人気音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」で主演・歌唱を担当しているコムアイさんが、2021年9月6日正午をもって脱退することが明らかになりました。

 あわせて、二代目の主演・歌唱担当として詩羽(うたは)さんが加入することも発表され、6日21時よりコムアイさん、詩羽さん2人のアカウントからインスタライブ配信が行われます。

 2012年に主演・歌唱のコムアイさん、音楽担当のケンモチヒデフミさん、その他担当のDir.Fさんで結成され、YouTubeでの作品発表から始まった水曜日のカンパネラ。2018年6月に発表されたアルバム「ガラパゴス」以降、水曜日のカンパネラとしての楽曲発表は沈黙を保ったままでした。

 そして2021年9月6日、コムアイさんの脱退と、二代目水曜日のカンパネラとして主演・歌唱を担当する詩羽(うたは)さんの加入が発表されました。脱退と加入について、各メンバーからコメントも届いています。

【コムアイさん】
 プロジェクトが始まった頃、ケンモチさんがよく「水曜日のカンパネラは乗り合いバスだ」と言っていたことを思い出します。それぞれが行きたい道のりの、分かれるところまで一緒に乗っていこうと。

 3人のやりたい表現は最初から少しずつ違っていて、でもとても奇妙なバランスで、違うセンス…もしくはナンセンスを内包しながらここまで来れたことは、貴重なことでした。それはひとえに、10歳ほど年上だった2人が、なぜか私を対等に扱ってくれた余裕と配慮の賜物です。私はプライドの高い普通の大学生だったのに、歌える子と踊れる子がいるから!ということで、3人目として拾われました。結局1人だけ残り、スタートすることになったのですが、そこからはがむしゃらに活動を続けていって、記憶がおぼろげな時期もあります。

 ステージの袖から、破裂しそうな気持ちをぎゅっと握りしめて飛び出していって、観客の輝きと、目が合う瞬間。全身がぞわぞわ身震いして、もう1人の自分に乗っ取られて勝手に声が出て身体が動いているような瞬間。頭でっかちだった自分を、チームとオーディエンスにたくさん解放してきてもらいました。

 私はこれからも、音楽や表現と離れず、たくさんの人に出逢い人生を送っていきたいと思いますが、そういう生き方の素晴らしさを教えてもらい、最初に長い冒険を共にした仲間のことは、忘れることができません。今までお世話になった皆さんひとりひとりにご挨拶することがかなわないですが、期待してサポートしてきてくださったみなさま、貴重なパワーのお裾分けを、本当にありがとうございました。

 私は、水曜日のカンパネラとしてやってきたことに、心から満足しています。悩みながらもひとつひとつ、自分で決めて進んでこれました。

 特別にきっかけがあったわけではないのですが、3年くらい前から、このプロジェクトで私が活動を続けていくのが想像できなくなりました。自分の興味が広がり、もっと自由になりたかったです。それまでも、ずいぶん自由にさせてもらっていたけれど、これ以上、私の興味にケンモチさんやDir.Fを振り回したり、歩み寄ってもらうのではなく、水曜日のカンパネラの重心をもっと2人の方へ戻すべきだと考えるようになりました。

 びっくりさせてしまったけれど、時間をかけてチームの皆さんにも理解していただきました。

 私が入る前から水曜日のカンパネラという名前もあったし、ケンモチさんもDir.Fもいました。だから、私が抜けても水曜日のカンパネラは大丈夫です。

 それに、詩羽ちゃんという素敵な人が入ります。

 彼女は、この変わった状況でバスに乗ってくれる稀有な人です。会ってみて、すっかり彼女のことが好きになりました。彼女がきゃきゃっと笑うと、周りがぱっと照らされたみたいに明るくなる、そういう魅力のある人です。会ったときに、私のこと気にしないで好きに変えてってほしいと伝えたけれど、それもそんなに簡単に言うなよって感じですよね。でも詩羽ちゃんはとても頼もしくて、ここは変えていきたい、ここは変えたくない、とビジョンを向こうから話してくれて、今までの曲も歌わせてくださいって言ってくれて、本当に嬉しかった。詩羽ちゃんの水曜日のカンパネラ、楽しみ!と思いました。

