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日本老人福祉財団、2023年度より導入したAIを活用した介護予防・将来予測システム『SOIN-R』の効果を検証

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一般財団法人日本老人福祉財団
~AIによる予測&アドバイスと職員によるコミュニケーションで入居者の状態維持・改善に貢献~



介護付有料老人ホーム〈ゆうゆうの里〉を全国7箇所で運営する一般財団法人日本老人福祉財団(本部:東京都中央区、理事長:小口明彦)はこの度、介護DX推進の一環として2023年度より導入している人工知能(AI)を活用した介護予防・将来予測システム「SOIN-R(読み方:そわん-えーる)」の効果を検証し、一定の成果が得られていることを確認しました。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/94268/17/94268-17-bd96a9129d5e3ead760a8238fb9e9441-1007x687.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<SOIN-Rを活用した業務の流れ(イメージ)>・入居者の状態推移を可視化・共有することで、4段階の予測の意識づけと7カテゴリの状態把握を実現  状態予測:自立(健常)/プレフレイル/フレイル/要介護状態  状態把握:生活機能低下/運動機能低下/低栄養状態/口腔機能低下/閉じこもり/認知機能低下/うつ傾向・1年後の状態の見通しをイメージできることで、適切なタイミングで介護予防を実現  ■SOIN HP https://soin.tech


「SOIN-R」は、株式会社シーディーアイと日本老人福祉財団が共同で開発した「AIを搭載した自立型施設向け介護予防システム」です。財団が毎年自立した入居者を対象に行っている「日常生活に関する調査」48設問のデータをAIに学習させることで、入居者の将来の介護予防につながる提案・アドバイスを行っています。日本老人福祉財団ではこの「SOIN-R」を2023年8月に京都〈ゆうゆうの里〉にトライアル導入し、2024年4月からは導入施設を全国7施設に拡大して、入居者が健康的な生活を送るために活用してきました。

今回は、「SOIN-R」による状態の判断を職員の視点による実際の状態と比べてみたところ、職員は79.5%を妥当と、18.0%が「SOIN-R」の判断よりも実際の状態の方が良い(本人が自分の状態を過小評価している)と評価しており、「SOIN-R」の状態判断の有効性を検証することができました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/94268/17/94268-17-b3a9fb13e8a2629f021fd0a393c769f6-761x478.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



さらに2023年度にトライアル導入した京都〈ゆうゆうの里〉で、「自立、プレフレイル、フレイル、要介護」の4つの状態予測を行った入居者125名が1年経って実際にどうなっているかを追跡調査し、「SOIN-R」の有効性について検証しました。予測した125名の中で1年後に回答を得られた122名の状態は、1年前の予測と比べて状態が改善した入居者が42名(34.4%)、状態を維持した入居者が65名(53.2%)、状態悪化した入居者が15名(12.3%)となり、「SOIN-R」の予測に対して維持・改善した入居者の比率が全体の85%を超える結果となりました。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/94268/17/94268-17-8a0d794183c0422219070d40f378a5d3-798x352.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



なお改善・維持ができた要因としては、予測結果を受けて入居者自身が健康に留意した生活をしたこと、環境として新型コロナウイルスが5類に移行して入居者の活動範囲が広がったことが大きな要因であると考えられます。加えて、自立入居者のサポートをする「生活支援チーム」が入居者へ積極的に声掛けを行い、入居者の変化に気付く関係性ができたことで自立支援につなげることができた結果と考えています。

2024年度からは全国7施設に導入し、日常生活に関する調査に回答した入居者1,370名に対して面談形式で「SOIN-R」のフィードバックを実施しました。実施後のアンケートでは、「フィードバックによる気づきがあったか」、「SOIN-Rによる結果や予測は分かりやすかったか」という設問に対して、いずれも「とても思う・やや思う」の回答が半数を超える結果となりました。

