
株式会社文藝春秋(本社:東京都千代田区 社長:飯窪成幸)が刊行する、第169回芥川龍之介賞受賞作『ハンチバック』(市川沙央著、文春文庫)が、フランスで最も権威のある文学賞の一つ、メディシス賞の「外国小説部門」最終候補作7作に選出されました。
私の身体は生きるために壊れてきた--。
重度障害者として、身体と意識の流れを迫力ある筆致で描ききった『ハンチバック』は、2023年7月に第169回芥川龍之介賞を受賞。衝撃的な内容だけでなく、遅々として進まない日本の読書バリアフリー環境に一石を投じましたが、その反響は日本だけでなく海外へと大きく広がっています。
現在では世界25の国と地域で翻訳版の刊行が進んでおり、英訳版は2025年の全米図書賞〈翻訳文学部門〉のロングリスト(受賞候補作リスト)に選出されました。
今回メディシス賞の最終候補に残ったフランス語版の訳者はパトリック・オノレ(Patrick Honnore)さん。同賞の受賞作は、本年11月5日に発表となります。
日本では今月7日に、ルビを大幅に増やした文春文庫版が刊行されています。
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市川沙央『ハンチバック』(文春文庫)
■メディシス賞〈Prix Medicis〉とは
メディシス賞は、1958年に創設されたフランス有数の文学賞の一つです。1970年には外国小説部門〈Romans Etrangers〉が設けられました。同部門はこれまで、ミラン・クンデラ『生は彼方に』(1973年)、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』(1982年)、アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』(1987年)、ポール・オースター『リヴァイアサン』(1993年)をはじめ、優れた文学作品が受賞。オルハン・パムク『わたしの名は赤』(2005年)やハン・ガン『別れを告げない』(2023年)など、ノーベル文学賞受賞者の作品にも与えられています。
これまで日本作品の受賞はありません。
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■『ハンチバック』内容紹介
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」と呟く。
ある日、グループホームの男性ヘルパー・田中にそのアカウントを知られていることが発覚し――。
今月7日にはルビを大幅に増やした文春文庫版が刊行。
文庫化を記念して、『ハンチバック』の冒頭8000字を無料公開しています。
https://books.bunshun.jp/articles/-/10319
■市川沙央さん プロフィール
市川沙央(いちかわ・さおう)
1979年生まれ。早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科卒業。
筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側彎症および人工呼吸器使用・電動車椅子当事者。
2023年「ハンチバック」で第128回文學界新人賞、同作で第169回芥川賞受賞。
最新作は2025年9月に刊行された『女の子の背骨』(文藝春秋刊)。
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■書誌情報
書 名:『ハンチバック』著 者:市川沙央
判 型:文庫判
文庫版発売日:2025年10月7日
定 価:660円(税込)
ISBN:978-4-16-792425-6
書誌URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167924256