表している。


参考画像
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/159248/1/159248-1-2d2ee88bb2e9436b754e4212ce7e3de2-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
《A Petropolis in a Garden with a Long View》(2024)Courtesy of A+ Works of Art, Photo: Quinn Lum
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/159248/1/159248-1-bfca329130085c4c5b2782f8f5f8eb19-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
《Figures of History and the Grounds of Intelligence》(2024)Courtesy of A+ Works of Art, Photo: Quinn Lum

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/159248/1/159248-1-df264762e8f71eb22f49ced059f1619b-3840x1920.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
《24 Cinematic Points of View of a Factory Gate in China》(2023) Courtesy of the artist
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/159248/1/159248-1-d4e477e2ca3269f7f6b559ed8e62aa6c-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
《Student Bodies》(2019)Courtesy of the artist


委員長コメント

2017年に大林財団が創設した《都市のヴィジョン−Obayashi Foundation Research Program》は、アーティストに都市のあり方を調査・研究・提案していただく機会を提供する助成です。これまでの採択者にはそれぞれ豊かな作家活動を積み重ねてきた実績のもと、本助成の趣旨について独自の解釈の上、「都市」に対する新たな視点を示していただきました。
第5回となる今回の推薦・選考では、パンデミック後ということもあり、日本のみならず世界各地を拠点にするアーティストが多数候補に挙がりました。世界各地で紛争や災害、格差問題が噴出している状況は、都市をテーマとした本助成の作家選考に少なからぬ影響を及ぼしたと思います。加えて、候補となったアーティストにはファッションやストリートカルチャー、SNS、パフォーマンスに軸を置き、狭義の美術の枠に収まらない制作・活動で知られる作家が含まれたことも、今回の推薦・選考の特徴のひとつでした。
慎重な議論を重ねた結果、このたびの助成対象者にはシンガポール出身のホー・ルイ・アン氏を選出しました。グローバル資本主義システムに対する批評的な視点にもとづいて歴史資料をはじめ現代の文化的資料を幅広く調査し、東アジアおよび東南アジアにおける資本主義経済の成り立ちと現代の様相--西洋の影響が根深く関わっていることは言うまでもありません--をレクチャー・パフォーマンスや映像の形式で発表する作品で知られています。「価格」を基軸に東アジアおよび東南アジア地域を展望し、歴史的な条件が現代の国家と市場メカニズムに与える影響を研究・考察するホーの視点は、「メタ市場」という都市を形づくる重要かつ見えない基盤を浮かび上がらせるものです。アーティストならではのナラティヴによって、今回の研究が都市と現代社会にどのような光を当ててくれるのか。これまでの採択者のなかでもっとも若い世代のアーティストからの新鮮な提言に期待を寄せています。

野村しのぶ


推薦選考委員
選考委員長:野村しのぶ 東京オペラシティアートギャラリー シニア・キュレーター
選考副委員長:保坂 健二朗 滋賀県立美術館 ディレクター(館長)
選考委員:飯田 志保子 キュレーター/大坂 紘一郎 アサクサ 代表/藪前 知子 東京都現代美術館 学芸員

《都市のヴィジョン- Obayashi Foundation Research Program》について

アーティストが「都市」をテーマに研究・考察する活動を支援する目的で、2年ごとに実施される大林財団による制作助成事業です。2017年度にスタートし、今回で5回目を迎えました。
この助成事業は、豊かで自由な発想を持ち、さらに都市のあり方に強い興味を持つ国内外のアーティストを対象としており、5人の推薦選考委員の推薦に基づいて決定されます。助成対象者には、従来の都市計画とは異なる独自の視点から、都市におけるさまざまな問題の研究・考察をし、住んでみたい都市や、新しい、あるいは理想の都市のあり方を提案・提言していただきます。
アーティストの提案は展覧会、トークイベント、パフォーマンスなどその回にあわせた様々な形態で成果発表をするほか、記録冊子(部数限定)を発行しています。
《都市のヴィジョン- Obayashi Foundation Research Program》および過去実績について


理事長メッセージ

この財団は、1998年9月に、「財団法人 大林都市研究振興財団」として設立されました。その名前が示すとおり、都市に暮らす人々に豊かな生活をもたらすような都市づくりを実現するために研究活動に従事されている方々への支援を通じてわが国の都市研究の発展を後押ししようと微力ながら努力してきました。2010年9月に内閣府から公益財団法人として認定していただき、2011年9月に現在の「公益財団法人 大林財団」の名称に変更しましたが、同じ基本理念を貫いて来ました。

日本は、戦後復興を経て高度経済成長を達成し、物質面ではかなり豊かになり、都市環境も効率的で利便性の高いものとなりました。しかし、豊かになったと言われる日本の都市も、そこで日常生活を営む人々の心も本当に豊かになったかと言えば、答えに窮するところです。戦後しばらく日本は戦争で焼きつくされた国土を復興させるのに必死でしたし、他に類を見ないほど自然災害の多い国であることを考えれば、まずは国民の生命を守る頑強なインフラの構築が長い間国の使命であったことは頷けます。

また一方で、世界を見ると、貧困にあえぐ地域が多数存在し、その人たちにとってはその地域のどのような施設も生きてゆくための手段でしかありません。さらに、これは世界中で言えることですが、都市への過剰な人口集中、自動車の普及や産業の集積などによる大気汚染、自然環境の喪失、温暖化ガスによる異常気象の発生などの諸問題が生じました。近年日本では、少子高齢化に伴い人口が減少する中で空き家の放置や孤独死といった社会問題も起きています。

そこで、人々に豊かな生活をもたらすような都市づくりというものを再考し、人との交わりという部分で都市を研究することに何らかの貢献ができないか。都市があり、人がいて、そこでの様々な関わり、例えば芸術、経済、環境、歴史など都市と人間に関係する幅広い分野での研究を支援しようと考えたわけです。

この助成事業では、都市工学や都市の専門家ではなく、豊かで自由な発想を持ち、さらに都市のあり方に強い興味を持つ国内外のアーティストにお願いし、都市における様々な問題を考察し、住んでみたい都市や新しい、あるいは、理想の都市のあり方を研究してもらうこととしました。

考えてみれば、都市というテーマを研究したり考察したりするアーティストを支援している組織というものはこれまでなかったと思います。それに応えるのが、この《都市のヴィジョン- Obayashi Foundation Research Program》という助成事業です。

公益財団法人 大林財団
理事長 大林剛郎


参考資料:過去の採択者について

第1回(2017年度)会田誠
[展覧会]「GROUND NO PLAN」
[アーカイブ]https://www.obayashifoundation.org/urbanvision/event/2017_aidamakoto/

第2回(2019年度)Theaster Gates(シアスター・ゲイツ)
[プレゼンテーション]「To Be A Maker: Finding Afro-Mingei 作り手になること―アフロ民藝を求めて」
[記録集]『ECONOMIES OF MINGEI』
[アーカイブ]https://www.obayashifoundation.org/urbanvision/profile/2019_theaster_gates.php#pager01

第3回(2021年度)exonemo(エキソニモ)
[記録集]『Infected Cities』
[アーカイブ]https://www.obayashifoundation.org/urbanvision/profile/2021_exonemo.php

第4回(2023年度)イム・ミヌク
[展覧会]「Hyper Yellow」
[パフォーマンス]「S.O.S- 走れ神々」
[トークイベント]
[記録集]『Hyper Yellow』
[アーカイブ]https://www.obayashifoundation.org/urbanvision/profile/2023_minouk_lim.php#pager01

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