おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

リリースプラス

小児喘息は生物多様性の豊かさで抑制される

update:
株式会社シンク・ネイチャー
生物多様性ビッグデータと医療データの統合解析に基づいた検証



[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/100724/35/100724-35-44493a1143f1a53ecf127aebe6167f45-902x286.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


株式会社シンク・ネイチャー(以下シンク・ネイチャー )は、米国Vanderbilt大学疫学部門・城下彰宏医師が主宰する小児喘息研究チームとの共同研究によって、小児喘息の罹患リスクが、生物多様性、特に水辺の自然環境の豊かさで抑止される可能性を定量的に示した論文を
「Environmental Epidemiology」に発表しました。

【本研究の背景と目的】
近年、人々の健康と生物多様性の関連が、環境疫学(Environmental Epidemiology)分野で注目されています。例えば、喘息の罹患リスクに関連して、自然環境における生物多様性の減少が、ヒトのマイクロバイオーム多様性を制限し、免疫系の発達を阻害する可能性があることから、「生物多様性仮説(Biodiversity Hypothesis)」が提唱されています。しかし、この仮説に関する科学的エビデンスは極めて限定的で、生物多様性の消失が健康や病気に与える影響についてはほとんど理解されていません。そこで本論文では、日本全国スケールの野生生物や自然環境の空間データに基づいた生物多様性指標と小児喘息の罹患率を統合的に分析し、生物多様性と健康の関係性を検証しました。

【本研究の結果】
当研究チームは、日本のJapan Medical Data Center(JMDC)株式会社の保有するデータベースにおける小児喘息に関する医療データ(2005年1月から2017年1月までの10万組の母子ペア)と、シンク・ネイチャーが有する日本全土の高解像度の生物多様性データ(日本在来の維管束植物と脊椎動物の種分布と自然環境情報)を組み合わせた後ろ向きコホート研究デザインによって、全国的な生物多様性と小児喘息の罹患率の関係性を定量的に評価しました。その結果、生物分類群の中の淡水魚の種多様性と、その生息地である水辺の自然環境の豊かさが小児喘息リスクの低下と関連していることが示されました。本論文の結果は、小児喘息の罹患率増加を防ぐために、生物多様性、特に水辺の自然環境の豊かさの保全再生を重視すべきであることを示唆しています。

【今後の展望】
ネイチャーポジティブを実現するアクションには、生物多様性ビッグデータとAIを駆使した自然資本の可視化がキーテクノロジーになります。従来、自然の豊かさがもたらす恩恵の多くが可視化されていなかったために、自然への配慮が不十分なままでした。今回発表した論文は、人々の健康が生物多様性の豊かで支えられている可能性を示唆しています。今後もシンク・ネイチャーは自然資本の価値を定量化するデータテクノロジーに基づいて、疫学研究者と協働して生物多様性と人々の健康の関連性に関する研究を発展させ、ネイチャーポジテイブに基づいたウェルビーイング向上に関するアクションを推進していきます。


発表論文
【タイトル】
Biodiversity and childhood asthma: A nationwide retrospective birth cohort study in Japan

【著者】Shiroshita Akihiro, Kataoka Yuki, Wang Qian, Kajita Naoki, Anan Keisuke,
Tamaki Shingo, Ikari Shogo, Kubota Yasuhiro, Yajima Nobuyuki.

【雑誌】Environmental Epidemiology(2025年10月13日発行)
【DOI】10.1097/EE9.0000000000000429

【URL】
https://journals.lww.com/environepidem/fulltext/2025/12000/biodiversity_and_childhood_asthma__a_nationwide.1.aspx

