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限られた日程や開催場所であるにもかかわらず、長距離コアファンを掴んで離さないホクレン・ディスタンスチャレンジ。今年は大会テーマでもある「ここ(北海道)にいるすべての人のチャレンジだ」の元、新たなチャレンジとして強化スタッフ・自治体職員さん以外の「支えるひと」へもインタビューを実施いたします。大会を通してホクレンファミリーであるという一体感を生み出すことや、今後大会を創るうえでも「支えるひと」の存在を知ってもらう機会に繋げます。
最終回は北海道陸上競技協会で審判委員長を務める玉井康夫さんです。
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1966年 深川市生まれ
中学校時代は野球部に所属。中体連の陸上や駅伝大会に駆り出されて出場していた。初めてスパイクを履き、ユニフォーム着用で走った競技場が士別市陸上競技場。
高校は地元深川西高校に進学。陸上競技部に入部して本格的に練習を開始。(著名な先輩は作家の黒木亮*(本名:金山雅之)さんとのこと)
高校時代は長距離種目を専門とし、5000mをメインに。インターハイや京都・都大路を目指して練習に励むものの、夢は実現せず。
大学は北星学園大学文学部英文学科。陸上競技部に入部。
卒業後は教員となり、陸上競技部の第3顧問として指導者人生をスタート。多くの選手に、自分では実現できなかったインターハイの舞台に監督として連れて行ってもらいました。
勤務校歴:釧路西高校 ⇒ 池田高校 ⇒ 士別高校 ⇒ 士別翔雲高校 ⇒ 深川西高校
現在務めている役職は下記の通り。
・北海道深川西高等学校 陸上競技部顧問
・一般財団法人北海道陸上競技協会 審判委員長
・空知陸上競技協会 審判委員長
・北海道高等学校体育連盟 陸上競技専門委員
・ホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会運営委員会 副会長
(JAAF公認審判員 S級 / World Athletics Referee Bronze)
*深川西高校を卒業後、早稲田大学で中村監督に師事し瀬古さんと箱根駅伝で襷をつないだ方
【玉井さんとホクレン・ディスタンスチャレンジの関わり方は?】
――玉井先生が、深川大会と士別大会の2大会の現場で指揮を取っていることに驚きました…!(インタビュアーは昨年初めてホクレンDCに参加。)大会に初めて関わったのはどのくらい前なのか、またレース中はどういったことに取り組まれているのか、深川大会と士別大会で役割は異なるのか…などお聞かせいただけますでしょうか?玉井:10年前から深川大会に携わるようになりました。大会では「総務」を担当しています。大会までは競技役員の配置、競技運営マニュアルの作成、写真判定用のカメラや照明テストなどの大会準備を行います。大会当日は競技役員の打合せ進行や、競技会がスムーズに運営されるように、全体を見て動くようにしています。また、地方陸協と自治体や日本陸連との調整にもあたります。地元ではホクレンDC深川大会運営委員も務めています。
士別大会では、今年は周回記録員を務めました。選手が正規の距離を走りきれるように、全選手の周回数をカウントしたり、選手達に残りの周回を周回板やラストの鐘でお知らせします。
昨年までは長らく出発係を務め、スタートラインへの選手の整列、ビブスや腰ナンバー標識の確認、スターターと連携して定刻でのスタートに努めていました。
【10年という月日で変化した心境とは?】
――初めて関わったのが10年前…!ホクレンDCに携わるようになったきっかけが気になります。また、現在と当時を比較してみて、心境の変化があればお伺いしたいです。玉井:私は第1回から毎年審判員としてホクレンDCに参加しています。当時は士別に在住していました。日本の長距離トップ選手(当時はランキング100位以内が条件ではなかったかと思います)の集うレースが、道内5ヶ所を転戦して行われ、その一つが士別で行われることに驚きと大きな喜びを感じました。5ヶ所のうち、深川は生まれ故郷、釧路は教員初任の頃に在住していた所、札幌は大学時代を過ごした場所で、かなりゆかりの場所で行われることで、身近にも感じました。
士別陸協所属の審判員であった私にとって、このホクレンDC大会には必然的に関わることになりましたし、関わりたいという強い気持ちがありました。
当初は、いちファンとしてトップレベルの選手の走りを間近で見られることへの嬉しさや、そこで繰り広げられるレース展開の面白さを感じ、毎回ワクワクしていました。最近は立場もありますが、大会が大きなトラブルなく進行すること、来道してくれた選手がパーソナルベストなどのお土産を持って帰れること、観客の皆さんに陸上競技や長距離種目の魅力を知ってもらえることに気持ちが向いています。
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(ホクレンDC2024・深川大会の様子。スタートリストもしっかりと確認。)
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(ホクレンDC2024・深川大会では三浦龍司(SUBARU)も出場し、地元の観客たちを大いに喜ばせた。)
【玉井さんだからこそ伝えられるホクレンDCのエピソードとは?】
――ホクレンDCは今年で24回目の大会を開催することができました。第1回から現在までで、忘れられない思い出があればお聞きしたいです。玉井:コロナ禍で全国の競技会が全て中止されている中、ゾーン分けやアクリル板、リモートによるテクニカルミーティングなど、万全なコロナ対策を取りながら、このホクレンDCが開催されたこと、そしてそれを皮切りにその後の様々な競技会開催が続いたことは本当に忘れられません。間違いなくホクレンDCがコロナ禍での競技会開催のモデルケースになり、地方陸協での競技会も対策をとりながらの開催に徐々に向かっていきました。ファーストペンギン的な大会でした。
ホクレンDCの20周年記念大会が、シリーズ戦とは別に、深川で開催されたことも印象に残っています。尾懸 前日本陸連会長をはじめ、ホクレンや各メーカー、自治体代表者の皆さんがこの大会に集結したのも忘れられません。この方々の協力があってこその大会と感じました。
15年ほど前の士別大会で、5000mだと思います。レース途中に大きな雷の音がし、照明や音声が全てダウンしたことがありました。写真判定が動いていないのではないか、人的被害はないのか、かなり焦りましたが、レースはストップすることなく継続され、電源も補助電源などで対応し、記録も公認されホッとしたことも忘れられない思い出です。
また、田中希実選手が深川大会3000mで日本新記録を樹立し、牛1頭の副賞を受賞した際の微妙な表情も忘れられません。
大迫選手が士別大会で、5000mレース2本に出場。上位で走りきり、さらに大会終了後もダウンとは思えないスピード感で練習をしている様子を見たこともありました。
【ホクレンDCから世界へ!】
――たくさんのエピソードありがとうございます!どれも玉井先生が長年ホクレンDCに携わっているからこそ飛び出てくるようなものばかりで、お話を聞いているうちに思わず頬が緩んだ瞬間もありました。少し話は逸れますが、9月の東京世界陸上でも、NAR(=世界陸連が認定する公認審判員のこと)として大会をサポートしてくださるそうですね。その視察として、5月のセイコーゴールデングランプリ(以下、GGP)では、国立競技場にいらっしゃっていたとのことをお伺いしました。こういった大きな大会へサポートいただくようになった背景も、ぜひお伺いしたいです。また、GGPでの視察の感想や、東京世陸に向けた意気込みも併せてお聞かせいただけますでしょうか?
