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直木賞作家・朱川湊人の書き下ろし新刊『花のたましい』(映画『花まんま』の公式スピンオフ小説集)が、3月24日に発売!

update:
   
株式会社文藝春秋
直木賞受賞作『花まんま』から20 年、映画から魂を吹き込まれた新たな感動作!



株式会社文藝春秋(本社:東京都千代田区 社長:飯窪成幸)は、朱川湊人さんの書き下ろし単行本『花のたましい』を、3月24日に刊行します。

本書は、4月25日に公開される映画『花まんま』のスピンオフ小説集です。映画脚本と撮影現場をご覧になった朱川さんが自ら筆を執り、映画のその先の世界を新たに紡ぎだしました。

ファーストサマーウイカさん演じる映画オリジナルキャラクター・駒子を主人公とした表題作「花のたましい」を含む全4篇を収録。


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43732/616/43732-616-91fb4ec9c514644472c754a847ba6b01-1805x2591.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
『花のたましい』書影(装丁・装画:城井文平/文藝春秋)



■朱川湊人さんのコメント
 金子みすゞの「花のたましい」という詩を読んだのは、二十年以上昔のことになる。
 散った花のたましいは、仏さまの花園にひとつ残らず生まれ変わる。花は、自分のものを何でも誰かに与えてしまうほどに優しくて、散った花びらさえも、子供のおままごとのごはんになってくれるから……という内容の詩だ。
 ほんの十数行の短い詩でありながら、茶碗に入った白いつつじの花の光景が私の脳裏に浮かび、そのイメージが広がって「花まんま」という作品となった。
 しかし小説そのものはテーマが異なっていたので、詩で語られた“花の優しさ”に深く触れられたとは思えなかった。以来、花のように自分のすべてを他人に与えてしまう人物を書いてみたいと思っていたが、納得のいく物語を見つけ出すことができず、私の中で温め続ける他はなかった。
 しかし「花まんま」の映画化が決定し、京都太秦まで撮影を見学に行かせていただいた際、出演者の皆様にお会いする機会を得て、物語が急に動き始めた。

 もともと私の「花まんま」は、小学生の兄妹を中心に据えた八十枚ほどの短編小説である。それに大人になった二人の物語を加えて、映画版となった。そのために多少の変更が加えられたが、私には何の不満もなかった。原作の大切な部分はすべて入れられているし、「こんなふうに広げてくださったのか」と思うと、むしろ感激の方が大きかった。さらに言えば、原作では触れていなかった部分を掘りさげていただいたことで、私自身が描けなかった世界が見事にできあがっている。


■『花まんま』から『花のたましい』へ
小説「花まんま」は、大阪の下町に暮らす兄妹の不思議な体験を描いた80枚ほどの短編小説でした。ほか5篇の短篇とともに同名の小説集『花まんま』に収録され、2005年に第133回直木三十五賞を受賞しました。幼少期の忘れえぬ記憶を情緒豊かに描き出した『花まんま』は、中高生から大人まで広汎な読者を獲得し、長きにわたって読み継がれています(2024年12月の時点で累計部数20万部)。
このたび、刊行から20年の時を経て小説「花まんま」が映画化の運びとなりました。主人公の兄妹役に鈴木亮平さんと有村架純さんを迎え、原作では描かれなかった兄妹が大人になってからの姿が描かれます。
映画脚本と撮影現場をご覧になった朱川さんの中に新たな物語が芽吹き、1冊の本になりました。

その経緯について朱川さんご本人が綴ったエッセイが本日公開されました。

▼詳細はコチラから
https://bunshun.jp/articles/-/77252

■収録作
「花のたましい」
 大阪キタでアルバイトのホステスをしている駒子は、立ち寄ったお初天神で、幼馴染の智美と再会する。とりわけ仲が良いわけでもなかったが「片親同士」のよしみで、二人は小学生のころから不思議な因縁があった。すると智美はいきなり儲け話をもちかけてきて……。

 映画の主人公である兄妹の兄・俊樹(演・鈴木亮平)の幼馴染であり、妹・フミ子(演・有村架純)にとっては姉的な存在の駒子(演・ファーストサマーウイカ)が、お好み焼き屋の看板娘になる前、20歳の頃の淡く切ない友情の物語。

「百舌鳥乃宮十六夜詣(もずのみやいざよいもうで)」
 生駒山麓に住む小学四年生の陣太郎は、友人の貞夫と山に入り道に迷ってしまう。ふと気がつくと目の前には、親たちから「決してその先に行ってはいけない」といわれているナメクジ地蔵が立っていた--。
 陣太郎は映画の主人公・俊樹が勤める山田製作所の社長(演・オール巨人)。貞夫はお好み焼き屋「みよし」の店主で駒子の父親(演・オール阪神)。

「アネキ台風」
 山田製作所に勤める塚口ハジメ(演・島村龍乃介)は、仕事のかたわらビジュアル系バンドのボーカルとして活躍する人気者。ハジメの姉の香織も、保険外交員として製作所に出入りしており、底抜けに明るいキャラで工員たちに愛されていた。絵にかいたような幸せ姉弟だったが、塚口家にはハジメだけが知らされていない、家族の秘密があった。
 家族の危機を肝っ玉アネキは救えるのか!?

「初恋忌」
 癌を患った「私」は、人生の落穂ひろいのつもりで、幼少期を過ごした町・彦根を娘とともに訪れる。趣味のスケッチに勤しむ「私」の記憶は往時をめぐり、初恋の相手・繁田喜代美の面影にたどり着く。
 人生の終わりを予感した男の身に起こる、小さな奇跡。映画のシーンとシンクロした感涙必至の好篇。

■映画原作『花まんま』(文春文庫)は、映画ビジュアルの装丁で展開中!

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43732/616/43732-616-6ea2520b9e22d81dbaa7b9e708bf8e48-1797x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
『花まんま』(文春文庫)書影


■著者プロフィール
朱川湊人(しゅかわ・みなと)
1963年、大阪生まれ。慶應義塾大学卒業。出版社勤務を経て、2002年 「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年には「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞を、2005年には『花まんま』で直木賞を受賞。
他の著書に『なごり歌』『かたみ歌』『わくらば日記』『遊星小説』『私の幽霊 ニーチェ女史の異界手帖』『アンドロメダの猫』「知らぬ火文庫」シリーズなど多数。

■書誌情報
書 名:『花のたましい』
著 者:朱川湊人
装 丁:四六判・並製小口折表紙
発売日:2025年3月24日
定 価:1650円(税込)
ISBN:978-4-16-391952-2
書誌URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163919522


■既刊本情報
書 名:『花まんま』(文春文庫)
著 者:朱川湊人
判 型:文庫判
発売日:2008年4月10日
定 価:836円(税込)
ISBN:978-4-16-771202-0
書誌URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167712020

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