おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

千鳥の大悟も標的に、エスカレートする著名人悪用の詐欺広告

 著名人の名前や写真を悪用した詐欺広告。手口は怪しいLINEアカウントへ誘導するものなど複数あるが、中には「著名人が失言した」といった衝撃的な内容で怪しいサイトへ誘導するパターンがある。

  •  実際にサイトへ移動すると「著名人が投資に成功したのでやり方を教えます」となぜか投資をすすめられ、個人情報を入力させられる。

     すると、初期投資36600円で大金持ちになれますよといった営業をかけてくるようになり、お金を振り込むと、さらに資金が必要といわれお金をどんどん雪だるま式に奪い取っていく詐欺である。

     一度、取材で潜入してみたことがあるのだが、非常にやっかい。登録した電話番号あてに、投資を持ちかける電話が頻繁にかかってくるようになる。しかも、カタコトの日本語を話す相手から。

    【編集部より】
    本稿では、実際にSNSに掲載されていた広告を紹介していますが、内容は全て事実無根の詐欺広告です。また、本稿は詐欺広告の悪質性を伝えるのが目的であり、嘘を広めることは目的としていません。このため、編集部にて画像の一部にモザイク処理をほどこしています。

    ■ いまだ無くならない著名人を使った詐欺広告

     この手の詐欺広告は長いこと取り締まられずにいる。詐欺に名前を利用された著名人は、前澤友作氏、堀江貴文氏、桐谷広人氏などの「実業家」や「投資家」から、笑福亭鶴瓶氏、小島よしお氏、タモリ氏などの「芸能人」までと幅広い。

     あまりに酷い状況が続いていることから、実業家の前澤氏が中心となって声をあげ、この手の広告がよく掲載されているFacebookやInstagramを運営しているMeta社に対して、対策を強化するようもとめているが、いまだ徹底した対応はとられていない。
     
     問題の広告は大手新聞社が配信したようにみせかけたニュース記事風や、大手ネットニュースのスクープ記事風。少し前は、現実にありえそうな対談ものが多かったが、近ごろではとにかくクリックをさせたいという思考が垣間見え、内容がどんどん過激になってきている。

    ■ 夏頃は小島よしお氏がターゲット

     例えば、少し前にみかけた小島よしお氏の名前と写真を悪用した広告。

    小島よしお氏を使った詐欺広告

     「小島よしおは自殺したかった。彼は何百万人の子供達のアイドルだった」という文章が掲載され、クリックを誘う内容となっている。なかなか衝撃的な内容だが、事実無根である。

     続いては、「小島よしお寂しくなるよ」という広告。小島氏が死亡したかのように見せ、広告を見た人にクリックさせる手法。これも勿論、事実無根の内容だ。小島氏はピンピンしている。

    小島よしお氏が死亡したかのように見せかけた詐欺広告

     詐欺集団は2024年の8月から9月頃まで、小島よしお氏に執着し、色々な形で詐欺広告を展開していた。詐欺集団が広告効果を確認し、ターゲットを固定していた可能性が高い。初期の頃は、「小島よしおが逮捕された」といったものだったが、上記のように徐々に過激な内容になっている。

    ■ 新たなターゲットは千鳥の大悟

     しかしどうやら、最近はターゲットを別の人物に変更している。お笑い芸人「千鳥」の山本大悟氏である。

     まずは、有名人を使った偽広告では定番の「逮捕された」というフェイクニュースから。「山本大悟が警察に逮捕された!」、「山本大悟がセンセーショナルなインタビューに応じ収益について暴言」と思わず続きを読みたくなるような見出しが躍る。

    千鳥・大悟氏の逮捕を伝えるフェイクニュース

     そしてもう一つみつけた、逮捕された系の広告は、「スキャンダラスなインタビュー中に逮捕された」と書いてある。なかなか衝撃的な内容ではあるものの、それ以上の衝撃が広告ど真ん中に書かれている「フェイクだ!」という主張。フェイクニュース自ら「フェイクだ!」と主張しているわけである。

    大悟氏が逮捕されたというフェイクニュース

     次に見つけたのは、「放送中の発言をきっかけに大悟山本は日本国籍を失った」。日本人に国籍を失うという発想はでてこないだろう。「大悟山本」という表記からも、日本語に精通していない人物がこの広告を作った可能性が高いと考えられる。

    日本国籍を失ったと書かれている

     続いて「このクソ野郎、大悟山本は長年にわたり私たちを欺いてきた。今や彼のキャリアも遺産もすべて崩壊した」といった文言が書かれた広告。掲載された画像には報道陣がどこかの現場に詰めかけるものとなっており、事件をにおわせる内容。

