
欧州最大級の経営コンサルティングファームである株式会社ローランド・ベルガー(港区、代表取締役:大橋 譲、以下、ローランド・ベルガー)は、企業経営における難易度の高まりの要因を捉えるため、「第1回 上場企業CxO・経営企画責任者への意識調査」を実施しました。
本調査では、日本の経営層に、戦略を実行しきることへの課題感があることが明らかとなりました。また、その要因として、M&Aや企業変革を含む様々な現場、およびマネジメントにおける「ヒト」領域をあげた経営層は、9割以上にのぼりました。調査結果の主なポイントは4点です。
1. 経営課題は「ビジョン」「戦略」の策定から「実行」へ
2. 「ヒト」領域を課題とする経営層は9割超に達し、管理職/現場双方の育成に悩み
3. 「ヒトの育成」の遅れが、企業/事業買収後の収益低下に直結
4. 企業変革の遅れの主要因も、施策検討よりも実行を主導する「ヒト」に課題
1. 企経営課題は「ビジョン」「戦略」の策定から「実行」へ
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20895/86/20895-86-a1bd7b744a95db610c7fd55b62f9cd6c-1280x720.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「戦略実行」に課題を感じる経営層は、「目指す姿構築」「戦略策定」の1.2~1.3倍に達しました。グローバル規模での環境変化、地政学リスク多様化を踏まえ、青図描きよりも「実行しきる」ことの難しさが反映されています。
2. 「ヒト」領域を課題とする経営層は9割超に達し、管理職/現場双方の育成に悩み
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20895/86/20895-86-4c7b37b1518051602fde7d8ff755cada-1280x720.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
最大の経営課題は「ヒト領域」にあります。中でも、「量」の削減より、管理職/現場双方の「質」の向上が圧倒的課題(2.5~3.5倍)となっています。
3. 「ヒトの育成」の遅れがM&A後の収益低下に直結
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20895/86/20895-86-7f271beb625fdbe2a5ad808b208a0806-1280x720.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
買収先企業/事業の収益性が買収時の計画以上か否かで分類すると、計画未満のケースほど、「ヒトの育成」に課題意識を持っています。買収先企業/事業の舵取りや施策実行を通じ、結果を出す「ヒト」の存在が業績に直結するものと示唆されます。
4. 企業変革の遅れの主要因も、施策検討よりも実行を主導する「ヒト」に課題
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20895/86/20895-86-0f0db57147a2bd4199cd473f352e424e-1280x720.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
経営層は、企業変革上最大の課題を「変革を主導するヒトの選定」と捉えています。日頃から意識的に修羅場経験をさせ、いつ来るとも分からない変革を主導する「核となるヒト」の育成が求められています。
本調査の結果を受け、ローランド・ベルガーの企業変革チームの責任者でシニア・パートナーの田村誠一は、次のように述べています。
「企業変革能力は、不振事業の立て直しやグローバル事業の立上げなど、修羅場でしか身に付きません。しかし現実は、経営幹部候補社員ほど、外部環境の安定した「(過去の)花形事業」を任されてきた例が多く、「平時の事業運営」には優れていても「有事の変革実行」の場数を踏んでいないことが珍しくありません。正解に通ずる道を論理的に探すヒトではなく、選んだ道を正解にするヒトの探索と育成こそ、現経営者の最大の役割なのです。」
ローランド・ベルガーの企業変革チームを率いるプリンシパルの野本周作は次のように述べています。
「人材育成投資はその効果測定の難しさから検証や改善に繋がりにくく、導入担当の実績や年次評価には寄与するが、実際の成果がわかりづらい分野です。その結果が、今回の調査には経営層の「実行」「ヒト領域」に関する課題感の強さとして表れています。それらの払拭に向けては、定期的に全施策をフラットに総点検し、必要に応じて施策を再構築することが必要で、それに向き合えるかが、変革実行力獲得の分岐点になるのです。」
【調査概要】
・調査時期:2025年1月
・調査機関:ローランド・ベルガー
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国、男女、20~70代、上場企業に属するCxO・経営企画責任者(CEO等の経営者/役員、または経営企画部長クラス)
・有効回答数:200名
企業変革は、企業や組織が将来に対応できるよう導くことを目的とするものですが、変革を統括することに加え、組織、人材、およびステークホルダーとのコミュニケーションといった、企業変革に密接に関連する現場における豊富な専門性が求められます。ローランド・ベルガーは、引き続き、あらゆる経営手法を活用しながら、継続的な企業価値の向上に繋がるよう日本の企業をご支援してまいります。
【コンサルティングに関するお問い合わせ先】
ローランド・ベルガーの企業変革チームは、事業構造や財務構造の再構築、抜本的な収益改善、企業再生・変革を手掛ける業界横断型専門チームとして、クライアント企業の変革に向けた各種ご支援を行っています。
弊社ウェブサイト、または、お電話(03-4564-6660)にて、下記コンサルタント宛にご連絡ください。
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田村 誠一(シニアパートナー)●経営層に伴走する企業変革支援に精通する。
●官民ファンドで投融資責任を負い、投融資先企業の再生と変革を主導。
●経営実務を経験(元JVCケンウッド代表取締役副社長、元ニデック専務執行役員)。JVCケンウッドではCSO/CFOとして中長期戦略策定と実行、事業COOとして事業再構築と実行を主導。ニデックでは買収事業(欧米中)の成長を現地経営陣とともに主導。
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野本 周作(プリンシパル)●六次産業の先駆けである上場外食企業(エー・ピーホールディングス)でコロナ禍を含む5年超CEO/COOを歴任。
●事業再生・企業変革を主導PEファンド投資先企業での投資直後の経営企画・マーケティング責任者の経験や、コンサルタントとしての実行支援経験を豊富に有す。
ローランド・ベルガーについて
ローランド・ベルガーは、1967 年に設立されたドイツのミュンヘンに本社を置く世界有数の経営戦略コンサルティングファームです。世界50以上の主要都市にてビジネスを展開し、Entrepreneurship(起業家精神)、 Excellence(卓越性)、Empathy(共感)という価値観を原動力とし、現在および未来の重大な課題に対応するための最高水準の知見及びサービスを提供しています。