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リリースプラス

【GIGAスクール端末のデータ消去、最も安全とされるソフトウェア消去はわずか12.5%】全国教育委員会対象「GIGAスクール端末処分の実態調査」を実施 データ消去方法/処分費用に関する調査結果を発表

update:
   
一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会
~約950万台のGIGAスクール端末。適正といえない処分が進む可能性も~



 一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会は、2025年以降GIGA端末の処分件数がピークを迎えるにあたり「データ漏えいを1件も起こさない処分」の実現、適正な処分・データ消去実行に向け、全国の教育委員会を対象に「GIGAスクール端末処分に関する実態調査」を実施しました。

 GIGAスクール端末処分は、各自治体の教育委員会が主体となって判断・実施する仕組みとなっており、具体的な対応方針や情報管理の在り方が、今まさに全国で問われています。本リリースでは、調査の第1弾として「端末のデータ消去方法/処分費用の実態」に関する結果を発表します。今後は、第2弾として「教育委員会の意識/課題」に関する結果を発表予定です。
調査結果ピックアップ
TOPIC1. 【データ消去方法に関して】
 約4分の1の教育委員会が、適正と言えない方法(初期化・磁気消去)でデータ消去を実施   
 さらに、最も安全とされる「専用ソフトウェアの利用」は、12.5%にとどまる事も判明
 適切なデータ消去に関する情報が周知されず、不完全なまま処分が進む恐れも

TOPIC2. 【データ消去 履行確認方法に関して】
 3分の1以上の教育委員会が、データ消去作業ログが取れないデータ消去方法を検討中
 大量の端末処理の際には作業漏れリスクが懸念される
 データ消去ログが確認できる事業者選定で、データ消去履行確認体制の構築が望まれる

TOPIC3.【データ消去費用に関して】
 データ消去作業の委託予算を確保している教育委員会は、3分の1以下にとどまることが判明
 自治体における外部委託予算確保が重要になる中、処分予算確保が進んでいない状況

<調査概要>
調査地域  :全国
対象者条件 :1787自治体の教育委員会(都道府県、市区町村)
調査手法  :郵送配布・FAX回収によるアンケート調査
実査時期  :2025年4月末~5月上旬
サンプル数 :104
※本リリースに関する内容をご掲載の際は、「一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会調べ」と明記していただけますと幸いです。
※本リリースに記載の調査結果は、すべて小数点第2位を四捨五入した数値を使用しています。

TOPIC1. 【データ消去方法に関して】
回答を得た教育委員会の約4分の1が、適正と言えない方法(初期化・磁気消去)でデータ消去を実施
さらに、最も安全とされる「専用ソフトウェアを利用した暗号化消去・上書き消去」は、約1割にとどまる

⇒ データ消去が適正に行われないまま、処分が進む恐れも。

 GIGA端末に適正と言えないデータ消去方法(初期化・磁気消去)と回答した教育委員会は、23%となりました。また、通電不可端末などでやむを得ず物理破壊する際も「SSDは2mm以下に粉砕が必要」と定義されている「物理破壊」と「初期化・リセット」を合わせると、全体の約4割を占めます。初期化・リセットではデータが確実に消去されたことを1台ずつ証明する手段がなく、実際にはデータが端末内に残存し、復元ソフトなどを用いれば読み出される可能性もあります。
 2025年に入り、クラウド上に保存されたままになっていたデータがGIGA端末で復元されたデータ漏えい事例も発生しており、情報漏えいリスクの観点からは、十分な対策とは言えない状況です。

 一方で、「専用ソフトウェアを用いたデータ消去」と回答した教育委員会はわずか12.5%にとどまっており、回答を得た教育委員会の多くが、GIGA端末のデータ消去漏れリスクを抱えている現状が浮き彫りになりました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-19a20d44e6b7ec946b52251aac55b90d-611x445.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-3946ead00429cff67c973dbd8020952e-1116x586.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


https://www.ipa.go.jp/security/reports/oversea/nist/about.html
https://blancco.com/resources/blog-an-introduction-to-the-new-ieee-data-era-standard/


TOPIC2. 【データ消去履行確認方法に関して】
回答を得た教育委員会の約3分の1以上が、
データ消去作業ログが取れない(=資産管理番号区別できない)データ消去を検討中
さらに、資産管理番号を区別できる証明書の取得予定は、約2割にとどまる
⇒ データ消去作業ログが取れる処分事業者選定が必要。

 文部科学省が2024年1月に改訂した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」は、GIGA端末の処分時には専用ソフトウェアを用いたデータ消去の実施を規定しています。この専用ソフトウェアによる消去では、1台ごとの消去ログやデータ消去証明書の発行が可能となり、より確実なデータ消去が実現します。
 しかしながら、全国教育委員会の37.5%が「1台ごとの消去ログが取れないデータ消去履行確認の実施」と回答しています。さらに、「資産管理番号を区別可能(=データ消去作業ログが取れる)な証明書を委託事業者から取得予定」は20.2%と、大きな差が生まれています。

 今後、多くの自治体でGIGAスクール端末の処分事業者選定が本格化を迎える前に、1台ごとの消去ログが取れる適正なデータ消去作業を、各自治体が実施していくべきと考えます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-ba1f638561d0b6615a5931b15167002c-2154x1058.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


TOPIC3.【データ消去費用に関して】
データ消去作業を外部委託する予算を確保している教育委員会は、3分の1以下にとどまることが判明
GIGA2.0の調達価格に処分費用を含める(=処分までの予算確保)予定の教育委員会は、4分の1

また、9.6%の教育委員会がデータ消去作業を内部で行う工数・設備・予算確保をしていると回答
内部作業によるリスクを把握した上で、適正な処分・データ消去委託先選定をする必要がある
⇒ 「データ漏えいを1件も起こさない」処分実現に向け、外部委託予算確保を。

 GIGAスクール端末の処分やデータ消去予算を確保できている教育委員会は3分の1以下(28.8%)にとどまっており、児童生徒、保護者が安心してGIGAスクール端末入れ替えを完了できる環境とはいえない結果となりました。
 また、その課題として、「必要な情報不足」の他、「適正に対応できる事業者がわからない、見つからない」「予算が確保できない」といった声が上げられています。特に予算の制約から、GIGA端末の調達と処分を一括で委託するケースが多いと考えられ、教育委員会が適正な判断や運用を行うための支援体制強化が求められます。

 「1件でもデータ漏えいを起こさない」ためにも、全国自治体でGIGAスクール端末処分、データ消去に関する正しい認識を持ち、適正なデータ消去予算を確保し、安心・安全な端末処分の実現を切に願います。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-ff2cec3707686a5378bdbd8b63e90732-2078x1039.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-2cadba07c46bf7f32e36688e2363109f-489x357.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
参考1.)全国で使われているGIGA端末の種類
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-fd1385deceecf8263c3a6cde8b943d6a-563x367.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
参考2.)全校で使われているGIGA端末に含まれるデータ

(※)文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの重要性分類(令和7年3月改訂)」における重要性分類
 ・重要性分類1:要配慮情報を含む医療・健康に関する情報等
 ・重要性分類2:テスト・通知表等の成績に関する情報、進路相談、要配慮情報を含まない健康情報
 ・重要性分類3:授業レポート等、学習活動の中で生成される情報
 ・重要性分類4:児童生徒個人が使用しない共有端末、未使用端末

■全国ICT教育首長協議会 会長 横尾俊彦 多久市長のコメント
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156132/6/156132-6-2a573524fdd2abdb8117dc5d2ada9394-480x573.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

調査結果により見えてきたのは、「データ消去が不完全なまま処理が進む恐れ」、 「GIGAスクール端末のデータ消去履行確認等が不十分な恐れ」、そして、「予算確保が十分でない場合に、適切なデータ消去がなされない恐れ」などのようです。デジタル社会において真に心豊かな人生実現のためにICT教育の充実やデジタルリテラシー向上が大切になっています。その実現のためにもより安心安全で利用・活用のできる環境づくりも不可欠です。
ぜひ、調査結果も参考に、あるべき姿をお考えいただき、子どもたちと全ての人々のデジタル活用向上に資するべく、力を合わせていきたいと思います。




■「一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会」 概要
当団体は、全国の小・中学校に整備されたGIGAスクール端末更新に伴い、適正な端末処分、適正なデータ消去を普及させることにより生徒のデータプライバシーを保護することを目的として発足しました。今後、関係者の相互交流・相互理解の推進に関する事や、関係行政機関との連携に関する事業の展開。 調査・研究、それをベースにした普及・啓発及び相談に関する事業も行う予定です。また、人材育成、技術支援に関連するセミナー・講演等を開催し、生徒のデータプライバシー保護を実現します。

・団体名 :一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会
・設立 :2025年1月31日(金)
・専門委員 :矢作尚久、川島英之、横尾俊彦、尾花紀子
・協力 :株式会社ブランコ・ジャパン/リネットジャパングループ株式会社

■「GIGAスクール端末廃棄を、もっと安全に」プロジェクト概要
当団体は、プロジェクトを通してGIGA端末が抱えるデータ漏えいリスクを世の中に啓蒙することで、より多くの自治体が認定事業者での端末回収手続きが進められる社会を目指します。そして、全国の小中学生のお子様を持つ保護者の皆様が安心できる社会を実現できるよう、取り組みを進めてまいります。
プロジェクトサイト:https://www.student-data-privacy.jp/

<GIGA端末スクール構想及び本団体の活動に関するタイムライン>
2018年 :文部科学省にて「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」策定
2019年 :文部科学省より「GIGAスクール構想」発表
2023年 :「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」を2年間延長
2024年 :5/17(金) 環境省より「GIGAスクール端末処分における小型家電リサイクル制度」周知開始
2025年 :1/31(金) 「児童生徒のデータプライバシー協会」を設立
:3/6 (木) 教育関係者向けに「GIGAスクール端末処分に対する意識調査」を実施
:3/17(月) 保護者向けに「GIGAスクール端末処分に対する意識調査」を実施
:4/30(水) 当協会に3人の有識者が専門委員として就任
2024年~2028年:GIGAスクール構想第2期「NEXT GIGA」期間
※タブレット端末はバッテリー劣化などにより5年程度で更新時期を迎え、25~26年度がピークとなる見込

■一般社団法人 児童生徒のデータプライバシー協会
所在地   :東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号 渋谷道玄坂東急ビル
URL    : https://www.student-data-privacy.jp/
設立    : 2025年1月31日(金)
事業目的  : 全国の小・中学校に整備されたGIGAスクール端末更新に伴い、適切な端末処分、適切なデータ消去を普及させることで、児童生徒のデータプライバシー保護を実現する。
事業内容  :
(1) 関係者の相互交流・相互理解の推進に関する事業
(2) 関係行政機関との連携に関する事業
(3) 調査・研究等の事業
(4) 普及・啓発及び相談に関する事業
(5) 人材育成に関する事業
(6) 技術支援に関する事業
(7) セミナー・講演等に関する事業
(8) 各種情報提供に関する事業
(9) その他この法人の目的を達成するために必要な事業

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