IT技術の飛躍的な進化により、さまざまなモノ・コトがデジタル化していく今日。その技術は、日本の伝統衣装である「法被」にも用いられているようです。

 ツイッターユーザー「Minoru Fujimoto(藤本実)」さんが披露したのは、衿元の文字や柄をスマホ操作で自在に変更可能な法被。サイネージのように動作させることも可能で、イベント等で着用すれば注目を集めることは間違いなしでしょう。

■ 模様が展開したり文字が流れたりと様々に変化

 今作は、藤本さんが代表取締役社長兼CEOを務める「MPLUSPLUS株式会社」が開発した作品。音楽フェス「GMO SONIC 2023」の演出に携わる中で、「和」をテーマに企画を考えたところ、2022年夏にプロトタイプを制作していた「LED法被」を実用化させることにしたのだそう。

 ツイッターに投稿された動画では、法被の衿に敷き詰められたLEDに市松模様や青海波模様が展開したり、文字が流れたりと様々に変化する様子が見られます。端末のアプリを操作し、ワンタッチで変更可能という手軽さも良いですね。

市松模様に変化

文字を表示させることも

 このほか、実用化にあたって法被の布素材を合皮にしたり、配線が体に当たらないようにしたりといった着心地の面でも改良がなされています。今回表示された文字や柄は予めプログラムしたものであるそうですが、今後は任意の映像や文字を出せるように開発を進めていくとのこと。

■ 着用者が歩いているだけで人が寄ってくる

 「GMO SONIC 2023」での反響をうかがうと、「着用者本人、それを見た周りの反応、どちらもすごく良かったです」と藤本さん。

 和のテイストとテクノロジーの融合というテーマで、海外向けに作ったプロダクトでしたが、もちろん日本人にとっても目新しく映り、着用者が歩いているだけで人が寄ってくるほどだったと、想定していた以上の反響が寄せられたようです。

 ツイッターの投稿には、アイデアに感心する多くの反応と共に、「警備員や誘導員の服にも良さそう」といった声も。今のところはそこまでの開発は進んでいないそうですが、今後は法被だけでなく様々なプロダクトを、販売やレンタルできるように改良していく予定とのことでした。

 さまざまな場面で有効的に活用できそうな「LED法被」のアイデア。これからの展開にも注目が集まりそうです。

<記事化協力>
Minoru Fujimoto(藤本実)さん(@bboypopeye

(山口弘剛)