     そして最後は「安らかに眠れ山本大悟」と書かれた広告。葬儀中の写真とともに掲載されており、遺影は大悟氏の写真が使われている。これも非常に悪質であり、広告取り締まりが急務であることを改めて強く感じさせる。

    大悟逮捕のフェイクニュース

    大悟氏が亡くなったと思わせる詐欺広告

     この手の詐欺広告を撲滅させるには詐欺広告に対する取り組みを強化する他ない。一刻も早いMeta社の本腰を入れた対応を希望する。

    (山崎尚哉)

    あわせて読みたい関連記事
  • “警察からの電話”実は偽装 提供番号の悪用で通信会社が謝罪
    社会, 経済

    “警察からの電話”実は偽装 提供番号の悪用で通信会社が謝罪

  • 菊水産業「お菊社長」なりすましに接触 ウザ絡みして目的を探ってみた
    インターネット, おもしろ

    菊水産業「お菊社長」なりすましに接触 ウザ絡みして目的を探ってみた

  • 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠
    インターネット, サービス・テクノロジー

    警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

  • 怪しい電話を意図せず撃退してしまう?黒電話ユーザーの詐欺対応が話題
    インターネット, おもしろ

    怪しい電話を意図せず撃退してしまう?黒電話ユーザーの詐欺対応が話題

  • 「ふくぎょうのおしごと!」既視感満載の怪しい広告が勧めてくる“副業”とは?
    インターネット, 社会・物議

    「ふくぎょうのおしごと!」既視感満載の怪しい広告が勧めてくる“副業”とは?

  • 偽ファッション広告
    インターネット, 社会・物議

    偽ファッション広告がGoogle広告に大量出現 サポート詐欺被害に注意

  • ちょ、まてよ。それ何のドラマだよ!「勇者」出演の偽キムタクとLINEで対峙した一部始終
    インターネット, 社会・物議

    ちょ、まてよ。それ何のドラマだよ!「勇者」出演の偽キムタクとLINEで対峙した一…

  • 偽公式からの当選通知を追跡!行き着いたのは「能登半島応援」を騙る悪質詐欺
    インターネット, 社会・物議

    偽公式からの当選通知を追跡!行き着いたのは「能登半島応援」を騙る悪質詐欺

  • AIで生成されたフェイク動画
    インターネット, 社会・物議

    一瞬本物かと……有名人の顔と声までAIで再現!進化する投資詐欺の実態とは

  • “ネット詐欺のベストアルバム”に遭遇!「○○プレゼント」詐欺体験レポート
    インターネット, 社会・物議

    “ネット詐欺のベストアルバム”に遭遇!「○○プレゼント」詐欺体験レポート

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

  • コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印
    商品・物販, 経済

    コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印

  • アイティメディア株式会社の発表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ITmedia装う不審メール出回る 公式が注意喚起

  • TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明
    インターネット, サービス・テクノロジー

    TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が…

  • EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」
    インターネット, サービス・テクノロジー

    EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられま…

  • 東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え
    社会, 経済

    東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

  • トピックス

    1. Pentagon Pizza Report(@PenPizzaReport)

      ペンタゴン周辺のピザ屋が混むと世界が動く? ネットで再燃する“ピザ観測ミーム”

      アメリカ国防総省周辺のピザ屋の混み具合から「世界情勢の異変」を読み取ろうとするXアカウント「Pent…
    2. 東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた累計入園者数が1月6日、9億人に到達。運営するオリ…
    3. クマ出没マップ 「FASTBEAR」

      AI集約のクマ出没マップ「FASTBEAR」公開 全国の出没情報をまとめて可視化

      全国のクマ出没情報を地図上で可視化する「FASTBEAR(ファストベア)」の公開が、12月26日に発…

    編集部おすすめ

    1. ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      飲食店情報サイト「ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびは1月8日、同社の個人情報流出を巡るSNS上の投稿について、公式サイト上で「調査の結果…
    2. コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印

      コメダ珈琲店「珈琲所のプリン」が定番入り 真っ赤なチェリーが目印

      コメダ珈琲店の定番デザートに、新たに「プリン」が仲間入りします。全国でフルサービス型の喫茶店を展開するコメダは、1月15日から「珈琲所のプリ…
    3. TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明

      TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明

      株式会社エフエム東京(TOKYO FM)は1月6日、サイバー攻撃や大量の個人データ流出を指摘するSNS投稿について事実確認の結果を公表しまし…
    4. EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      テキストエディター「EmEditor」を提供するEmurasoftは1月4日、公式サイトに関するセキュリティインシデントの続報を公表しました…
    5. 日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      一般社団法人日本自閉症協会は1月5日、比喩的に使われている「デジタル自閉症」という言葉について、反対する声明を発表しました。協会は、この言葉…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト