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昭和100年、そして終戦80年。「特攻」の実像を問う『神風特攻隊のサイエンス』を刊行!

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一般社団法人 ヒューマンサイエンスABOセンター
焼却された日本軍の極秘文書は、米軍の暗号解読記録の中にそのまま残されていた。封印された情報から浮かび上がる“もう一つの昭和20年”。



当センター研究員の金澤正由樹は、昭和100年、そして終戦80年となる2025年8月15日に、新刊『神風特攻隊のサイエンス──データが語る過小評価と続「空気の研究」の研究』を刊行します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76346/10/76346-10-280d504cf87a7bfe16e56b7e17d18a3d-571x842.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
神風特攻隊のサイエンス

本書は、大東亜戦争末期に実施された「特攻」について、従来の精神論・英雄譚的評価にとどまらず、米軍資料や戦果データをデータサイエンス的手法で読み解き、同盟国ドイツと比較するとともに、最新版のChatGPTを使用して再検証を行った初の試みです。
- 命を賭けた作戦に、本当に意味はあったのか?
- アメリカ側は特攻をどう見ていたのか?
- 「空気」による作戦実施だったのか、それとも合理的判断があったのか?

こうした問いに、科学的・軍事的・社会心理学的アプローチで迫る本書は、歴史研究と戦争認識の“現在地”を示す知的ドキュメントであり、また「特攻」の実像を世代を超えて共有する一助となることを目指しています。

書籍概要

書名:神風特攻隊のサイエンス──データが語る過小評価と続「空気の研究」の研究
著者:金澤正由樹
発行日:2025年8月15日
体裁:四六判・並製・278頁
定価:1,500円(税別)
ISBN:978-4-86782-170-1
発行元:株式会社 鳥影社
先行販売:鳥影社 / Amazon
【著者からのメッセージ】

スポーツと戦争記憶──一人の発言が火をつけた「特攻」再考の契機

本書執筆の契機となったのは、2024年夏、パリ五輪で活躍した卓球女子日本代表・早田ひな選手の発言でした。

帰国直後の記者会見(2024年8月13日)において、彼女はこう語っています。
アンパンマンミュージアムと鹿児島の[知覧]特攻平和会館に行って、自分が生きているのと、卓球ができているのが当たり前じゃないことを感じたい。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76346/10/76346-10-a083df9d75588fa6b86fccccb0d7ff63-1000x749.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鹿児島県南九州市にある知覧特攻平和会館

若いアスリートのまっすぐな想いに対して、世論は驚くほどの反応を示しました。

「歴史を学ぶ姿勢は素晴らしい」「平和の尊さを伝えるきっかけになる」と称賛の声が上がる一方で、「特攻を美化するのか」「国際的には軍国主義と捉えられかねない」といった批判も多く寄せられ、議論は国内外へと広がりました。

なぜ“平和のための施設”が、ここまでの議論を呼ぶのか。
その問いが、本書の出発点となりました。

本書が、こうした若い世代の素朴な感受性に、ひとつの答えを示すものとなれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。

日本側では「消えた」とされた戦時資料、米軍が解読した暗号から浮かび上った「特攻」の実像

終戦により、日本軍の極秘資料はほとんど焼却・廃棄された――と国内では長く信じられていました。
しかし実際には、その多くがアメリカ軍による暗号解読記録の中にそのまま残されていたのです。

徐々にそれらの公開が始まったのは1970年代から。つまり、戦後日本の戦争研究・文学・評論の多く(たとえば名著とされる『失敗の本質』や『「空気」の研究』)は、肝心な情報があまり公開されていないときに書かれたことになります。

この“情報の非対称”は今も尾を引いており、近年ではWikipedia英語版やアメリカの研究書の方が、一部の日本語文献より事実に忠実であるといった逆説的な現象も生じています。

