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- xMemoryを搭載した新しいStellarマイコンが、ソフトウェア定義型自動車の開発と電気自動車アーキテクチャの進化を支え、よりシンプルで拡張性の高いコンピューティング・プラットフォームを実現
- 拡張可能メモリが自動車メーカーの継続的なイノベーションを可能にし、大容量メモリを要するAI機器にも対応
- ST独自の相変化メモリ(PCM)技術に基づくxMemoryを初めて搭載したStellar P6マイコンを2025年内に量産開始予定
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、次世代の拡張可能メモリ「xMemory」を組み込んだ新しい車載用マイクロコントローラ(マイコン)「Stellar」シリーズを発表しました。同製品は、ソフトウェア定義型自動車(SDV)の開発と電動化プラットフォームの進化という困難なプロセスを刷新します。
xMemoryを搭載したStellarマイコンは、メモリ拡張できる革新的なマイコンです。コスト・パフォーマンスの優れた効率的なソリューションを提供し、メモリ容量の異なる複数のマイコンとそれに関連する開発・認定コストの管理が不要になります。このシンプルになったメモリ拡張ソリューションにより、自動車メーカーは将来的な変更に対応できる設計を実現し、以降の開発サイクルにおいて追加の技術イノベーションの余地を残すことができ、サプライ・チェーンの簡略化とともに、製品開発のコスト削減および期間短縮を実現できます。xMemoryを搭載したStellarマイコンの最初の製品はStellar P6マイコンで、新しいドライブ・トレインのトレンドと電気自動車(EV)向けアーキテクチャを対象として、2025年内の量産開始を予定しています。
STのグループ・バイスプレジデント 兼 汎用・車載用マイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャーであるLuca Rodeschiniは、次のようにコメントしています。「STは、自動車市場におけるより容量の大きいメモリに対するニーズに対応するため、最小のビット・セルで最高のメモリ技術を開発しました。xMemoryを搭載したStellarマイコンは、未来の自動車アーキテクチャを効率化することで、コスト・パフォーマンスをさらに高め、自動車メーカーの開発期間を大幅に短縮させるでしょう。この革新的ソリューションにより、自動車メーカーは同じハードウェアを使用しながら、長期にわたって継続的に製品を刷新する余地のあるインフラストラクチャ / 機能を確保できます。そのため、デジタル化と電動化の新たなイノベーションを安心して導入し、市場をリードしながら自動車のライフタイムを延ばせるようになります。」
Bosch社のバイス・プレジデントであるAxel Aue氏は、次のようにコメントしています。「組込み型相変化メモリ(PCM)技術を採用したStellarは、堅牢かつ柔軟なメモリ・コンセプトにより、高性能で適応性に優れた車載用マイコンです。この技術により、車載アプリケーションでは、RRAMやMRAMなどのメモリ技術よりも高い優位性を得ることができます。」
Moor Insights & Strategy社のプリンシパル・アナリストであるAnhel Sag氏は、次のようにコメントしています。「エンジニアは、xMemoryを搭載したStellarのような拡張可能なマイコンを選択することで、ソフトウェア機能をサポートするために必要な、コストのかかるハードウェア再設計が不要になります。ソフトウェアは、初期の開発段階や発売後のOTAアップデートでも、必然的に進化しますが、同じプラットフォームを現場でアップグレードできるため、市場投入までの時間と保守コストを大幅に削減できます。xMemoryを搭載したStellarのようなソリューションは、ロジスティクスと部品コストの効率化も可能にします。」
xMemoryを搭載したStellarマイコンのメリット
自動車メーカーは、車両を長寿命化、さらにデジタル能力を高めるため、ソフトウェアとハードウェアをプラットフォーム間で最大限に再利用するため、シームレスに統合する必要があります。また、ソフトウェアが複雑になるに伴い、メモリがボトルネックになってきます。これは、新しい機能や規制、大量のメモリを必要とするAI / 機械学習の機器、さらにOver-The-Air(OTA)による更新などが加速されるためです。STのxMemoryは、開発段階または納車後でも使用可能なメモリ容量を拡張することでその課題に対処します。このようにアプリケーションの無制限なアップグレードを可能にします。
SDVのライフサイクルのスタート時に適切なマイコンを選ぶことで、将来的なソフトウェア開発にも対応できる十分な内蔵メモリが確保できます。現在は、過剰な性能を持つ各種メモリを採用するとコストが増加しますが、性能が不十分なメモリでは、メモリ容量の大きなマイコンを別に見つけて再び認定取得が必要になる場合があり、複雑さもコストも、遅延も増大してしまいます。xMemoryを搭載したStellarマイコンは、価格競争力に優れているため、さらなる節約を可能にし、OEMサプライ・チェーンを簡略化します。また、迅速な製品開発を実現します。製品を長寿命化し、プロジェクト間で最大限に再利用を活用でき、認定にかかる期間を短縮できるからです。
PCMおよびStellarの技術情報
STは車載用マイコンにおけるFlashメモリから組込み型不揮発性メモリ(eNVM)技術への移行をリードしてきました。車載アプリケーション向けとして初めて認定された28nm eNVMを提供し、これがxMemoryの中核となっています。STの組込み型相変化メモリ(PCM)は、RRAM、MRAM、FlashメモリなどのNVM技術で最高のPPA(消費電力、性能、面積)指数を持ちます。
業界最小のeNVMセルを搭載し、18nmおよび28nmノードで製造されるPCMは、その他の技術と比べて2倍のメモリ密度を実現します。
この最新世代のPCM技術は、Arm(R)ベースのStellar PシリーズおよびGシリーズに採用されます。Stellarは車載用システム専用であり、自動車の電動アーキテクチャを簡略化し、パワーと柔軟性、安全性を高めます。また、Stellarのポートフォリオには、統合マイコン(Stellar PシリーズおよびGシリーズ)と電動化マイコン(Stellar Eシリーズ)が含まれます。Stellar統合マイコンは、集中型のゾーン / ドメイン・コントローラおよびボディ・アプリケーションを対象とし、複数の独立した通信 / 制御ECU(電子制御ユニット)の機能を統合します。Stellar電動化マイコンは、EVのトラクション・モジュール・パワー・コンバータを制御するために最適化されています。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約50,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。
◆ お客様お問い合わせ先
STマイクロエレクトロニクス(株)
オートモーティブ製品グループ
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TEL : 03-5783-8260