時代は令和となり、ゲームはかつての「据え置き型」からモバイルや携帯型に移行しております。それとともに、一世を風靡した頃に比べて人気が落ち着きつつあるのが「格闘ゲーム」。とはいえ、カプコンのストリートファイターシリーズ最新作「ストリートファイター6」の発売日も決定しており、一定数のファンを維持し続けています。
ただし、今の子どもたちが格闘ゲームを挑戦するには「コマンド」を覚えるなど、難しいハードルがあります。そこで、現役格闘ゲーマーに今更ながら難しいとされる「昇龍拳」コマンドの、もっとも出しやすいコツを訊いてきました。そして、今の子どもにその手法を伝授してみました。はたして成功するのでしょうか。
◼ 格闘コマンドは難しい!
格闘コマンドは今となっては、かなり難易度の高いテクニック。
たとえば「波動拳」ならば「↓↘︎→+P」。「昇龍拳」は「→↓↘+P」となり、シリーズ第2作の「ストリートファイターII(通称、ストII)」をマスターする上で誰もが通る最初の関門となります。
対して、Nintendo Switchで人気のゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(以下、スマブラSP)などでの必殺技は「→B」「↑A」など単純なものばかりなのです。つまりボタン1つ・2つで技が出るというのが特徴であり、とっつきやすさでもあります。
そこで、試しにSwitch世代の子ども(小学6年生12歳男子)に初代ストII(Nintendo Switch版のストII)をやらせてみると、かろうじて「波動拳」は出るものの「昇龍拳」は出ませんでした。(竜巻旋風脚は出る)
難しいとか、やりにくいとかそういう世界ではなく、「そもそもコマンドってなに?」という世界のようです。やはりSwitch世代の子どもに「昇龍拳」は出せないのでしょうか。
そんなSwitch世代に「昇龍拳」をカンタンに出せる方法はないものなのか。筆者知人の40代・現役格闘ゲーマー(匿名希望のため今回はHN「19号」さんとのみ紹介いたします)に「昇龍拳」の出し方のコツを訊いてみました。すると、なんとも想定外な意外なやり方を伝授してくれました。
その方法は……「前に歩きながら波動拳」。
「波動拳」ならば出る。ということであればあとは前に歩くだけ。これなら出せるのでは?ということのようです。
◼ 前に歩きながら「波動拳」
前に歩きながら波動拳?
そんな単純な方法で出るのか?半信半疑でさっそくSwitch世代の子どもにやらせてみたところ……。
「昇龍拳!」
おお出た。連続では出ないが、何回か1回は出た!
今まで1回も「昇龍拳」が出なかった子でしたが、「昇龍拳」が出たことで喜びをかみしめていました。ちなみに「スマブラSP」のリュウでも昇龍拳コマンドは使えるので、覚えておくと良いです。
が、Switch世代の子どもいわく「いちいちコマンドを覚えるのが面倒くさい、技はさ、ボタン1つじゃだめなの?」というのが正直な感想のようです。
無情にも「格闘コマンド不要論」を唱えるSwitch世代の子ども。
この感想に格闘現役ゲーマーいわく……「人より強くなるためにいかに多くのコマンドを覚えるのが快感。今のゲームは1ボタンで必殺技がでてしまうので味気ない」と嘆いております。
確かに車で言えば「ミッション車」よりも「オートマ車」のほうが楽だよね、というのと同じ。OSで言えば「コマンドライン」より「GUI」や「タッチパネル」のほうが楽だよね……と同じなのかもしれません。
そして、今の世代は次から次へと新しいゲームがスマホアプリ等でリリース。コマンドを覚えている時間や余裕などないのかもしれませんね。
とはいえ「eスポーツ」などでオンライン対戦は盛んで、そこではかつてのゲーセンのようなアツい戦いが繰り広げられているのも事実です。
はたして、今のSwitchやスマホ世代の子どもたちが覚醒し、かつての「難しい格闘コマンド」の復権が来るなんてことはあるのでしょうか。今後の格闘ゲーム業界に注目していきたいと思います。
(たまちゃん)