人間誰しも、戻ってみたい過去の一時期というものがあるはず。もしかしたら、この魔道具がその夢を叶えてくれるかもしれません。ハンドメイドでストーリー性のあるアクセサリーの数々を手掛ける「古洋天文館」さんの「クロノグラス」。精緻に組み合わされた65個のパーツが、懐かしい過去へとあなたを誘います。
古洋天文館さんがハンドメイドアクセサリーを作るようになったのは、2014年のこと。友人からアニメのコスプレ衣装用の装飾品を作って欲しい、というリクエストからでした。
その後、家庭の事情もあって進学ができない状況下で技量を磨き、ハンドメイドのアクセサリー作家として完全に独り立ちしたのは22歳の時。以来、ストーリー性を内に秘めたハンドメイドアクセサリーを作り続けているといいます。
65個のパーツが複雑に組み合わさった「クロノグラス」は、時を司る神クロノスにちなんで命名されました。この作品の設定は、時間をさかのぼって所持する人の過去を見に行くことができる、というもの。
「私自身、過去の自分に語りかけたいと思うことが多かったので、こんな道具が実在したらいいな、という設定で作りました」と語る古洋天文館さん。追い続けていた夢を断念したり、大切な人に会えなくなったりといった過去に立ち返り、あり得たかもしれない「可能性の未来」を歩むきっかけとなる道具なのだそうです。
このほかにも、古洋天文館さんの作るアイテムは魅力的なストーリーや設定が隠されています。実際に点灯できるランプシェード型アクセサリーは人気の作品で、その始まりとなったのが「ノクターン・ルナ」という作品。
ラベンダー色のビーズとゴールドの金具がライトを包み、ノクターン(夜想曲)の月夜を思わせる、ゆったりとした時の流れを演出してくれそうです。明かりを点灯させた時と消灯させた時、雰囲気が変わるのも面白いですね。
先の「クロノグラス」と同じように、装飾された懐中時計も人気のアイテムなんだとか。これは装飾を加えることを了承してもらった上で懐中時計を仕入れ、さまざまなストーリー性のある装飾をプラスして仕上げられているそうです。
ブルーに縁取られたカバーからのぞくゴールドの文字盤が印象的な「ブルークレセントムーン」は、その名の通り月の魔力を閉じ込めたようなアイテムを念頭に作られたもの。ほかにも、カラーのメッキ塗装や文字盤変更をメーカーに依頼し、それにパーツやレジンを加えて装飾した作品が数多くあります。
現在はスイーツや、果物や花など植物を模したデザインの普段使い系アクセサリーを多く作っているとのこと。その中でお気に入りと挙げてくれたのは、デザインした台紙とも相性がよいという「スイーツタイム」というシリーズ。
バレンタインシーズンに発表されたシリーズで、お菓子を並べたティータイムをイメージした時計です。バレンタインということもあり、モチーフはストロベリーチョコ、チョコミント、桜チョコ、抹茶チョコ。思わず目移りしてしまいますね。
ハンドメイドアクセサリー作家の多くは、好きが高じて作家になった人が多いのに対し、「私は生活のために始めたので、その姿勢には賛否があるかもしれない」という古洋天文館さん。それでも、作品を愛してくれる多くの方に勇気をもらっただけでなく、文字通り人生をも支えてもらっている、と感謝の言葉も口にしています。
「至らない事ばかりの自分だけれど、これからも見てくださる、作品を愛してくださる皆様に応えていけるよう、誠意を持って精一杯頑張っていきたいです」
古洋天文館さんのハンドメイドアクセサリーは、現在BASEの通販サイトにて販売されています。紹介したもののほかにもバッグチャームやインテリア小物など、身につける以外のアクセサリーも取りそろえているそうです。
計65個のパーツを組み立てて作る精密な魔法道具⚙ pic.twitter.com/Nc2niCyDmt
— 古洋天文館@DF両日Q439南館 (@lunosphere) August 31, 2022
<記事化協力>
古洋天文館さん(@lunosphere)
(咲村珠樹)