玉井:2018年だったかと思いますが、東京五輪のマラソンに向けて、全国47都道府県から審判員が招集されることになり、長距離が専門であったこと、道内の各種大会で審判業務に従事していたこともあり、その様子を見ていた道陸協役員の方から声がかかり、NTO(今のNAR)を受験することになりました。当初は「実績もない自分なんかが…」という思いや大きな大会での審判に不安もありましたが、大都市でもなく、中央でもなく、北海道の片田舎からでもオリンピックに関わる人が出れば、地方に住む人々の希望や勇気になるかもしれないと考え、受験することにしました。何とかNTOに合格し、東京五輪では札幌で行われたマラソン競技で審判を務めました。その年だったかと思いますが、ホクレンDC深川大会の夕食歓迎会の際に、レースマネージャーの木路さんがそのことを知って、ホクレンDC審判から東京五輪の審判になる人が出てきて、特別な思いがあるというようなことをコメントしていただき、すごく感動したのを覚えています。
昨年度は世界陸連の審判として、ブロンズ資格を受験することになりました。現在、北海道陸協の審判委員長を務めているので、受験資格のある方にお願いした手前、自分だけ避けることはできないと思い受験しました。今回の世界陸上は国際大会のため、基本的にはブロンズ以上の資格が必要だったかと思います。今回の世界陸上への審判としての参加は、地方に住む人への思いとともに、若い審判員の皆さんにとって道しるべの1つになればとの思いがあります。
GGPの視察、日本選手権での運営トレーニングとして国立競技場を訪れ、陸上競技がこんなに人気なんだと実感しました。小さな子どももたくさん来ていたし、老若男女本当に多くの方々が陸上競技をスポーツ文化として、エンターテイメントとして見に来てくれていることに感動しました。世界陸上では、さらに多くの観客が国立競技場に押し寄せ、あのスタジアムが埋まってしまうかと想像するだけで身体が震えます。その中で、世界一を決めるパフォーマンスを繰り広げる選手達の公平・公正な競技会運営に携われることは、やはり大きな喜びであり、大きな財産になるものと確信しています。
言葉も文化も異なる世界各地のトップアスリートたちを、最高のパフォーマンスが発揮できる気持ちと雰囲気を保てるように、最高のパフォーマンスを通じて、様々な壁を乗り越えた交流が深まるように、スタートラインや試技会場へ誘導したいと思います。
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(ホクレンDC2024・深川大会の様子。深川市陸上競技場では選手を世界へ後押しする看板も掲げられている。)
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(6月11日に開催された深川大会の様子。当日は落雷予報も発令されていたが、雷はどこへやら、レースを一度も止めることなく開催することができた。)
――玉井先生が規模の大きい大会でも審判をする背景には、ホクレンDCの存在が少なからずあることが垣間見えた瞬間でした。ホクレンDCが世界大会の審判を輩出するのだと考えると、また異なった印象が浮かび上がってきますね。またまた話が変わりますが、ホクレンDCは開催地が北海道であるだけに、選手を応援した後は思いっきり(?)観光を楽しむことができるのも特徴だと考えています。来年本大会へ観戦を予定しているファンの方に向けて、深川市・士別市近郊でのおすすめスポットを教えていただきたいです!
玉井:地元のことは、意外とわかっていないかもしれません(笑)。
深川市は深川市を見渡せる「戸外炉峠」(ねこバスがあります)、「沖里河山頂」からの眺めが素敵です。ゆったり流れる石狩川と田園風景の深川の町並みのコントランストが、心を穏やかにしてくれます。ただし、熊の出没にご注意です。
地元の農産物、特産品、加工品などを購入できる「道の駅ライスランドふかがわ」も多くのお客さんで賑わいます。イルムの丘という所には、日本発のギリシャヨーグルト専門店『F』があります。
士別市は「羊と雲の丘展望台」です。羊の放牧が見られます。ジンギスカンも食べられます。「かわにしの丘」や「満天の星の丘」も人気です。
【今後チャレンジしてみたいこと】
――最後に、今大会は「ここにいるすべての人のチャレンジだ」をテーマに掲げています。玉井先生が今後の陸上生活で「チャレンジしてみたいこと」があれば、教えてください!玉井:具体的なプランはありませんが、ホクレンDCにGGPや日本選手権のように、多くの陸上競技ファンや観客が訪れて、まるでお祭りのような賑わい、スポーツイベント、フポーツフェスのような賑わいになるような大会にできないかと、思い始めています。
また、選手や監督の皆さんたちも走るために来て、走り終わったら帰るにとどまらず、ファンや観客との交流、地元のジュニア選手との交流などができるようにできればと思います。
【ホクレンDC2025 特設サイト】
https://www.jaaf.or.jp/distance/[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25141/726/25141-726-45dceae70bbc0916a85e0374f1c1c649-765x1075.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
【大会概要】
主催:日本陸上競技連盟
共催:日本実業団陸上競技連合、深川市、士別市、千歳市、北見市、網走市
後援:北海道新聞社、北海道文化放送、読売新聞社
主管:空知陸上競技協会、道北陸上競技協会、道央陸上競技協会、オホーツク陸上競技協会
協賛:ホクレン農業協同組合連合会
特別協賛:プーマジャパン株式会社、NTT西日本株式会社、雪印メグミルク株式会社
協力:韓国実業陸上連盟
運営協力:ディスタンスチャレンジ実行委員会
【ホクレンDC2025大会情報】
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1948/