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【武蔵野美術大学 美術館・図書館】展覧会「伊藤誠──夢を見るための機械」の開催について

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武蔵野美術大学
Makoto Ito: Sculptures



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83551/180/83551-180-5a993334c7f57a960331202d01147fcf-838x1142.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図版1. 伊藤誠《Boat: S-13》 2013年 ミクストメディア、30×30×70cm、作家蔵

このたび武蔵野美術大学 美術館・図書館では「伊藤誠──夢を見るための機械」を開催いたします。
身の回りにあるさまざまな素材を取り入れながら、軽やかで意外性のある形態により独自の表現を探求し続ける彫刻家・伊藤誠(1955-)。伊藤が一貫して取り組んできたのは、鑑賞者の視線やものを見る意識と関わることによって作用し、新たな意味を喚起するかたち──伊藤自身の言葉によれば、「夢を見るための機械」としての彫刻です。
本展では、初期作から最新作まで作品約60点を展観し、伊藤の半世紀近くにおよぶ実践を包括的にご紹介します。多彩な作品群を通して、その思索と制作の軌跡を辿る機会となれば幸いです。
概要
会期:2025年9月8日(月)-10月26日(日)
時間:11:00-19:00(土・日曜日、祝日、10月24日(金)は10:00-17:00)
休館日:水曜日
入館料:無料
会場:武蔵野美術大学美術館 美術館 展示室2・4・5、アトリウム1
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
協力:武蔵野美術大学 彫刻学科研究室
詳細:https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/22463/
見どころ

未知のかたち

捉え難いと評されることも多い伊藤の作品。その理由のひとつとして、作品をある側面から見て頭の中で組み立てた像と、別の側面から捉え直した像が全く異なるという鑑賞体験が頻繁に起こるということが挙げられます。シンプルで抽象的なそのかたちは、一見するとどこか馴染みのある既知の対象を想起させますが、そのいずれとも異なることにやがて鑑賞者は気付きます。
また、形体の問題だけでなく、光を透過するFRP(強化繊維プラスチック)や、作品の内外を半透明の境界で繋ぐステンレスメッシュ、周囲の空間をそのまま映し出す鏡など、使用されている素材も、そのかたちに匿名性を与える一因となっているかもしれません。錯視的とも言える捉え難さが、わたしたちのものを見る意識を、その未知のかたちの中へと迷い込ませます。
「破天荒な物語に連れて行ってくれる船には肉がある。」とは、《船の肉》と題された自身の作品(2003年、本展未出品)に伊藤が寄せたコメントです。見るもののイマジネーションに働きかけ、思いもよらぬ知らない場所へと連れて行ってくれる船の「肉」とは、はたしてどのようなかたちをしているのでしょうか。

約40年にわたる活動を総覧する展覧会

1980年代初頭に活動を開始した伊藤は、素材そのものの在り方や物質性を主題化した当時の芸術動向を批判的に受け止め、彫刻がもたらす経験と認識について問い続けてきました。本展では作家蔵の作品を中心に、展覧会に出品される機会の少なかった初期の大型作品から最新作まで、さまざまな素材・サイズの作品約60点を、作家自身による構成で展観します。近年は鑑賞者が自らの身体に装着する作品シリーズの発表や執筆活動など、形式や媒体を拡張しながら制作を展開する伊藤ですが、そうした取り組みにも通底する独自の意識を感じていただける機会になれば幸いです。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83551/180/83551-180-b27046a12b8c58931d75f2fcd6490048-827x551.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図版2. 「「瀬戸内国際芸術祭2025」春会期 ≪瀬居島プロジェクト「SAY YES」≫ 空気穴」会場風景(2025年、香川)撮影:Shintaro Miyawaki
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83551/180/83551-180-ae0e115f9f6ea038a60a3bddb4afae9a-2000x1333.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図版3. 「都美セレクション グループ展 2019「ヘテロトピア」」会場風景(2019年、東京都美術館、東京)
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図版4. 伊藤誠《Tap》1995年 耐候性鋼、500×500×450cm、港区高浜運河沿緑地(東京) 撮影:安齊重男

作家コメント
「彫刻」は果たして必要だろうか。それは誰にとっても必要で役に立つものではなく、対峙した個々にしか結びつかないような機能のある道具と言えるかもしれない。しかもそれは個々で所有するのではなく多くの人間が所有することで成り立つという矛盾の結晶だ。本展ではそれに対して仮に「夢を見るための機械」と名付けてみた。また展示構成は制作の時系列を敢えて無視して、時空を超えた視点を共有できるかに主眼を置いた展示とした。(伊藤 誠)
出品作品紹介
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図版5. 伊藤誠《品-SHNA I》1999年、シルクスクリーン・紙、42.5×36.5×5.5cm(展開時)、作家蔵、制作:版画工房エディション・ワークス
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83551/180/83551-180-4336dfe972550b0f78335af0de4f54bb-643x963.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図版6. 伊藤誠《mute》2004年、ステンレスメッシュ・トタン・鉛、230×10×50cm、作家蔵
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図版7. 伊藤誠《境界の接点 (肘に垂直)》2022年、鉛・鉄、52×44×28.5cm、作家蔵、撮影:加藤健

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図版8. 伊藤誠《無題》1988/2022年、ポリエステル樹脂・ファイバーグラス・紙(芯材)、90×240×120cm、村松画廊コレクション蔵、撮影:加藤健
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図版9. 伊藤誠《dinosaur》(部分)2017年、ミクストメディア、108×60×3cm、作家蔵

[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83551/180/83551-180-4c191d9004bad9524a6f4a7bbef0be06-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図版10. 伊藤誠《Nira》2018年、木・ポリエステル、20×30×70cm、作家蔵
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83551/180/83551-180-b09304d35aa1cdb13632a35c94d2bdfe-2158x1438.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図版11. 伊藤誠《両耳の位置》2023年、亜鉛鉄板・木・常温亜鉛メッキ塗料、80×90×22cm、作家蔵、撮影:星野健太

作家略歴
伊藤 誠(いとう・まこと)
彫刻家。1955年愛知県生まれ。1983年武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了(修士)。1993年ACC奨学金により渡米。1996-97年文化庁在外研修員としてアイルランドに滞在。1999年武蔵野美術大学着任。2005年タカシマヤ美術賞受賞。1980年代初頭より活動を開始し以来多数の個展を開催。主なグループ展に、1992年「現代美術への視点 形象のはざまに」(東京国立近代美術館、国立国際美術館)、1995年「やわらかく 重く 現代美術の場と空間」(埼玉県立近代美術館)、「視ることのアレゴリー 1995 絵画・彫刻の現在」(セゾン美術館)、2000年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000」(新潟県)、2022-23年「DOMANI・明日2022-23 百年まえから、百年あとへ」(国立新美術館)、2025年「瀬戸内国際芸術祭2025」(香川県)など。著書に『かたちのつくりかた』(武蔵野美術大学出版局、2025年)など。主な作品収蔵先に愛知県美術館、宇都宮美術館、千葉市美術館、東京国立近代美術館など。
関連イベント

対談1.

日時:2025年9月27日(土) 15:30-17:00
会場:美術館ホール
出演:藤井匡(東京造形大学 教授)、伊藤誠

対談2.

日時:2025年10月13日(月・祝) 16:40-18:00
会場:美術館ホール
出演:赤塚祐二(武蔵野美術大学 造形学部油絵学科教授)、伊藤誠
同時開催
「別の山に登る──赤塚祐二」

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