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セガのロボピッチャが紡ぐ親子の物語 時代が変わっても遊びの本質は不変

 かつて株式会社セガから発売されたおもちゃ「ロボピッチャ」をご存じでしょうか。子ども用の室内ピッチングマシンとして1984年に販売開始されましたが、その後生産を終了。90年代後半になって某ギャグマンガに登場したことで知名度が再上昇したため、実物を見たことはなくてもその存在を知っているという方も多いと思います。

 そんなカルト的な人気を誇る「セガのロボピッチャ」を、25年の時を経て自宅より発掘した、というツイートを発見。しかも写真に写っている箱や本体はかなりの美品です。フリマサイトやオークションサイトでもなかなか見かけないため、かなり珍しい品物なのではないでしょうか?

  •  写真の投稿主は、ツイッターユーザー「私はファミ刑事」さん(以下、投稿主さん)。

     このロボピッチャは初代からモデルチェンジを経た「NEWロボピッチャ」で、1997年に偶然購入したものです。以降、長らく実家にて保管していましたが、「そろそろあの”ブツたち”持って行ってくれない?」という母からの要望で、他のおもちゃを含めて引き取ったうちのひとつなのだそう。

    投稿主さんが引き取ったNEWロボピッチャ

     実は「ロボピッチャ」は投稿主さんにとって単なるおもちゃではなく、思い入れの深い一品。幼少時に兄と共に野球チームに入団したものの、体が小さくまともにバットが振れない投稿主さんを見かねて、今は亡き父が練習用に買ってくれたのが初代ロボピッチャでした。

     時を経て投稿主さんが19歳になったころ、訪れたデパートにて機能が向上したNEWロボピッチャを発見しました。父との思い出から「いつか自分に子どもができたら一緒に遊ぼう」と新品で購入し、日にちと金額を書いて、タイムカプセルのように実家で保管。この度発掘に至った……という流れです。

    箱の下には「3980、97、9/16」の文字

     自宅に持ち帰り、早速中を開けてみると、電池が入りっぱなしであったため、液漏れで金属がサビて通電せず……。そこで、レトロゲーム好きな投稿主さんが普段ソフトの清掃用に使用している道具や薬品を用いて清掃してみると、「ヒャッホー!」という音声と共に、見事に復活。あまりのうれしさから「お前、生きてたのか!」と感極まり、思わず本体を抱きしめたそうです。

    復活を遂げたNEWロボピッチャ

     現在、投稿主さんは7歳と5歳になる男の子の2児の父。夏休みに入ってゲームで遊ぶことの多い2人でしたが、ロボピッチャが来てからはバッティングをしたり、球を受ける練習をしたりするなど、積極的に活用している様子。昭和、平成を経て令和にロボピッチャで遊ぶ兄弟がいるとは、それだけで感慨深いものがありますね。

    ロボピッチャで遊ぶ7歳と5歳の兄弟

     「いつか子どもができたら」と、購入日を記載した時の夢を叶えた投稿主さん。ロボピッチャの今後については「大袈裟かもしれませんが、また大切にとっておいて息子に引き継ぎ、孫と遊べる日を楽しみにしようと思います」と、次世代へ譲り渡すことを決意した模様。

     「あれからロボット時代となった現代ですが、テレビゲームの進歩が凄まじい中、ロボピッチャの楽しさ、遊びの本質は変わらず楽しいものです。まだまだ現役で父親になった今でも楽しませてもらっていますが、令和版が発売される事を期待しています」

     インタビューの最後に、ロボピッチャへの思いをこのように話した投稿主さん。親子3世代に渡るロボピッチャとの物語は、まだまだ続いていくこととなるでしょう。

    <記事化協力>
    私はファミ刑事さん(@Famicon_Deka)

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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