思わず箸を手に取りたくなるほど、美味しそうな焼き鮭ですが……実は元はただの石ころです。

 イラストレーターのオオジカオリさんが、石ころをペイントして作った“焼き鮭”がXで話題になっています。

 オオジさんが投稿したのは、石ころが“生鮭”を経て“焼き鮭”へと変化する過程を収めた画像。

アクリル絵の具を使い、1日で制作

 切り身の形状から皮の焦げ目、身のオレンジ色まで本物そっくりクオリティで、存在していないはずの香ばしさを感じてしまうほど。

 一時期海や川で拾った石にペイントをすることにハマっていたというオオジさん。今回の焼き鮭の元になった石も、そのときに拾ったものでした。

 出会った瞬間に「これは……鮭の切り身だ!」と思って家族に見せたところ、反応はイマイチ。

 納得がいかなかったオオジさんは「どこからどう見ても鮭に見えるようにしてやろうじゃないか」と思い立ち、今回の石ころ焼き鮭の制作にいたったとのことです。

 「こういうのは勢いが大事」と話すオオジさんが、作品の制作にかけた時間はわずか1日。凄まじい執念です。

 アクリル絵の具を使用し、皮の焦げ目にこだわってペイントしたとオオジさんは話します。最終的にお皿にのせたく、そのためにできるだけ美味しそうに見せたかったからだそう。

 たしかに焼き鮭は、パリッと香ばしく仕上がった皮が一番美味しいと言っても過言ではないですからね。

 美味しそうな皮を再現するため、画像検索で理想の焦げ目を追い求めたというオオジさん。焦げ目のイメージが固まったあとは「まず焼いていない生の皮を描いてから焼き色、そして焦げ目を被せていくイメージで色を乗せていきました」とのこと。皮へのこだわりに惚れ惚れします。

 こうして出来上がった焼き鮭の切り身は、朝食のおかずとして出されてもまったく違和感のない出来栄えです。このままお皿にのせて出されたら、箸で触るまで石だと気付づけない自信があります。

 そして完成形である焼き鮭にばかり目がいってしまいますが、投稿された画像の中段にある生鮭も本物と見紛う出来ばえ。生の状態の艶がばっちり再現されています。

 石は食べられないものの代名詞的存在ですが、それがアクリル絵の具でここまで美味しそうになるとは。オオジさんの発想と技術に驚きです。

<記事化協力>
オオジカオリ│野生のイラストレーター(@ojikaori

(ヨシクラミク)