「猫作ります」「完成しました」というつぶやきとともに、鑄さんがTwitterに投稿したのは猫をモチーフにした木彫り。その愛くるしい姿に、国内外のTwitterユーザーが反応。3万を超えるいいねが寄せられています。

 鑄さんは、愛知県にて立体造形の制作をしている人物。現在は主に、動物をモチーフにした木彫りの創作活動を行っています。

 作品は自身のSNSにて公開していますが、色んな動物をモデルにしているため種類は多種多様。ワンピースのような衣装を着込み、精巧さとコミカルさがあわさった姿は、どこか不思議な魅力を放ち見る人を引きつけてやみません。

様々な動物をモデルにした木彫りの創作活動をしている投稿者。

 これら木彫り作品を作る上でのこだわりとして、鑄さんは基本的に同じ動物モデルでは作品を作らないそうです。しかし、猫の木彫りだけは例外です。

 「実はこの猫のモデルは私の飼い猫です。私の家では3匹猫を飼っていまして、この子もそのうちの1匹なんです」

 愛猫であるがゆえの“特別枠”。こうして作られた木彫り猫は、眼が青くなっており、どことなくファンタジー。ただこれは“アレンジ”でなく、愛猫の「ありのままの姿」を表現しています。

飼い猫がモデルという今回の作品。青い瞳も「オリジナル」です。

 「モデルになっている子は、子猫のときに酷い猫風邪で息絶えそうなところを拾って、その時にはすでに目が潰れかけていました。現在は目に青白い膜のはった状態です」

 「私達家族は、これまでずっとそばで見てきたので、この子に愛しさしか感じていません。ただ、他の方々から見ると『普通ではない』見た目です。なので、『私の大切な家族の姿』として見てもらうことに注力しました」

 鑄さんが作り出す木彫りアートはコミカルなポージングが特徴的。しかし、今回の木彫り猫はそういった要素の少ない作品でありつつ、他よりも生命力を感じさせるものとなっていました。これは、鑄さんがこれまで猫ちゃんたちと過ごしてきた、かけがえのない「時間」が反映された結果なのかもしれませんね。

<記事化協力>
鑄さん(Twitter:@CopperAndHammer/Instagram:@mirin_kou)

(向山純平)