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富士養鱒漁業協同組合、Far UVC技術を導入しニジマスの魚病感染リスク低減へ ~富士山の恵みである湧水の安全性をさらに向上、組合員の事業拡大を支援~

update:
   
株式会社BEAM Technologies
日本の陸上養殖にFar UVC技術が導入されます。



次世代半導体材料AlGaNによる半導体光源の開発・製造・販売を手がける株式会社BEAM Technologies(東京都、代表取締役:飯村一樹・糸数雄吏)は、ニジマス養殖を手掛ける富士養鱒漁業協同組合(静岡県、代表理事組合長:平林馨)と連携して、Far UVC(深紫外線)技術を用いた陸上養殖における新たな魚病対策技術の普及・拡大に着手したことをお知らせします。

■今回の取り組み
 富士養鱒漁協は「鮭鱒養殖を通じて地域や食文化に貢献する」という理念のもと、富士山の豊かな湧水を利用したニジマスの養殖に取り組んでおります。富士宮市は、その清らかな水質を背景にニジマスの生産量が市町村単位で日本一を誇ります。
 この度、富士養鱒漁協は、組合員の生産するニジマスの魚病感染リスクを最小化し、より安全で高品質なニジマスを消費者の皆様へお届けするため、新たにFar UVC(深紫外線)技術を導入します。
 豊かな富士山の湧水といえども、近年、様々な外部要因による魚病感染症のリスクが懸念されています。Far UVC技術の導入により、養殖環境における病原体の不活化を図り、魚病感染リスクを未然に防ぐことで、各組合員の歩留まり改善と収益向上を目指します。
 本技術導入により、富士養鱒漁協は、組合員の事業拡大を支援するとともに、地域ブランドである「富士宮のニジマス」や漁協プレミアムブランド「富士山の湧水が育てた大々鱒 紅富士」の更なる信頼性向上に貢献してまいります。

■Far UVC技術とは
 BEAM Technologiesが開発しているFar UVCは波長200~230nmの深紫外光であり、新型コロナウイルス感染症の流行を契機に世界的に注目され始めた新しい光です。薬剤等での対処が難しいウイルスや細菌などの微細な病原微生物を効率的に殺菌する一方で、人体などの大きな生体に対しては高い安全性を有するのが特長です。米国では医療施設やオフィス内の空気質改善に活用されています。
 太陽光に含まれる自然光である深紫外線による殺菌・不活性化は、薬剤の残留や薬剤耐性菌の出現リスクがないため、人や環境に負荷の少ない新たな魚病対策技術として注目されています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147216/3/147216-3-630223cdac47bdb32eceb1b1d0faca93-720x405.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
                        Far UVC技術とは

■これまでの実証結果について
 当社は、2024年より東京海洋大学と共同研究を開始し、タイ王国農業協同組合省水産局(Department of Fisheries:DOF)とバナメイエビ養殖におけるFar UVC技術を用いた魚病感染症の実証・評価を行ってきました。タイでは2013年にAHPND(急性肝膵臓壊死症)が発生し、約2,000億円(15億ドル相当)もの甚大な魚病被害が生じています。AHPNDはビブリオ属菌由来の重大な魚病感染症であり、現在でも世界各地で発生しています。
 この度、当社はバナメイエビが生息する環境下において、AHPNDの原因となるビブリオ属菌の殺菌・無害化に成功しました。本実証試験で養殖分野における高い評価を得たことから、本年は日本とタイを中心とした東南アジアでの製品販売を開始することになりました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/147216/3/147216-3-91359ccb98bd8d99ac8b88b4da953aac-720x405.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
                 Far UVC照射区画と照射していない区画の違い

■陸上養殖が求められる社会要請
 世界人口の増加に伴い、人類はタンパク質危機という課題に直面しています。現在の約78億人の世界人口は、2050年には100億人に達すると予測されており、2005年当時の約2倍のタンパク質供給量が必要になると推定されています。しかしながら、動物性タンパク質の主要な供給源である畜産業は大量の穀物供給に依存しており、現在の農業・畜産業のあり方は地球環境に大きな負荷を与えています。
 この社会的課題を克服する手段の一つとして、陸上養殖が注目されています。しかし、気候変動に伴い、魚病感染症の増加が懸念されています。一方で、食の安全・安心の観点から、水産用医薬品の使用を抑制する必要があるとともに、新たな水質改善技術が求められています。
 そこで、コロナパンデミック以降、注目されているFar UVC技術を陸上養殖産業に応用し、水産用医薬品に頼らない新たな魚病対策技術を確立することをめざしていきます。

■平林馨代表理事組合長のコメント
 陸上養殖ですでに紫外線は一般的に使われていますが、Far UVはこれまでの紫外線とは異なる技術だったため、その有用性と養殖現場での活用に注目しています。何より、ニジマスや魚卵がいる水槽に直接殺菌できるのは驚きました。これで抗菌剤やワクチンなどの薬品が不要になれば環境汚染リスクや投薬・魚病防除コストが大幅に減ります。太陽光に類似した効果で養殖現場がクリーンになり、斃死率が改善するのは、地球環境にも事業者にとっても良いことだと思います。今後も、BEAM Technologies様とともに本技術のニジマス養殖や陸上養殖への普及・拡大に努めていきます。

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■富士養鱒漁業協同組合
代表理事組合長:平林馨
所在地:静岡県富士宮市淀師413-5
事業内容:ニジマス等の養殖・販売、加工品の製造・販売、養殖資材の共同購入等
設立:昭和25年

■株式会社BEAM Technologies
代表取締役:飯村一樹・糸数雄吏
所在地:東京都千代田区二番町9番地3
設立:2022年3月
事業内容:半導体光源の設計・開発
当社HP: https://beam-tec.jp/

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