 自分が歌う気がなくなってしまったことで、今までの歌が埃をかぶってしまうことは、ケンモチさんや他の作曲家に対しても、申し訳ないと思っていたので、とても救われました。

 自分が住まなくなった家が、誰も住まずに鍵がかかっているよりも、誰かが改修して違った形で住み続けてくれる方が、私は嬉しいです。

 発表が遅くなり、ご心配をおかけしました。

 応援や祈りに、たくさん支えられてきました。

 ありがとうございます。

 どうか温かいそのお気持ちを、詩羽ちゃんの加入したこれからの水曜日のカンパネラにも、たくさんたくさん注いでくださいますよう、お願い申し上げます。

【ケンモチヒデフミさん】
 この度、ボーカルのコムアイが脱退し、詩羽が新メンバーとして加入することになりました。

 10年前のユニット結成当時。コムアイは人前で歌を歌ったこともなく、私はJ-POPを作ったこともなかったという、シロウト同然の集まりで始まった『水曜日のカンパネラ』。「2年間やって芽が出なかったらすぐ解散しよう」などと言いながら、何とか幸運に恵まれここまでやってくることが出来ました。

 私が今もこうして音楽を続けられているのは水曜日のカンパネラがあったからで、世に知られるきっかけになったのはフロントマンであったコムアイの才能と努力のおかげだったと思っています。彼女と出会いここまで一緒に音楽活動を出来たことに本当に感謝しています。

 コムアイは脱退することになりますが、これからも彼女の活動は我々と違った形で続いていきます。また、私とDir.Fも新メンバー詩羽と協力しながら、これからの時代に合う新しい水曜日のカンパネラを作っていこうと思っています。

 今まで応援してくださったファンの皆様には、ここ数年は表立った活動をお伝えすることが出来ずに申し訳ありませんでした。それぞれまたイチから再スタートになりますが、引き続き応援していただければ幸いです。

【Dir.Fさん】
 コムアイへ、出会ってからは10年間。

 この場を借りて、本当にありがとう!そしてお疲れ様でした。

 この10年間は、まさにコムアイでなきゃあり得ない活動でした。ちょっとずつ変わっていく姿もコムアイらしいと思っていました。出会った当初に感じていたコムアイの才能が最大限伝わるようにこれからは個人名義として活動をしていくことになります。

 これからのコムアイが表現する世界も一ファンとして応援したいです。

 そして、新加入の詩羽へ、2代目として襲名しフロントに立つことになりますが、自分らしく新たな水曜日のカンパネラを楽しんでください。

 ファンの皆さま、関係者の皆さまへ、少しお待たせしましたが、今後とも引き続きよろしくお願い致します!

【詩羽さん】
 この度『水曜日のカンパネラ』の二代目ヴォーカリストになりました、詩羽(うたは)です!

 私の「やりたいこと」「伝えていきたいこと」を、水曜日のカンパネラとして、一緒に進んでいくことを決めました。

 みんなも私も楽しくハッピーな日々になるように頑張っていきます!

 今後の活動を楽しみにしていてくださると嬉しいです!

 よろしくお願い致します。

「水曜日のカンパネラ」二代目主演・歌唱の詩羽さん

 コムアイさんがキイロ役で出演した映画「猫は抱くもの」劇中歌で、アルバム「ガラパゴス」のラストを飾るナンバー「キイロのうた」の中に「何万年かまた先で 惑星の軌道が重なる」という歌詞がありますが、離れていくコムアイさんもいつか、水曜日のカンパネラと重なる時があるのかもしれません。また違う姿、違う匂いで、気付かなくとも。

 9月6日の21時からは、Instagramのコムアイさん(kom_i_jp)、詩羽さん(utaha.89)それぞれのアカウントにてインスタライブを配信するとのこと。どんな内容で、何が語られるのか、注目です。

※初出時「詩羽さん」を一部「詞羽さん」と記載しておりました。訂正してお詫びいたします。

情報提供:株式会社つばさレコーズ

(咲村珠樹)