株式会社シンク・ネイチャー
生物多様性科学において卓越した実績を有する研究者で構成されている琉球大学発スタートアップ企業です(https://think-nature.jp)。世界の陸・海を網羅した野生生物や生態系の時空間分布を、自然史の研究論文や標本情報、リモートセンシング(人工衛星・ドローンによる観測)、環境DNA調査、野生生物の行動記録(バイオロギング)、植物・動物愛好者の研究などで収集された生物関連データ(地理分布、遺伝子、機能特性、生態特性など)を元にビッグデータ化し、AI等の最先端技術を用いたネイチャーの可視化や予測やシナリオ分析技術を有しています (J-BMP 1)。TNFDのデータカタリストイニシアティブに参画し、自然資本ビッグデータを活用した自然の持続的利用に関する分析、評価、ソリューション(GBNAT2 、TN LEAD 3)で、金融機関・機関投資家・企業の生物多様性対応を支援しています。さらに、「生物多様性ネットゲイン」を可視化し、ネイチャーポジティブ事業を推進するためのサービス(TN GAIN 4)を提供しています。また、生物多様性の記載に尽力している研究者を表彰する「日本生態学会自然史研究振興賞(*5)」を提唱し、賞金を提供して基礎科学の裾野を支える活動を行い、さらには一般向けに、生き物の豊かさを、地図で見える化したスマートフォンアプリ「ジュゴンズアイβ版(*6)」(無料)をリリースし、生物多様性の主流化(教育普及)を推進しています。

*1J-BMP: 日本の生物多様性地図化プロジェクトhttps://biodiversity-map.thinknature-japan.com/

*2 GBNAT: GBNATは、生物多様性、森林減少、人的影響、水リスクに関するグローバルな定量データを提供し、生物多様性への影響を評価するための優先地域の特定を支援します。GBNATの "ready-to-use" なアウトプットは、TNFDのロケーション評価をサポートし、さらにコモディティ生産、採鉱、自然再生拠点の分析にも役立ちます。https://lp.gbnat.com/jp/

*3 TN LEAD:全産業セクター&グローバルな事業拠点に対応した TNFD対応支援サービス
https://think-nature.jp/service/

*4 TN GAIN:住宅の庭づくり、都市再開発における不動産物件の緑化計画 、企業緑地や社有林の森づくり、ビオトープの計画など、ネイチャーポジティブ関連事業の効果量をビフォー・アフターの比較を基に算定し、生物多様性ネットゲインを可視化するサービス 
https://services.think-nature.jp/gain/

*5 日本生態学会自然史研究振興賞:日本生態学会の新賞、生物多様性に関する記載研究を推進している会員を表彰する新たな賞 https://note.com/thinknature/n/n885ba7f11009

*6 ジュゴンズアイ(DugongsAI)β版:生物種毎の生物の豊かさが地図上で可視化された個人向けスマホアプリ
https://services.think-nature.jp/dugongsai/

最近の企業リリース

トピックス

  1. うまトマバジルチキン定食

    松屋がパスタ定食始めた!? 44店舗限定「うまトマバジルチキン」実食

    松屋は10月14日から、うまトマソースでパスタが楽しめる「うまトマバジルチキンプレート」を全国44店…
  2. その場の“昔”を撮る レンズのない「思い出カメラ」に感じる未来の風

    その場の“昔”を撮る レンズのない「思い出カメラ」に感じる未来の風

    レンズがないのに写真が撮影できる、そんな不思議なカメラ「思い出カメラ」がXで話題です。発明家の堀洋祐…
  3. 【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

    【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

    コメダ珈琲店は10月16日から「ドデカメンチバーガー」と「ドデカチーズメンチバーガー」の2種類のバー…

編集部おすすめ

  1. ChatGPTが“全年齢対応AI”を卒業? アルトマン氏が語った「成人向けエロティカ解禁」方針

    ChatGPTが“全年齢対応AI”を卒業? アルトマン氏が語った「成人向けエロティカ解禁」方針

    米OpenAIのCEO、サム・アルトマン(Sam Altman)氏が10月15日と16日に自身のX(旧Twitter)で投稿した内容が、世界…
  2. ガンホー「ケリ姫スイーツ」2026年1月末に終了 2012年配信開始から13年

    ガンホー「ケリ姫スイーツ」2026年1月末に終了 2012年配信開始から13年

    ガンホー・オンライン・エンターテイメントは10月16日、スマートフォン向けアクションパズルゲーム「ケリ姫スイーツ」のサービスを、2026年1…
  3. 鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

    鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

    三重県の鳥羽水族館は10月15日、人気配信「鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ」の映像内容を一部変更すると発表しました。今後は、給餌の際などに…
  4. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

    ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

    マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
  5. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

    キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

    キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

提携メディア

Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト