ツイッターユーザー「前多ミライ」さんが投稿した、ガンプラ「ドム」のボックスアート写真。一見すると何の変哲もないように見えますが……ん?よく見ると箱から足やビームサーベルが飛び出しています。
一体どういうこと?と思いながら、つぶやきを見ると、そこには「ボックスアート風に塗装しました」との言葉が。……え?これ、絵じゃなくてプラモなんですか!?
そう言われて、改めてまじまじと見つめても、画面を拡大しても、全くプラモデルとは思えない出来栄えにはただただ驚くばかり。実は前多さんはこれまでにも模型を箱絵風に塗装する手法で、見た人をアッと驚かせる作品を多数製作しています。
使用するキットは、箱絵の第一印象で決める事がほとんどだという前多さん。箱のイラストが「絵」っぽい事、そのイラストが好みである事を前提に選んでいるそうで、今回のMGドムも見た瞬間「再現したい!」と一目惚れしたことがきっかけです。
塗装にはスペインのメーカー「SCALE75」のミニチュア用水性絵の具を用いており、もちろん全て前多さんの手作業。
屋外での戦闘シーンを描いているドムの箱絵は、よく見ると背後の爆発による光がドムに写り込んでいたり、モノアイが発光していたりと、「光」の表現が盛り込まれていますが、これをLEDや物理的に光を当てることで再現したくなかったという前多さん。
こうした塗装を行うのは初めてだったそうで、何度も何度もやり直すなど苦労がありましたが、特にモノアイはドムの命とも呼べる箇所。くじけそうになりながらもなんとか満足の行く仕上がりに塗装出来たようです。
また、ビームサーベルを振り上げるそのポーズにも前多さんのこだわりが。インパクトが大事な箱絵は、かなり誇張した表現で描かれており、実際に説明書通りに作っただけでは、そのポーズがとれない事がほとんどなのだそう。
今回のドムでも同様のことが起きましたが、完成したキットの関節を切り離し、箱絵と同じポーズになる位置に接着剤で固定する手法で表現。完全なるボックスアートの再現に強いこだわりが感じられます。
背景は元の箱絵のドムをPCで消し、作品はいよいよ完成間近。A3サイズでプリント後、いざ撮影しようとカメラを構えますが……ここで思いも寄らぬトラブルに見舞われます。なんとドムがイラストからはみ出してしまうではありませんか。
しかしながら、これはこれで、非常に躍動感があると感じませんか?まるで箱から飛び出し、こちらに襲い掛かってくるような迫力のある構図になっています。
ボックスアートの完全再現とはいきませんでしたが、「結果的に臨場感あふれる物になりました。頭をやわらかくして考える事の重要さを学んだ気がします」と、前多さんにとってもお気に入りの作品になったようです。
ある意味では、ボックスアートの完全再現を超えたとも言える作品に、ついた「いいね」は約1万件。コメント欄には「はじめ何を言ってるのか理解出来ませんでした!」「パッケージからドムが飛び出てる!?」と、作品を見た方からの驚嘆の声が相次いで寄せられています。
BANDAI「MG 1/100 ドム」完成です!
ボックスアート風に塗装しました。
箱から飛び出してきそうな躍動感を感じて貰えると嬉しいです!#ボックスアート風塗装
下に続きます。 pic.twitter.com/fnN5e2oadn— 前多 ミライ (@fgl_mirai) January 25, 2023
<記事化協力>
前多 ミライさん(@fgl_mirai)
(山口弘剛)