回答の中には、「まだ件数も少ないため、評価が難しい」、「主観的なアンケート結果だけでなく客観的な評価必要なのでは」といった、導入直後の新しいシステムに対する不安やデータの取り方に対する懐疑的な意見が見られた一方、「閉じこもりに注意がついたため、1日1回居室から出ようと思った」、「自分が意識していなかったことに気づかされた」、「介護予防に対する意識が高まった」など、「SOIN-R」のフィードバックが入居者の行動変容を起こすきっかけになったというポジティブな感想も数多く見られました。

一方、フィードバックを行った施設職員に対して実施したアンケートでは、「将来的な予測説明がしやすい」、「グラフを見ることでご自身の状態を知ってもらえた」、「定期的に面談を行うことによって入居者との関係づくりや困りごとなどの早期発見につながると感じた」など、「SOIN-R」導入が入居者とのコミュニケーション向上に寄与し、関係構築・信頼構築につながっていた点も指摘されました。

これらの結果を踏まえ、「SOIN-R」の担当者である本部施設支援部サービス推進課課長の吉橋真知子は今後の展望について次のように語っています。

「SOIN-RはAIにより『一歩先のリスク』を見える化し、フィードバックすることで、さらに健康的な生活へと行動して頂けるための支援としたいとの思いから導入したものです。単年度の検証で結論付けることはできませんが、京都〈ゆうゆうの里〉の追跡調査で122名中、要介護になった方が3名だったというのは特筆すべき項目だと感じています。
また、入居者・職員アンケートでは、『職員による面談が良かった』との声が多数寄せられました。AIだけに頼るのではなく、職員の気づきとAIを掛け合わせることで〈ゆうゆうの里〉の強みを生み出し、元気で過ごせる期間を延ばすお手伝いをしていきたいと考えています」

一方で入居者からは、「状態判断をするだけでなく、今後どうして行けば良いのか、具体的な提案が欲しい」など、現時点での一般的な内容からさらに踏み込んだ、個人個人の状態に合わせてパーソナライズされたアドバイスを求める声が聞かれています。そこで開発元の株式会社シーディーアイでは今後「SOIN-R」に生成AIを取り込み、より個別性の高いアドバイスができるよう二次開発を進めていく意向を示しています。

日本老人福祉財団では、中期事業計画で謳う『自立者がより元気に楽しく生活できる仕組みを作る』べく、今後も継続的に「SOIN-R」を活用していくなど介護DXの積極的な活用を通じて、入居者にとって安心安全な施設を実現するとともに、職員にとっても働きやすい、より効率的な施設運営を目指していきます。

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■日本老人福祉財団のなりたち
日本老人福祉財団は、1970 年代初頭の高度経済成長期のなかでいち早く将来の「日本社会の高齢化」を見据えて、特に日本経済の高度成長による労働人口の都市への集中がもたらす「核家族化」現象により、一人暮らしの老人の増加などの高齢期における経済上、生活上、肉体的・精神的健康の問題に立ち向かうべく、1973 年に設立いたしました。

■日本老人福祉財団の基本理念

―豊かな福祉社会の実現を目指して―
私達は、老後の“安心”と“幸せ”を提供することにより社会へ貢献します。
私達は、はたらく人達の“人間性”を大切にします。

『ケア・スピリット』
私にとって、あなたはとても大切な人です。

■組織概要
財団名:一般財団法人 日本老人福祉財団
理事長:小口 明彦
設立:1973(昭和48)年
事業:介護付有料老人ホーム〈ゆうゆうの里〉を全国7箇所で運営
(佐倉、湯河原、伊豆高原、浜松、京都、大阪、神戸)
特徴:創立51年目を迎えた老舗の有料老人ホーム運営事業者
自立の時期に入居し最期まで暮らせる住まい(終の棲家)を提供
1施設あたり平均300戸を超える大型施設のCCRC「高齢者コミュニティ」を展開している
HP:https://jscwo.jp/

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