「なんで赤マルが付いてるか理解できなかった。これは超難問。こどもは頭が柔らかい」

 ツイッターにてこうつぶやいた「ぴんぽいんと」さんの投稿に添えられた画像には、小学生のお子さんが解いた引き算のプリントが写っています。

 一体何が超難問なのか?問題を見てみると「7-9=8」「5-6=9」と、答えは明らかに間違っているように見えるのに、先生による大きな丸が付けられています。これはどういうことでしょう……?

■ 実は「くりさがり」をともなう2桁引く1桁の引き算

 他の問題も同様で、計算が合っている式はひとつもないように見えますが……と、上から順番に見ていれば、ある時にハッと気が付くかもしれません。

 そう、実はこれらの引き算は「くりさがり」をともなう2桁引く1桁の引き算。つまり、縦に点線が引かれているように見えていたところは、全て十の位の「1」を示していたのです。

 わかってしまえば、何ということのない引き算の問題。たしかに全部正解している、ということが理解できますが、ぴんぽいんとさん同様、パッと見では理解できなかった方が大勢いるようで、投稿には1万件を超える「いいね」に加え、共感の声が多数寄せられています。

■ 大人になればなるほど解きにくい

 「大人になってからは仕事の影響もあるのでしょうが急いで結論を出すことに慣れてしまった気がします。今回も前提条件である”問題文”を無視して、数式だけを見て解きに掛かってしまいました」

 誤読を引き起こしてしまった要因を、このように分析したぴんぽいんとさん。たしかに、上部には説明がありますが大人にとっては「単純な引き算」と捉えてしまいがちであるのが、落とし穴であることは間違いないでしょう。分かりきっていることでも、丁寧に。なんだか社会人としての教訓を教えられているような……。

 これに加え、フォントや行間の狭さ、右側に引かれている縦線も、誤った理解をしてしまう原因でしょう。

 ここのところ、デザイン性が先行しすぎて分かりづらいピクトグラムやマークが取りざたされることがありますが、今回の件にも同じようなことが言えるのかもしれません。作る側が、視覚的に誤読をさせないよう工夫をしなければならないとも言えるでしょう。

 作る側、解く側に問題があったことは確かですが、それに惑わされず全問正解したお子さんはお見事。大人になればなるほど、見えにくくなってしまうものやことがあるのは、事実として受け止めなければいけませんね。

<記事化協力>
ぴんぽいんとさん(@pinpoint_m

(山口弘剛)