ロブスタジオ株式会社は、1980〜2000年代のゲーム業界の変遷を描く経営シミュレーション「ゲームショップ斜陽」の体験版を、10月10日にSteamで公開しました。
本作は「かつて町の至る所にあったゲームショップの経営者となり、1985年から始まる激動の25年史を追体験できる」タイトル。体験版では最初の3年間(1985~1987年)がプレイ可能です。
■ あの頃、町にあった「ゲームショップ」をもう一度
本ソフトにおいて、プレイヤーは1985年「ファミコンブーム黎明期」の町に店を構えるゲームショップの店長となり、仕入れ・販売・経営判断を通じてゲーム業界のリアルを体験します。
ゲームは「1か月=1ターン」で進行。新作情報をチェックし、どのタイトルをどれだけ仕入れるかを判断する【情報収集】【仕入れ】【販売】【拡大】のサイクルを繰り返します。
たとえば、評判の高いRPGを大量に仕入れれば大ヒットのチャンス。しかし、売れ残れば資金や在庫スペースといった懐事情が怪しくなり、一気にピンチに……そんな経営のスリルがプレイヤーを待ち受けます。
販売結果に一喜一憂しながら、資金を増やして店を拡大。「この新作は絶対に売れる!」という確信が翌週には後悔に変わることもある、運と直感の駆け引きが本作の醍醐味です。
その他、体験版の画面では、ライバル店長とのバトルめいた会話イベントや、「称号:無銘のゲームショップ」といったユニークなランクシステムも確認できます。
さらに、月末処理での営業報告や経営コメント、まるで当時の業界紙を読むような演出も。昭和レトロな街並み、8ビット調の音楽、手描き風グラフィックが相まって、あの頃の空気感が再現されています。
■ 開発者が語る「斜陽」への想い
開発担当者は、リリースにあたって次のようにコメントしています。
「私には、ゲームショップの店長になる夢がありました。
当時、近所にあったゲームショップは青春の1ページそのもので、夢の場所でした。
しかし時代の流れで、ゲームショップという存在は段々と廃れ、人々から忘れられつつあります。
私のようにゲームショップを大好きな人間がたくさんいたはずなのに、なぜ『斜陽』となっていったのか。
子どもの頃にワクワクしながら足繁く通っていた、私の素敵な思い出をゲームとして残すべく、この『ゲームショップ斜陽』を開発しています」
思い出を思い出として終わらせず、ゲームとして再構築する姿勢に、開発チームの情熱がにじみます。
■ プレイ動画・実況も自由にOK
なお、本作は実況・配信が全面的に許可されています。体験版のプレイ時間は約1時間ほどと短時間ですが、経営の緊張感と人間味のあるドラマを体感できる内容となっているとのこと。
加えて「体験版の3年間でどこまで資金を増やせるか」「どこまで店舗を拡大できるか」など、経営の限界にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。
「ゲームショップ斜陽」は、懐かしさに浸るだけでなく、「なぜ町のゲームショップは消えたのか」という問いを投げかける作品でもあります。タイトルにある「斜陽」が示す通り、時代の波に抗いながら、プレイヤーは“あの頃の熱狂”と“商売の現実”を同時に味わうことになるでしょう。
ゲームの説明には「思い出の場所を経営者目線で蘇らせるのは、大人になった“あの頃の子どもたち”」とあります。かつて通ったあの店の思い出を胸に、あなたも昭和の街角でゲームショップ経営に挑んでみては?