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兵機海運株式会社の意見表明に対する弊社の見解について

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堂島汽船株式会社


 堂島汽船株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、兵機海運株式会社(以下「対象者」といいます。)の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を開始しておりますが、対象者から2024年11月15日付「堂島汽船株式会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ」(以下「11月15日付リリース」といいます。)が公表されております。

 この度、公開買付者は対象者株主に対して本公開買付けに応募するか否かの判断のための更なる説明、情報開示が必要と判断しましたので、本書をもって公開買付者の見解についてご説明をさせて頂きます。

 特に、下記「2.株価について」につきましては、今後仮に対象者の株価が現状の水準(本書提出日の前営業日である2024年11月20日時点の対象者株式の終値は3,435円)で推移したことにより、本公開買付けの結果、買付予定数を大幅に下回った場合は、本公開買付けは対象者との資本業務提携による企業価値向上を目的の一つとしているところ、当該目的が達成されないことにより株価が上昇する旨の市場の期待が損なわれることから、本公開買付け終了後に対象者株式の株価は、公開買付価格(3,250円)を下回ることが想定されると公開買付者は考えていることから、対象者株主においては、本書に記載した公開買付者の意見も踏まえて本公開買付けの応募についてご判断頂きたいと考えております。

 なお、本書記載の用語につきましては、原則として公開買付者が 2024年10月18日付で提出した公開買付届出書の定義するところによります。

                     記
1. 大和グループとの資本業務提携の実現可能性がないこと
1. 対象者が公表した2024年10月31日付け「大和工業グループと兵機海運株式会社との資本提携および業務提携の協議開始について」(以下「10月31日付リリース」といいます。)では大和工業グループ(大和工業株式会社及び大和工業株式会社の連結子会社ヤマトスチール株式会社、以下、総称して「大和グループ」といいます。)との資本業務提携の具体的な内容及びスキームが開示されていなかったところ、11月15日付リリースにおいても依然として当該事項が開示されていない状況が継続しており、対象者株主においては、大和グループとの資本業務提携の進展が不確実であることから本公開買付けの応募判断に支障が生じ得る状況にあるものと考えております。このような中で、2024年11月11日付「兵機海運株式会社の株式取得について」(以下「11月11日付大和リリース」といいます。)によれば株式取得のスキームについて、大和工業株式会社が対象者株式を市場内で買い付けるという情報のみが開示されておりますが、対象者株式の市場内取引の平均売買高が少ないことから、大和グループとの間で資本業務提携を実現するための資本取引の実現は現実的には困難であると考えております。

2. 11月11日付大和リリースにおいては、資本業務提携に関してはまだ協議開始段階であることからも、予定している対象者株式の取得方針について具体的な開示は一切なされておりません。この点、経済産業省が2023年8月31日付で公表した「企業買収における行動指針―企業価値の向上と株主利益の確保に向けて―」(以下「企業買収行動指針」といいます。)においては、「短期間のうちに市場内買付けを通じて経営支配権を取得するような場面においては、買収が企業価値に及ぼす影響を理解した上で株主が買収に応じるか否かの判断をできるよう、買付の目的、買付数、買収者の概要、買収後の経営の基本的な方針等の重要な項目については、少なくとも公開買付届出書における記載内容と同程度の適切な情報提供を、資本市場や対象会社に対して適時、任意の方法で行うことが望ましい。」(23頁)とされており、現時点において左記指針の要請に沿った大和グループによる開示はなされておりません。公開買付者としては、上場会社である大和グループが「短期間のうちに市場内買付けを通じて経営支配権を取得するような」買付けを予定しているのであれば、左記指針の要請に沿った開示がなされるものと考えており、そのような開示がなされていないことは、「短期間のうちに市場内買付けを通じて経営支配権を取得するような」買付けを予定していないことの証左であると考えております。

