スマートフォンや携帯扇風機、モバイルバッテリーなど、私たちの生活に欠かせないリチウムイオン電池。しかし、その普及とともに火災事故も急増しており、東京消防庁管内では直近10年間で関連火災が約9.4倍にも増加しているといいます。
「膨らんでいる」「熱を持っている」といった予兆がある場合は使用を中止するのが鉄則ですが、もしも目の前で発火してしまったら? 東京消防庁公式Xが紹介した「消火方法」の動画が、いざという時のための“指南書”として反響を呼んでいます。
■ 激しく燃えている時は「近寄らない」 火が収まってから消火を
動画によると、万が一出火し、火花や煙が激しく噴出している場合は、無理に消そうとせず「近寄らない」ことが最優先。リチウムイオン電池の燃焼は激しく、爆発的に炎が噴き出すことがあるため、身の安全を確保することが第一なのだそうです。
その後、火の勢いが収まってきたと判断したら、「大量の水」または「消火器」で消火活動を行います。もしも外出中、バッグの中などで異変(発熱・発煙)を感じた場合は、すぐに体から離し、可能であれば燃えやすいものから遠ざけた上で、バッグごと水や消火器で消火を行うようにしましょう。
■ 最も重要なのは「消火後の水没」
リチウムイオン電池は高エネルギーを蓄える構造のため、内部が損傷したり過熱したりすると「熱暴走」を起こし、急激に温度が上昇して発火に至ることがあります。この“熱暴走”は外側からでは判断しづらく、見た目の火が消えても内部では高温状態が続いている場合があります。
このため、今回の動画で特に重要とされているのが「消火後の対応」です。実験では、消火後でも400度を超える高温状態であることが確認されました。このまま放置すると、再発火する危険性が極めて高いのです。
そこで東京消防庁が推奨しているのが、「水没させること」。大量の水などで十分に温度を下げ、バケツなどに水を張り、その中に製品を沈めて完全に冷却することが重要だとしています。その後、身の安全を確保した上で119番通報を行いましょう。
この具体的な対処法に対し、SNSでは「水没させるのが重要とは知らなかった」「モバイルバッテリー持ってる人は全員見た方が良い」といった驚きと納得の声が上がっています。
これからの冬の季節、乾燥が一層本格化し、一度火があがると延焼しやすくなります。リチウムイオン電池を使用した製品は、衝撃を与えない、暖房器具の近くに放置しない、指定の充電器を使用するといった予防も大切ですが、万が一の際には「水没」という対処法があるということも、頭の片隅に入れておくとよいかもしれません。
【必見!! モバイルバッテリーの消火方法】
モバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池を搭載した製品による火災が急増しています。
万が一に備え、消火方法を確認しましょう。新動画はこちら⇒https://t.co/soWoMZFcj2#東京消防庁 #リチウムイオン電池 pic.twitter.com/w7gXfNf1br
— 東京消防庁 (@Tokyo_Fire_D) December 4, 2025
<参考・引用>
東京消防庁(@Tokyo_Fire_D)
(山口弘剛)








































