
無線通信機器大手のアイコム株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:中岡洋詞、東証プライム)は、「中期経営計画2026」に基づき、独自の無線通信技術の高度化をはじめ、他社との協業を模索することにより、無線機事業のさらなる展開に挑戦しています。
その具体的な取り組みについて、現在の状況をお知らせいたします。
「中期経営計画2026」期間内の急速な業績成長について
2024年3月期連結会計年度を始期とする「中期経営計画2026」では、売上高380億円(2023年3月期比で11.2%増)、営業利益率10%を目標として掲げました。需要拡大、円安効果、ストックビジネスの伸長などの要因により、1期目の2024年3月期決算では売上高371.1億円(同8.6%増)と、想定を大きく上回ったことから、2026年3月期の目標売上高を400億円(同17.0%増)に上方修正することを発表しました。2期目となる2025年3月期決算では、売上高374.6億円(同9.6%増)、営業利益率9.9%となり、売上高は3期連続で過去最高を更新しています。
ストックビジネスの伸長
当社は、携帯電話の通信網(LTEや4Gなど)や衛星回線を利用して通信する無線機の回線利用料など継続的で安定した収入をストックビジネスとし、「中期経営計画2026」でも成長ドライバーとして位置づけています。とくに、IP無線機については、広い通信範囲や利便性の高さが評価されたことで好調を続けており、2025年3月期決算では、「中期経営計画2026」で目標とした売上高30億円(総売上高の7.5%)を大きく上回る35.5億円(総売上高の9.5%)と計画以上の伸びを達成しています。
現在の取り組みについて
「第61期株主総会招集ご通知」などですでに発表していますとおり、新市場となるMC-PTT市場への参入準備を進めております。MC-PTTとは、警察や消防などの公安機関が使用するLTE無線網のことで、海外で先行して導入が進んでいます。今後、MC-PTTは公安機関における世界的な通信システムとして、既存の公安用無線通信システムとの融合・併用が進むとされています。当社グループは、10年以上にわたりIP無線機やネットワークにおけるノウハウを蓄積しているほか、PTT通信アプリにおいて優れたノウハウをもつ会社との協業も行い、参入に向けての取り組みを続けています。
また、ストックビジネスの伸長に貢献している Iridium Communications Inc.,(米国、バージニア州、以降イリジウム社と表記) との衛星通信無線機の協業は、まもなく7年となります。現在に至るまで唯一のPTT専用ソリューションを提供する企業として累計3万台以上を販売し、国を越えて連携する国際機関や、災害時の通信手段を求める企業や自治体など、国内外の幅広いユーザーに利用いただいています。さらに、イリジウム社が昨年発表しているように、当社は米国国防総省の次世代通信インフラManaged Access-DNX(MA-DNX)の開発において、イリジウム社のパートナー企業として技術検討を進めています。
当社は、今後も、技術革新や協業、ビジネスモデルの開発などを通じた新たな価値創造により、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。