3. 大和グループにおいては、これまで長年の間対象者株式の所有比率は1.0%を超えることなく維持されていたものと理解しております。これは対象者が大和グループとの間で、大和グループが対象者の大株主にならずとも十分な取引量が維持できたためと思料しております(対象者の第81期有価証券報告書の「第2 事業の状況」の「3【事業等のリスク】」の「6.特定の取引先(高売上比率先の動向)」によれば、大和グループとの取引については、今後の景気動向等による経営の影響を受けやすいとの説明があり、対象者としてはこれを事業等のリスクと捉えていたと理解しております。)。かかる状況からすると、公開買付者としては、対象者において大和グループの所有比率を高める必要はなく、このタイミングで行うことの合理的な説明も全くなされていないため、大和グループとの間で資本業務提携が実現される具体的な可能性は乏しいものと考えております。
2. 株価について
 現状の対象者株式の価格は、下記図1の通り、本公開買付け開始前より大幅に上昇しておりますが、これは主に本公開買付けによる影響が大きいものと考えております。そのため、本公開買付けの結果、買付予定数を大幅に下回った場合、本公開買付けは対象者との資本業務提携による企業価値向上を目的の一つとしているところ、当該目的が達成されないことにより株価が上昇する旨の市場の期待が損なわれることから、本公開買付け終了後に対象者株式の株価は、公開買付価格(3,250円)を下回ることが想定されると公開買付者は考えております。上述の通り、対象者株式の市場での平均売買高が少ないことから、対象者株主が市場で対象者株式を売却できる機会は限定的であり、かつ大和グループによる市場内買付けの方針についても上記1.で詳述した通り不透明な状況です。なお、公開買付者が本公開買付けに至った理由の一つが平均売買高の少なさにあることは、公開買付届出書の「第1【公開買付要項】」の「3【買付け等の目的】」の「(1)本公開買付けの概要」にて説明した通りです。本公開買付けは、対象者株主において、纏めて所有株式を売却できる機会であると考えており、かかる公開買付者の意見も踏まえた上で、対象者株主においては本公開買付けの応募についてご判断頂きたいと考えております。

(図1)
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/151525/3/151525-3-c14eeac9c2453e653547718512dd557d-921x499.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/151525/3/151525-3-be8bebe0a4adea83856c75d7b7503052-923x488.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


3. その他11月15日付リリースの対象者意見に対する公開買付者の見解について
1. 11月15日付リリースの「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由 (2)意見の根拠及び理由 2.意見の理由 (ア)」によれば、公開買付者らの実態が明らかではないとのことですが、公開買付者の認識としては、4月17日付提案書の内容並びに2024年5月15日及び同年6月4日に対象者との間で実施した面談において、富洋海運及び公開買付者の実態につきましては十分に説明させて頂きました。対象者からは当該領域に関する質問が行われなかったため、富洋海運としては対象者に対する説明は十分なものであったと認識しておりました。なお、公開買付届出書の様式においても、一般的には公開買付者が属するグループ全ての企業における詳細情報について開示することは求められていないものと認識しております。

2. 11月15日付リリースの「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由 (2)意見の根拠及び理由 2.意見の理由 (イ)」によれば対象者のステークホルダーの皆様から不安の声が上がっているとのことですが、本公開買付け後の資本業務提携の実現によりステークホルダーの皆様にも十分ご理解を頂けるものと考えております。なお、対象者は「公開買付者が本公開買付け後に「各船主との関係や各船主事情を顧みず、状況次第で簡単に船主との傭船解除に及ぶ」ことを望んでいると考えられ」と述べておりますが、兵機海運との取引関係を持つ船主の皆様と同様に、富洋海運は船主業を営んでおり、日々の業務において、取引先との関係性に気を配ったビジネス展開を行っております。上記の対象者の見解は、公開買付者グループの思想とは合致しないものであることを言及させていただきます。また、本公開買付け後においては、対象者株式を多く所有する株主となる立場として、対象者の経済的利益を享受するという経済合理性の観点からも、上記の行動に及ぶことは無いことを付記させて頂きます。

3. 11月15日付リリースによれば、公開買付者との資本業務提携において一貫して事業シナジーが見込めないとの説明があります。公開買付者としては、本提案書に対して対象者から何らの評価も示されることがなかったことから、これまで対象者との間では、事業シナジーに関しては十分な協議が実現できておりません。公開買付者としては、公開買付者が提示した施策は事業シナジーが十分に見込まれるものと考えておりますが、対象者において事業シナジーが見込まれないと考える部分につきましては、本公開買付け後の資本業務提携にかかる協議において、双方の認識をすり合わせた上で具体的に検討を進めていきたいと考えております。

4. なお、上記以外の11月15日付リリースの対象者意見につきましても、事実と異なる内容や公開買付けの意図とは異なる部分がありますが、対象者との認識の相違に起因するものであるため、これらに対する公開買付者の見解につきましては割愛させて頂きます。

                                            以上

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