任天堂株式会社及びゲームソフトメーカー49社が、ニンテンドーDSで起動する「マジコン」と呼ばれる機器の輸入販売を行っていた業者らに対して、販売差し止めと損害賠償を求めた裁判で、7月9日、東京地方裁判所は、業者らに総額9562万5千円の支払いを命じた。
「マジコン」は海賊版ゲームソフトが起動できるようにする装置。本来は私的利用範囲内でのゲームデータのバックアップを目的としていたが、インターネットなどで不法に公開されたゲームデータを無料で入手しプレイする人が続出したため、2011年に不正競争防止法改正で「マジコン」の輸入・販売行為に刑事罰が導入されるまでゲームソフトウェア業界の売上に大きく影響を与えたと言われている。現在では関税法改正により、「マジコン」は輸入禁止品にも指定されている。
なお、任天堂の主張によると2007年以降の「マジコン」輸入台数は10万台以上。
今回の裁判で注目すべき点は、過去裁判では既に認められていた、マジコンの違法性だけでなくマジコンが正規ゲームソフトの販売に与えた損害に対する輸入販売業者らの賠償責任も肯定された点。ゲーム業界全体にとって非常に重要な判決になっている。
情報元:任天堂ホームページ http://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2013/130709.html
(文:水崎夏希)