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株式会社cosmobloom(本社:東京都大田区、代表取締役 / CEO:福永桃子)と、スタッフ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:中山和則)は、衛星ダイレクト通信実現に向けた膜面アンテナの共同開発を開始したことをお知らせいたします。
共同開発の目的
当社は、宇宙空間における大型構造物の実現を目指し、超小型衛星向け0.25Uデオービット装置(宇宙ゴミ対策機器)の開発に着手しております。さらにその次のステップとして、携帯電話やPCなどの端末と直接通信が可能な、数メートル級の膜面アンテナの開発を目指してまいりました。これまで、JAXA宇宙構造物システム研究室との共同研究を通じて、柔軟構造物の設計技術を活かし、膜面アンテナに関する基礎的な検討を進めてまいりました。本共同開発においては、アンテナの設計と製品化の間に存在する技術的ギャップを解消すべく、当社とスタッフのアンテナ開発技術を融合させ、膜面アンテナの実現に取り組んでまいります。
近年では、SpaceX社やAST SpaceMobile社による衛星通信サービスが拡大しており、衛星ダイレクト通信の需要が高まっています。このような高速・大容量通信を実現するためには、数メートルから数十メートル級の大型アンテナが必要です。これまでは剛体パネルを用いたアンテナが主流でしたが、今回の共同開発により、軽量かつ高い収納性を備えた、大型のフェーズドアレイアンテナを小型衛星に搭載することが可能となります。
本共同開発の進捗については、2025年8月2日から7日にかけて米国ユタ州で開催される「Small Satellite Conference 2025」にて、当社エンジニアの折居が発表を行う予定です。
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今後の展望
膜面アンテナは、衛星ダイレクト通信に加え、合成開口レーダー(SAR)アンテナやLPWA(Low Power Wide Area)アンテナなど、さまざまな用途への展開が可能です。特にアンテナの大型化が進む中で、膜面アンテナの特長である「軽量性」および「高い収納性」が大きな優位性を発揮することから、従来の剛体パネル型アンテナに代わる新たな選択肢として期待されています。さらに、膜面アンテナの技術が進展することで、比較的面精度が低い構造でも理想的な電波出力が可能となり、これにより将来的な宇宙太陽光発電システム(以下、SSPS)の実現にもつながる重要な基盤技術となることを目指しております。
cosmobloomについて
cosmobloomは、日本大学理工学部航空宇宙工学科宮崎研究室(現JAXA 宇宙構造システム研究室)を前身とした、膜やケーブルといった極めて柔軟な構造(以下、ゴッサマー構造)を用いた宇宙構造物に係る解析・設計・開発を担う企業です。当社のコア技術はゴッサマー構造の解析技術です。研究室時代に開発をした非線形弾性動力学解析コードNEDAは、2010年にJAXAが打ち上げた小型ソ-ラー電力セイル実証機IKAROSの膜面展開シミュレーションに利用され、ソーラーセイルを主推進装置として利用する世界初の惑星間航行の成功に貢献した実績あるツールです。cosmobloomはコアであるNEDAと宇宙機開発の経験を用いて、ゴッサマー宇宙構造物の解析・設計・開発を検討しているお客様に実現可能なソリューションを提供します。そして、企業活動を通して私たちの企業理念である、「常に挑み、ともに作り、すべての人が希望を持てる世界の実現」に向けて取り組んでいきます。
スタッフ株式会社 代表取締役社長 中山 和則様のコメント
この度、cosmobloom様と衛星ダイレクト通信の実現に向け、膜面アンテナの開発を進める運びとなりました。非地上系ネットワークの活用において、高速、大容量通信を実現するめには宇宙空間で安定的に使える大型アンテナの開発が必須です。今回の共同開発により、大型の膜面アンテナを小型衛星にコンパクトに格納し、利用エリアで展開して使うことができれば、今後の宇宙空間での通信分野の発展に大きく寄与するものと確信しております。弊社は、これまで数多くの携帯電話やスマートフォン等の開発に携わって参りましたが、筐体内の限られたスペースへ収納するために、“より小型化”で“より軽量化”を追求しながらも、“より高性能”なアンテナを開発してきた経験があります。
今回も様々な制約はありますが、世界でも類を見ない技術と柔軟な発想力を持って事業を展開されているcosmobloom様と本開発に関わる機会をいただけたことへの感謝を申し上げると共に、その実現に向けて覚悟を新たに取り組んで参ります。