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防水衣類が“洗濯機クラッシャー”に!?日常にひそむ家電事故の盲点

 防水シーツやレインウェア、サウナスーツなど、私たちの生活に欠かせない「防水機能付きの衣類」。これらを洗濯機でそのまま洗っていませんか?実は、思わぬ事故を招く恐れがあるのです。

  • ■ 洗濯機が“暴走”?異常な振動の理由

     この注意喚起を行ったのは、「独立行政法人 製品評価技術基盤機構 NITE(ナイト)」。4月9日、公式X(旧Twitter)に投稿された動画では、自転車カバーを使った脱水実験の様子が紹介されています。

     動画の中では、洗濯機が突然激しく揺れながら回転し始め、その後、横転して倒れてしまうという衝撃の光景が映し出されます。実験は安全に配慮し、周囲に何もない環境で行われていましたが、もしこれが家庭の洗面所だったら……と想像すると、背筋が寒くなります。

    振動で回り出す洗濯機

    激しく動いたあと転倒

    ■ なぜ防水性の衣類が原因でこんな事故が起きるのか?

     一般社団法人日本電機工業会(JEMA)のホームページに掲載された解説によると、防水性衣類はその構造上、「水を通さないため、洗濯槽の中に水が溜まってしまう」のだそうです。

     この溜まった水が、脱水時に一気に偏って移動し、洗濯槽の回転バランスが大きく崩れてしまうことで、「異常振動や機器の転倒を引き起こす」という仕組み。

     これにより、洗濯機本体の破損や、最悪の場合、周囲の壁や床にも被害が及ぶ可能性があります。

    ■ 注意すべき防水製品と対処法

     SNSではつい最近、防水シーツに関する投稿が大きな話題となりました。「洗濯機・乾燥機の使用可」の防水シーツを、「洗濯ネットに入れて」洗濯したところ、洗濯機が大破。さらに、洗濯機が大きく動いたことで「壁に穴が空いた」というのです。

     防水シーツは日常的に使用するものであり、洗濯機で洗うのも当然です。しかも、シーツ側に「洗濯機可」と表示されていたなら、疑いもせず安心して使用してしまうでしょう。この思いがけない事故は、多くの人に驚きをもって受け止められました。

     他にも注意すべき防水性衣類は、サウナスーツ、雨ガッパ、釣り具ウェア、ウインドブレーカー、スキーウェア、寝袋、おむつカバー、ウェットスーツなどが該当します。

     これらを洗濯したい場合、洗濯表示に「洗濯機可」と記載されていたとしても、手洗いによる洗濯、もしくはクリーニングなどプロにお願いするのが無難。

     家の洗濯機でどうしても洗いたい場合は、洗濯機・洗濯するもの両方の説明書をよく読んで“注意点”を必ず確認してから行うようにしましょう。防水シーツの場合には、「弱モード」で「脱水は3分程度の短時間」など書かれている場合があります。

     便利さの裏にひそむ思わぬリスク。普段何気なく行っている家事だからこそ、こうした情報を知っているかどうかで安全性が大きく変わります。防水性の衣類を扱う際は、改めて「説明書」を確認してみてください。

    <参考・引用>
    ナイト(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)NITE公式(@NITE_JP
    一般社団法人 日本電機工業会 JEMA「防水性の衣料・繊維製品の洗濯機でのお洗濯・脱水のご注意

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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