ジオラマモデラーのまんねん工房さんは、関西を拠点に主にガンダム用のジオラマを作っている人物。
生み出された作品群は国内外で高く評価され、2016年にフランス・パリで開かれた「ジャパンエキスポ2016」では、ステージパフォーマンスとして模型制作の講演をするなど多方面で活躍中です。
そんなまんねん工房さんが、先日自身のTwitterにて公開した作品の軌跡に関する投稿が話題となっています。
この日、「6年間基地を作り続けたバカw(成長の軌跡)」と、やや自嘲気味のつぶやきで作品を公開したまんねん工房さん。そこには、いずれも基地をモチーフにした自身のジオラマ作品画像が4点。
冒頭述べた通り、主にガンダムに関連するジオラマを作り上げているまんねん工房さん。その親和性もあって、基地をモチーフにしたジオラマもこれまで多く作ってきましたが、それは自身にある「気づき」を与えてくれるという理由もあるそう。
「私はジオラマモデラーなので、基地ばかりを作っているわけではありません。市街地・森といったものも作ります」
「ただ一方で私は、『限られたスペースの中で、いかに現実の空間のように見せることができるか』というテーマのもとで、基地のジオラマ作りに取り組んできました」
今回まんねん工房さんが紹介したジオラマ画像の中で、4作品中3点は「キャリフォルニアベースという基地をイメージ」「南米ジャブロー基地での連邦軍とジオン軍の銃撃戦」「宇宙要塞ソロモンの一区画」と、初代こと「機動戦士ガンダム」に関連したファンアート作品。
また残りの1点に関しても、ジオン軍のエンブレムが描かれています。ただ、いずれの作品についても、ガンダム劇中に登場したシーンの再現というわけではなく、“舞台裏”をまんねん工房さんが”妄想”したもの。
それでいながら、例えば宇宙要塞ソロモンのジオラマでは、ドズル・ザビが搭乗しているであろうMA(モビルアーマー)「ビグ・ザム」に、その後方に構えるMS(モビルスーツ)「リック・ドム」の出撃を待つ姿は圧巻。初代をみている筆者のような人間も、一瞬劇中で見たかと錯覚してしまうほどのクオリティです。
一方で、まんねん工房さんが語った「限られたスペースの中で、いかに現実の空間のように見せることができるか」というのも、今回の基地ジオラマから浮かび上がっています。
階段や手すりや空調設備といった、普段の生活でもよく目にするものが各所に設置。これにより、あまり馴染みがない方に対しても、「基地ってこんなに大きいものなんだ」とイメージしやすくなるよう表現。
「基地に限らずですが、私はいつも『次はこうしよう』ということを考えながら作っています。『こうすればもっと良くなる』を常に課題として持つことにより、無限に成長できると考えています」と、作品制作における心がけを語っています。
ちなみに、今回まんねん工房さんが紹介したジオラマ作品はキャリフォルニアベースは2015年に、そして宇宙要塞ソロモンは2020年に制作。そこには、6年の年月をかけて、映像作品と見まごうようなジオラマアートに昇華した、まんねん工房さんの「進化の軌跡」が写し出されています。
6年間基地を作り続けたバカw
(成長の軌跡) pic.twitter.com/hNq3ELB4Vj— まんねん工房 (@hide94373) August 2, 2021
<記事化協力>
まんねん工房さん(@hide94373)
(向山純平)