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数式を組むとシーラカンスが浮かび上がる?実在しない「シーラ関数」が話題

 数学の授業にもしもこんな関数が登場していたら、筆者はもっと数学が好きになっていたかもしれません。

 多くの人に算数・数学の楽しさを伝える活動をしている、“数学のお兄さん”こと横山明日希さんがこのほどXに投稿した「シーラ関数」が話題です。

  • ■ 「シーラ関数」は実際には存在しないダジャレ関数!でも描くことは可能じゃない?

     横山さんが投稿したのは、数学の授業でおなじみのX軸とy軸からなるグラフにシーラカンスと思しき魚のイラストが描かれた画像。よく見ると口から尾びれにかけて赤線が引かれています。

    複雑な数式を組み合わせると実際に作ることは可能

     つまりシーラカンスのようなグラフができる関数があって、それが「シーラ関数」と呼ばれているということ……?

     と思いきや、実はこれは横山さんのダジャレ。実際にそういった関数があるわけではなく「シーラカンスのような形の関数があったとしたら名前を付けるとしたら“シーラ関数”だろうな、と思って名前をつけました」と話しています。

     ただし複数の複雑な数式を組み合わせることで、背びれだけでなく鱗や目や口をグラフに落とし込み、シーラカンスを描くことは可能だそう。このように数式を使って描かれた絵は「関数アート」と呼ばれ、コンテストも開催されているのだとか。

     ちなみにこのシーラ関数が生まれたのは、横山さんが6月末に発売する書籍『NHK3か月でマスターするMOOK 数学 「あ、わかった!」の爽快感をもういちど (教養・文化シリーズ)』の執筆にあたって、編集者の方と会話をしていたときのこと。

     「何か面白い関数ありますか」と聞かれて頭をよぎったのが「シーラ関数」だったと横山さん。しかしダジャレすぎると思ったのか、残念ながら「シーラ関数」は取り下げ、代わりに「カテナリ曲線」を紹介したと話します。

     カテナリ曲線というのは日本語では懸垂曲線とも呼び、ロープや電線などの両端を持って垂らしたときにできる曲線のことを指すそう。ただの“たるみ”ではなく、れっきとした名前があるということ、初めて知りました。

     なおカテナリ曲線については上述の書籍で詳しく解説しているとのことです。

     また「病的な関数」という、かなり禍々しい響きの関数があることも教えていただきました。数学の世界において「病的な」というのは「気持ち悪さを覚えるほど不規則で、直感に反するような」といった意味合いで使われるそうです。

     つまり「病的な関数」というのは「めちゃくちゃ不規則な関数」ということなのでしょう。「複雑な」や「不規則な」ではなく、「病的な」と生き物を扱うかのように表現するのがユニークですね。

    ■ 数学苦手、関数わからない……そんな人はビジュアルから考えてみては?

     今回登場した「関数」というのは、数学が苦手な人がつまずきやすい単元ではないでしょうか。筆者も学生時代、二次関数が分からなくてかなり苦労した記憶があります。

     そんな筆者含む数学苦手な人のためにも「関数を楽しむコツなどはありますか」と横山さんに聞いてみました。

     「関数で絵を描く(関数アート)、という遊びはとても大切な遊びになります」(横山さん)

     確かに今回の「シーラ関数」のように、関数を数式ではなくビジュアルでとらえることで、数学苦手な人もとっつきやすくなる気はします。

     ビジュアルから関数に入ることで「数式のここをいじるとグラフのここが変化する」「こういう数式を作るとこういう線ができる」といった試行錯誤が捗りそうですね。

     関数が苦手な人、身近に関数が苦手な人がいる人、まずは「ビジュアルで関数を考えてみる」から初めてみてはいかがでしょう。

    <記事化協力>
    「横山 明日希」さん(@asunokibou

    (ヨシクラミク)

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