子育てには色々な難問がありますが、結構長く悩みが続いてしまうのが、遊んだ後の「お片づけ」。遊びっぱなしで部屋を散らかしたまま、何度言っても自分からしてくれず、結局業を煮やしてパパ・ママが代わりにやってしまったり……ってありますよね。自分も小さい頃はそうだったんでしょうが、どうやったら自発的に「お片づけ」してくれるのか、悩んでしまいます。そんな悩みに応える、ちょっと面白いアイデアグッズが都内で行われた体験会で、発表されました。
2017年12月23日、会場は銀座の外堀通りに面した商業施設、マロニエゲート2(旧プランタン銀座)にある『ニトリ マロニエゲート銀座店』。ここでニトリが推進する『デジ家具プロジェクト』の試作品『CleanUp Orchestra』の体験会が行われました。『デジ家具』とは、既存の家具にデジタル技術を組み合わせ、新たな使い方などの付加価値をつけた商品のことだそうです。
お片づけで難問なのが、おもちゃや絵本などを「いつも決まったところに戻す」という習慣づけ。つい子供はゴチャッと放り込んでしまい、元のように入りきらなくなったり、次に遊ぶ時に目的のものが見つからない……なんてことが起こります。使い終わったら決まった元の場所に戻す、という習慣ができれば、お片づけは楽になります。でも、なかなか「元の場所」を覚えてくれないから、難しいんですよね。
今回体験会が行われた『CleanUp Orchestra』は、子供用のデスク&チェアや収納(トイシェルフ・ブックシェルフ)家具。これにデジタル技術による、ちょっとした仕掛けをつけて、子供が自発的に楽しくお片づけができるようになる……という商品です。
■片づけるごとに演奏楽器が増え最後はまるでオーケストラ
『CleanUp Orchestra』は、通常の家具に加えて、センサーモジュールとカラフルなセンサータグシールがセットになっています。まず、おもちゃや家具の棚にセンサータグシールを貼り、片付ける場所となる家具にセンサーモジュールを取り付けます。
おもちゃなど、センサータグシールを貼ったものを、対応するセンサーモジュールのある正しい場所(家具)に片づけると、音楽が奏でられます。スマートフォンのアプリで、おもちゃなどに対応する音楽を設定すると準備完了。アプリのスタートボタンを押すと有効になります。
センサータグシールを貼ったおもちゃなどを設定された「決まった収納場所」に戻していくと、戻す品物が増えるに従って、音楽を奏でる楽器が増えていきます。お片づけが終わると、まるでオーケストラのよう。だから『CleanUp Orchestra』なんですね。
■体験した子供たちにも好評
実際に体験した一般の子供たちは、物を戻すたびに楽器が増えていくのが楽しそう。音の変化に喜んでいました。「音が増えて楽しい気持ちになった」や「お片づけが楽しく続けられそう」といった感想が聞かれました。
参加した保護者の方は「子供たちが楽しんでいる様子が伝わってきた」「面白いシステムで、とても良いと思います。取り入れてみたいです」という感想を述べていました。
お片づけの重要ポイント、しかし難問である「決まった場所に戻す」という習慣づけを楽しくできて、それを目的化しようという『CleanUp Orchestra』の考え方は非常に面白いですね。まだ試作品ですが、市販化が待ち遠しい商品です。
(咲村珠樹)