本書では、そうした一次情報とChatGPTを活用して、特攻について多面的かつ詳細な分析を行い、
- 直接的な戦果を遙かに上回る米軍に対する強力な抑止効果
- 戦争終結に与えた決定的な影響
- 米軍での意外な高評価
- 同盟国ドイツとは対照的に、終戦の日も国鉄は定時運行

といった、日本国内ではあまり語られない史実を明らかにします。

【主な参考文献】
・Wikipedia英語版 Japanese Special Attack Units / Operation Downfall
D. M. Giangreco (2009) Hell to Pay: Operation Downfall and the Invasion of Japan, 1945-1947
Richard B. Frank (2015) アジア・太平洋戦争の終結―新たな局面― (防衛省防衛研究所)

仮想戦記 昭和20年「本土決戦」日本勝利のシナリオ

沖縄戦が終了したのは1945(昭和20)年6月。米軍は、その後に日本本土上陸作戦(ダウンフォール作戦)として、11月に九州上陸作戦(オリンピック作戦)、翌年3月には関東平野上陸作戦(コロネット作戦)を予定していました。

本書では、これらのシナリオに基づき、公開情報に基づく簡易シミュレーションを試みました。

米軍が解読した暗号情報によれば、Wikipedia英語版(下図)にあるように、最初の上陸予定地である九州には、1945年7月時点で50万人を超える日本軍が集結。さらに「根こそぎ動員」による民間人兵士、1万機規模の特攻機も用意されていたと推定されています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76346/10/76346-10-0caac990d5601455313eb6a56eaebb77-549x633.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ダウンフォール作戦(Wikipedia英語版より)

一方、米軍の上陸部隊も同規模ながら、「攻撃側は防御側の3倍の兵力が必要」という「勝利の方程式」を踏まえると、日本が勝利する可能性も否定できないことが読み取れます。

もちろん、それは歴史のifにすぎません。ですが、「もし戦争が続いていたら」を正確に描くことは、逆説的に「なぜ戦争が終わったのか」を理解する鍵でもあるのです。

「空気」と「象徴天皇」の機序に切り込む――戦後思想の補助線として

山本七平氏の名著『「空気」の研究』は、組織や社会の意思決定に「空気」がどれほど影響を及ぼすかを明らかにしました。しかし本書では、さらに踏み込んで根源的な問いを投げかけます。
- 「空気」はどこから来たのか
- なぜ今も「空気」が人を動かすのか
- 「空気」はどのように形成されるのか

加えて、「象徴天皇」の起源についても、縄文・弥生に遡る文化人類学的な視点を導入。
「日本人は憲法のためには死ねないが、“心に抱く内なる天皇”のためになら命を賭ける」
――そんな無意識の心理構造が、なぜ「特攻」という行動に結びついたのかを読み解きます。

なお、『「空気」の研究』については拙著『「空気の研究」の研究』、「象徴天皇」の起源については『古代史サイエンス2』でも解説しています。
【参考1】『「空気の研究」の研究』
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76346/10/76346-10-5d9d7c19f9eace9ecd2b7cd66f628756-374x556.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



発行日:2024年7月26日
体裁:四六判・並製・258頁
定価:1,500円(税別)
ISBN:978-4-86782-086-5
発行元:株式会社 鳥影社
販売:鳥影社 / Amazon ほか



【参考2】『古代史サイエンス2』
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/76346/10/76346-10-77df6cfd7921de6dc65ae9dfffb92722-374x545.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


発行日:2024年9月12日
体裁:四六判・並製・306頁
定価:1,500円(税別)
ISBN:978-4-86782-099-5
発行元:株式会社 鳥影社
販売:鳥影社 / Amazon ほか



歴史を“語り直す”ことは、未来を選び取る行為である

「特攻」は、戦後長らく語りづらいテーマであり続けてきました。
しかし、あらためてデータと一次資料に基づいて評価し直すことは、過去を肯定することでも、否定することでもありません。

それはむしろ、戦後80年を迎えた今、「どう語るべきか」を世代を超えて共有するための出発点です。

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