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買い物カゴの返却が投票に。消費者とスーパーをつなぐ、新たなナッジ型コミュニケーション「買い物カゴ投票」をWWFジャパンが考案、滋賀県立大学と共同研究
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)は、2024年10月1日(火)より、持続可能な消費行動の促進を目的に、新たなナッジ型コミュニケーション*1として、スーパーマーケット(以下スーパー)などの小売店での導入を想定した「買い物カゴ投票」を考案、その有効性を検証する共同研究を、公立大学法人滋賀県立大学(滋賀県彦根市、理事長:井手慎司)と行ないます。
■「買い物カゴ投票」発案の背景持続可能な生活に関する世界的な消費者インサイト調査*2によると、「自分にも周囲にも環境にもよい生き方を妨げているものは何か」という設問への日本の調査対象者の回答は、「高価である(50%)」、「何をしたらよいかわからない(38%)」、「不便である(32%)」、「私の行動では何も変わらない(28%)」が並び、こうしたことが、日本の消費者の持続可能なライフスタイルの障壁の一つの要因であることがわかりました。
そこでWWFジャパンは、生活導線上で情報と行動の具体的な選択肢が提供される仕組みとして、消費者の意思を反映したかたちでスーパーなどの売り場が変わることで、集団的な効果にもつなげる、消費者参加型の「買い物カゴ投票」を発案しました。
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■「買い物カゴ投票」の概要
「買い物カゴ投票」は、スーパーからの二者択一の設問に対して、消費者が買い物かごを返却する際に、「YES」か「NO」のかご置き場にかごを返却することで回答が行なえる仕組みです。買い物かごを返却するだけで投票ができる仕掛けは、スーパーからの問いに、消費者が簡単に意思表示でき、その声を受けてスーパーが取り組みを進めることができる新たなコミュニケーションの形です。
消費者にとっては、自身の投票によって店舗が変わった様子を目の当たりにすることで、参画意識や自己効力感を高める一助となり、これまでにない新しい社会参画の方法になります。また、投票行動によってその後の変化を肯定的に受け入れやすくなる効果が見込まれます。
スーパー側は「節電のために、冷凍・冷蔵のショーケースに扉をつけてもいいですか?」や「量り売りやリフィルステーションを設置したら使いますか?」など、推進したい取り組みが消費者に受け入れられるか判断することができます。また、自社のサステナビリティに関する取り組みを「問い」にすることで、消費者に取り組み内容を知ってもらう機会にもなります。
買い物の選択肢や売り場の環境そのものが変わることを通して、スーパーなどの小売店と消費者が相互理解を深める機会となることが期待できます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18383/243/18383-243-7a05a5866d21939a6abfbf96eec1035f-2809x1737.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18383/243/18383-243-97dbe04f57be706e46e89a811d8a5360-2809x1737.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
*1 ナッジ型コミュニケーション:ナッジ(nudge)とは、「軽くつつく、行動をそっと後押しする」という意味の英語で、行動科学の知見の活用により、人々がより良い選択を自発的に取れるように手助けする手法のこと。買い物カゴを返却する行為を投票行動に変えることで、より良い売り場をスーパーと消費者が一緒につくる仕掛けです。
*2 Healthy & Sustainable Living Report 2023:調査会社Globe Scanが毎年実施する世界的な消費者インサイト調査プログラム。31か国約30,000人の消費者を対象としたオンライン調査で、健康的で持続可能な暮らしに関する嗜好や行動の変化をブランドが理解できるように設計されています。https://globescan.com/trends/healthy-sustainable-living/
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18383/243/18383-243-7e17d698b3c7df2bcdc804556accf47e-1551x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■ WWFジャパンと滋賀県立大学が「買い物カゴ投票」の有効性検証を共同研究
「買い物カゴ投票」は、その有効性の検証を、滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科の山田歩准教授とWWFジャパンが共同で行ないます。具体的には、本年10月より「買い物カゴ投票」の実証実験を都内スーパーで実施し、その取り組みを研究対象として効果検証し、検証結果を特設ページにて公開する予定です。
WWFは、行動科学の知見を活用して効果的な介入をデザインするフレームワーク「SAVE NATURE PLEASE(https://www.wwf.or.jp/campaign/snp/)」を開発し、環境保全のための行動変容コミュニケーションを世界各地で実践しています。山田准教授は、社会心理学と行動経済学から「人を動かす」コミュニケーション手法を研究の対象としており、両者の知見を合わせて共同研究を進めていきます。
■「買い物カゴ投票」を誰でも利用可能なツールとして、ウェブ公開予定
「買い物カゴ投票」は、どなたでも利用可能なものとして、その手法や実施手順を公開します。今後は、ツールのデザインデータなども特設ページからダウンロード可能にする予定です。特設ページはWWFジャパンのウェブサイト内に10月中に公開予定です。
WWFについて
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年に設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止などの活動を行なっています。 https://www.wwf.or.jp
滋賀県立大学について
滋賀県立大学は、「キャンパスは琵琶湖。テキストは人間。」をモットーに、フィールドワークや実験・実習を積極的に取り入れた実践的な教育・研究を通して、“地”に足のついた「専門性」と他者への「思いやりの心」をそなえた「人が育つ大学」です。https://www.usp.ac.jp/
山田研究室では、社会心理学や行動経済学などから得られる行動インサイトと生活者調査から得られる生活者インサイトを組み合わせながら、「人を動かす」コミュニケーション手法を研究開発しています。
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