口を「ぽか~ん」と開けて、なんとも言えない表情をしているぬいぐるみ。「なんだこれ?」と思わず口走ってしまいそうになりますが、ずっと見ているとだんだん可愛く思えてくる不思議な力を秘めています。

 実はこれ、横浜市歴史博物館が筒形土偶をモデルにして作ったもの。筒形土偶も数千年後にまさかぬいぐるみにされるとは思わなかったのでは?

 筒形土偶とは、今から約3500年前の縄文時代後期に作られたもの。横浜市都筑区にある原出口遺跡の竪穴住居から発見されています。

 横浜市歴史博物館では筒形土偶の魅力について「人気者になる可能性を秘めている」と感じ、「はらでぐちくん」と名付けてキャラクター化。

 これまでペーパークラフトなどを横浜市歴史博物館のオンラインショップで販売してきましたが、この度ついに「はらでぐちくんといっしょ」としてぬいぐるみキーホルダー化。すでに6月8日より販売が行われています。

画像提供:横浜市歴史博物館

■ 学芸員のこだわりが満載!

―― 「はらでぐちくん」の特徴を教えてください。

 「はらでぐちくん」は、そのなんともいえないほっこりした表情や形が多くの人の目にとまり、愛される個性を持っています。

 国宝や重要文化財といった文化財の指定(肩書)はありませんが、それらの土偶にも負けないくらいのキャラクターや個性をはらでぐちくんは持っています。

愛される個性を持っている「はらでぐちくん」

―― たしかにこれは目にとまりますね。ぬいぐるみキーホルダー「はらでぐちくんといっしょ」を作る上でこだわった部分などを教えてください。

 考古学担当の学芸員の監修により、筒形土偶としての口や底面の穴、側面の模様をといった特徴を、精緻な刺繍で表現しています。

 さらにこの可愛らしいキャラクターをいつでも連れ出せるように、キーホルダータイプに仕上げました。これは美術担当学芸員の発案です。このように学芸員のこだわりが沢山つまっています。

学芸員のこだわりがつまった「はらでぐちくんといっしょ」

―― そんなこだわりがつまった商品をどのように利用してほしいですか?

 ネーミングのとおり、いつでもどこでもはらでぐちくんと一緒にいてもらえるように、カバンなどにつけておでかけして欲しいと思います。

 すでにはらでぐちくんの推し活をされている考古学ファンの方がSNS上で見られますが、もっともっとこうした形ではらでぐちくんの名前を広く知ってもらいたいです。

「はらでぐちくん」と名付けられた筒形土偶

―― ぬいぐるみキーホルダー「はらでぐちくんといっしょ」の評判を教えてください。

 発売開始以来ご好評をいただき、すでに100個以上販売しています。企業とのコラボではないオリジナルのミュージアムグッズとして当館では異例の数字です。

 通販で購入いただいた方がSNSに写真をアップされている様子から、キーホルダーサイズのぬいぐるみとしての販売が奏功したと考えています。

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 一度見たら忘れないインパクトと、クセになる可愛さを持っている「はらでぐちくん」。数千年の時を越え、人気が爆発する予感をヒシヒシと感じます。

<記事化協力>
横浜市歴史博物館公式X(@yokorekihaku

(佐藤圭亮)